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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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神と人との間

潤一郎ラビリンス〈12〉神と人との間 (中公文庫)潤一郎ラビリンス〈12〉神と人との間 (中公文庫)
谷崎 潤一郎

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しばらく続いた谷崎マイブームも落ち着いていたのだが、
先日「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展に行き、物販で1冊買ってしまった。

いやうん、代表作はほぼ読んだのだが
谷崎は他にも短・中編があり、戯曲やシナリオなども手掛けているので、
さすがにそこまでは手が回らない。
つかそのゾーンは「谷崎潤一郎全集」とかの泥沼地域なので、
足を踏み入れるとか危険がデンジャラスに危ない。

そんな訳で「潤一郎ラビリンス」という、タイトルからして
出口のない変態へようこそみたいな
作品集の1冊だけを読むことに。
全巻揃えると16巻らしい。
買わんぞ!(決意)

中編「神と人との間」は
谷崎と千代夫人、佐藤春夫に起こった「細君譲渡事件」を元にしている。
詳細は蓼食う虫評に書いたが、要は
あんま好みじゃねーから嫁(゚⊿゚)イラネっていうワガママを
文学的にまとめたという谷崎の力技である。

だが蓼食う虫の間男(?)は、佐藤春夫ではないという話があるらしい。
実は千代夫人は最初、別の作家に譲る話が出ていたとかで
配役的には佐藤春夫は主人公の従兄弟であるとか。
ドッチにしても猫の子じゃあるまいし、
そんな簡単に嫁を右に左に動かしてエエものか。

が、「神と人との間」はまごう事無きこの三角関係を描いたもので、
中見のドロドロ具合もさることながら、
それをしれっと書いてる谷崎の神経がすげぇなと。(苦笑)
年代的には「神と人~」が事件の2年後、、「蓼食う虫」が7年後に書かれたもので、
後者は比較的冷静に書かれたものと言えるかもしれない。

──片田舎で医者をする気弱な男と、文壇で名の売れた男。
気の合った友人同士が、同じ芸者に心を寄せる。
芸者と医者は互い想いを寄せるように見えたが
医者は身を引き、作家と芸者が夫婦になる。

しかし作家の女遊びはやまず、妻に酷い仕打ちをする。
医者は後悔と未練から、この関係から離れることが出来ない。
芸者はただ従順な女になり下がり、作家はますます妻を疎む。
だがただ待ち続ける医者の心にもふと
純愛だけではない醜い想いがふつふつと湧いてくる──

明らかに作家は谷崎であり、医者は佐藤春夫である。
が、ストーリーは医者の心に寄り添うように書かれる。
もうホントお前すごいよ。
まぁ作家を正統化するようなストーリーでないことは確かだが
医者も芸者もいらっとするキャラに仕上がってるあたり、パない。

芸能ゴシップ記事のようなストーリーに、
「神」と言うタイトルはどうも大仰で、そぐわない。
だがもし神が人の運命を動かす存在であるならば、
これは人でありながら人を動かし、
その尊厳を踏みにじった者たちを嘲ったタイトルとも思える。

友人と妻をモノのように扱った作家
勝手に身を引き、己自身を踏みにじった医者
同じくただ流されるだけの芸者
無論、悪人は作家ではあるのだが、
貞淑を嫌ったという谷崎独自の価値観を、ここに見るような気もする。

相手を思いやらぬことは、確かに悪だ。
だが己を殺してじいっと耐えることも、違う意味で悪であると
歪んだ価値観ながら、何か考えさせられるものがある。
──とソレらしい話になってるとこがまた
このオッサンのすげートコなんだけどな!(笑)

他、対話劇「既婚者と離婚者」、短編「鶴唳(かくれい)」。

個人評価:★★★★


谷崎潤一郎文学の着物を見る: 耽美・華麗・悪魔主義 (らんぷの本)谷崎潤一郎文学の着物を見る: 耽美・華麗・悪魔主義 (らんぷの本)
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まあそんな訳で「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展ミニレポ。

着物姿のお客さんが結構来ていた。
館内の説明を読んでいると、谷崎文学は
登場人物の着物の鮮やかな描写とモダンさから
着物ファンの読者も多いらしい。へえ。

今までどんな着物かなんて視点では見てなかったので
コレが実物を見たらスゲー面白かった。
写真が撮れないので、弥生美術館のツイートを拝借。

■本書・神と人との間の芸者の着物
20160526-1.png

華やかな柄ながらも、色合いに慎ましやかさが窺われる。

痴人の愛のナオミの着物
20160526-2.png

コレが…!と納得の大胆不敵なお着物。
想像以上にナオミが出てた。

細雪の雪子の着物
20160526-3.png

「お嬢様」の空気全開。浮世離れ感がよくわかる。

他にも春琴抄の琴の、目も覚める程に艶やかなピンクの着物やら
「蓼食う虫」での千代夫人モデル・美佐の着物は
「神と人~」とまた違い、何処か現代的な力強さをも感じる。

谷崎が小説の着物の描写に、キャラを色濃く塗りこんでいるのだとしたら、
これらを一見してから、谷崎作品を読む価値はある。
また見にいらしているお客さんも、どこかモダンで目を引く着物を召していらっしゃる。

非常に面白い展覧会だった。オススメ。


カンケーない話。
ツイッターでツイートから桃太郎を作るアプリやってみたら
谷崎が割り込んできてワロタ。

20160526-4.png
※全文はコチラ

最初しか出てこなかったけど、谷崎の桃太郎とか
桃の時点でモザイクかかってそう。(笑)


ちょっと絵を描いたり写真撮る時間がないので、今日はこんだけ。
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