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閉鎖病棟 ほか

閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟
帚木 蓬生/新潮社





by G-Tools


昨日の国銅で、帚木氏の読みを間違えていた。(※訂正済)
よくよく読まずに出勤してしまい、帰宅してから気が付いたのだが
わざわざカッコ付で違う読み方を書いていた。馬鹿過ぎる。

正しくは、ははきぎ・ほうせい氏だ。
著名とはいえ、名前を間違うとは失礼なことをしてしまったので
今日も氏の著作のご紹介をする。

自分が持っているのはほぼ医療小説で偏っているのだが
「閉鎖病棟」「安楽病棟」「風化病棟」「臓器農場」がある。
それぞれ医師ならではの視点で問題提起がなされていながら
ストーリーも十分に読みごたえがある。

「閉鎖病棟」はタイトルとは逆に、精神病院の開放病棟の話だ。
要は自由な外出や面会が許されているか否かの違いだが
最初に3人の人間の話が別々に冒頭としてあり
数年後、開放病棟に居るという流れになっている。

主役は、そのいずれでもないチュウさんと呼ばれる患者で
比較的不自由なく、外出もしながら病院生活を送っている。
チュウさんは恐らく、一般社会の秩序と
患者達の秩序の両方の世界を見ることが出来るのだろう。
内側から見たその世界は、読み手にも伝わってくるような気がする。

「安楽病棟」は痴呆病棟であり
やはりこれも冒頭が入院する患者数人の話からはじまり
主役は看護師の女性となっている。
その日常と死を通して、「尊厳死」を扱った作品となっている。
「風化病棟」は医師という素材そのものの短編集で
「臓器農場」は、少々医療ホラー要素を持ったミステリー作品である。

この「閉鎖病棟」のタイトルで思い出したのだが
随分前に、何処かの遊園地のアトラクションで
ホラーの意味で用いたことが問題となり
アトラクション名を変更したというニュースを読んだ覚えがある。

が確かに病院と言う場所は、治療の場だと理解していながら
何やら怪奇の温床のようなイメージも持ち合わせている。
そういう意味では、「臓器農場」は
氏が世間の期待に応えた作品と言えるかも知れないが
あくまでホラー要素は病院側にあり、患者や病にあるのではない。

すべての作品を通して帚木氏は
患者や病を否定もしない代わりに、肯定もしない。
ただこういう日常があるのだと、淡々と有りのままを綴っている。

外科・内科・小児科・産婦人科・神経科と
それぞれの医師が持つ矜持や願いは違うだろう。
関係者ではないので憶測だが
精神科が抱える一つに、偏見や差別の壁があるのではないだろうか。

それは、どうしても生まれるだろうと思う。
患者には患者の秩序があり
それを乱した側が悪だとされるシステムを理解していなければ
ただ恐怖の対象と映ってしまう。
先のニュース記事は、そのような偏見の一片とも見れる。

作品は、倫理的な正しさを強要する訳ではない。
だがそんな描写だからこそ
「正しく知って欲しい」とそう語っているような気がした。

個人評価:★★★★


帯にはいろいろ書いてあるものの(笑)
泣けるとかそういう意味での感動は、自分にはなかった。
だが確かに、読んだ後にちょっと考えさせられるものが多い。

身近なところではやはり痴呆だが
本にもあったが、本当に症状の出方というのは千差万別だ。
ウチのじーさんは現在進行中なのだが
自分は初孫で、一時は会いたい会いたいと言われて
顔を見せに行ったら、以来ぷっつりと言わなくなった。
満足したのか、なんか違うと思われたのか。(笑)

亡くなったばーちゃんは、いろいろと隠す癖があり
入れ歯を仏壇にしまったり手紙を冷蔵庫にいれたりしていたが
今思えば、なんか秩序があったのだね。きっと。

痴呆は「ありがとう」という言葉を奪うとあった。
それは妙に、心の中に引っ掛かった。
「ありがとう」はマジックワードだとも言うが
何度聞いても不快ではないという意味だけではなく
聞こえないと闇を生む言葉でもあるのかもしれないね。
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