プロフィール

はるほん

Author:はるほん
とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


twitter
検索フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
-

Trackback

  1. 少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)

    2016-12-11 (Sun) 20:50

    『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)奥泉 光 新潮社 1999-03売り上げランキング : 198304Amazonで詳しく見る by G-Tools    奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』のネタバレ検討会です。     読了前は     「犯人は 津木ピン助&福地キシャゴ」     とだ…

Trackback URL

871

『吾輩は猫である』殺人事件

『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫)『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫)
奥泉 光

河出書房新社 2016-04-05
売り上げランキング : 199985

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


「明治の大文豪にツッコめ祭」2回目にして番外編。

少々本編のネタバレになってしまうが、
主人公の「吾輩」は最後、水瓶に落ちて溺死するという非業の死を遂げる。
が、それは奇想天外な物語の始まりであったのだ──

──「吾輩」は生きていた。
生まれた時よりなお暗い場所で目を覚まし、
気が付けば故郷を遥か離れた上海の町にいた。
皆目見当もつかぬまま新・野良生活を送っていた吾輩はある日、
落ちていた日本新聞の見出しに衝撃を受ける。

『珍野苦沙弥氏、殺害さる』
なんと、我が主人の訃報である。
それも「吾輩」が溺死した同夜に亡くなったと言うではないか。
否 「吾輩」はここに居るのだから死んではいない。
一体、あの夜になにが起こったのか?

そこに颯爽と現れたのは、あのホームズとワトソン──の飼い猫たちだ。
「吾輩」が教師の影響を受けているがごとく、
ふたりも「探偵と助手」のノウハウを心得ているのだ。
そこに上海の野良猫仲間たちも介入し、
猫たちは全力を挙げ、苦沙弥先生殺害事件を鋭意捜査する──。

いやはや、これはスゴい。
確かに本編にはちらほら「ん?この設定ヘンじゃね?」と思うトコロが出てくる。
本編のツッコミとしてすごく同意したものを書いておく。
 ・「泥棒陰士」と寒月君が似ていることについて、誰もツッコんでいない
 ・ストーリー後半にまったく他猫がでてこない
 ・日露戦争のさなかであるのに、苦沙弥先生は全くノータッチ

まあフツーに考えて、漱石くんめんどうくさかったのね、と
なまあたたかく微笑んでしまえる程度のギモンなのだが
これらをミステリのネタにするというのがスゴい。

本書の軽妙洒脱な漱石文の模倣も、素晴らしい。
が、漢学という根っこがある故の漱石文のリズムとはやはり微妙に違う。
また本書はミステリとツッコミで構成されてるだけに内容がみっちみちだが、
本家はもっとグダグダしている。(笑)
本編はあくまで「吾輩」のストーリーの無いゆるふわ日常であり、
ああも内容の無いストーリーをインテリジェンスに書いた漱石の
壮大なお茶目さも、逆にスゴい

またホームズ(猫)が出てくるのも頓狂な設定のように見えて、
実はコナン・ドイルと漱石は同時代の作家である。
(ただ10年くらいは作品を出した年代に差があるので、
 猫の寿命に影響せぬかは少々気がかりだが・笑)
上海と言う舞台も、日清戦争後に各国の利権が渦巻いていた場所と思えば
各国の猫たちが登場するのに、おあつらえ向きの設定となっている。

時代と本編を生かした設定は非常に楽しかったのだが、
ミステリ部分がこんなにフクザツになるとは予想外だった。
いや確かに本編の寒月君(※寺田虎彦がモデルと言われる)は
本編では理系というよりただのヘンな人なのだが、
本書では現代でも実現不可能な実験を成功させ、
バリバリの理系として、ミステリ部分に大きく貢献している。

いや、ミステリのカラクリ自体は良いのだが、
「吾輩は猫である」の後日譚という設定なのに
また謎を含んだ結末──いわゆるリドルストーリーで
締めてしまうというのは、ちと尻の座り心地が悪い気がした。
演出ではあるのだろうが、個人的にはこれらがキレイに片付いていたら
迷いなく★5つつけていたのだが。

が、本編をここまでつぶさに読みこんでいる点で
まさに「明治の大文豪にツッコめ祭」に相応しい本である。(笑)
「吾輩は猫である」の漢文っぽさになかなか手が出ないという方は
本書を読むと、意外にも本編の「ユルさ」が見えて楽しいのではないだろうか。

「夢十夜」がネタとして使われているので
こちらも一読しておくことをオススメ。

個人評価:★★★★


普段ネタバレはしない派なのだが、
今回は例外的にちょっとネタバレなども書いてみる。

端的に言うと、これはタイムスリップものである。
何とあの有名な冒頭から「吾輩」は
タイプスリップで苦沙弥先生宅に舞い込んできでいたのだ。
同時に先生の殺害にも、タイムスリップが端を発している──

うん、これ自体はとても面白かったのだが、
上であげた「秀逸なツッコミ」とキッチリ絡んでいなかったのが
個人的に残念であった。

・「泥棒陰士」と寒月君が似ていることについて、誰もツッコんでいない
これなら泥棒陰士くんは寒月君でよい。
まわりまわって最後に、未来の寒月君が稀代の発明をした「罪」を
贖って過去のケーサツに自首したとかさ。
書面上での罪状は「山芋泥棒」であるが。

・ストーリー後半にまったく他猫がでてこない
これは明らかに漱石先生が途中から
猫視点であることにメンドクサくなったか、話が作りにくくなったのだろうが(笑)
本書は本書で、「タイムスリップによる記憶喪失」を使い過ぎた感がある。

「吾輩は猫である」の後日譚でありながら
本書には夏目某の「吾輩は猫である」が出てくる。
タイムパラドックスにより、「吾輩」が溺死した世界は
回避されたと思えなくもない。

が、苦沙弥先生殺害事件に関しては
まだ回避されたともされていないとも、ハッキリしないオチがつく。
ハリウッドなら続編が待たれる結末なのだが
「作品の結末を追う」話で、コレは肩すかしをくらった感。

文豪作品に直接手を入れることを避けたのやもしれないが、
タイムパラドックスを使うなら、割り切ってしまってもよかったのでは。

・日露戦争のさなかであるのに、苦沙弥先生は全くノータッチ
苦沙弥先生の家に集まるゆかいな仲間たち──
迷亭・寒月・東風・独仙・鈴木に多々良といった面々が
実は世界を股にかける(?)連中だったというのが本書である。
モリアチー教授まで苦沙弥先生殺害を目論むあたり
苦沙弥先生は何者なりや──、と思うのは当然である。

が、結局コレが最後まで明かされない。
恐らくは「秘密を知った者」とされているのだろうが
なにかこう、ハッキリしない。
「夢十夜」という漱石の中では珍しい幻想作品を用いたのも
曖昧にする功を奏したとも、余計にも思える。

あくまで原作を崩さないというスタンスなのかは分からないが
上にも書いたように、本編を読み込んだ内容は秀逸。
文体も設定も非常に良かっただけに
本書は本書として「吾輩は猫である」のパロディとして
独立して欲しかったな、というのが個人的な総評。



谷崎潤一郎文学の着物を見る: 耽美・華麗・悪魔主義 (らんぷの本)谷崎潤一郎文学の着物を見る: 耽美・華麗・悪魔主義 (らんぷの本)
大野 らふ 中村 圭子

河出書房新社 2016-03-29
売り上げランキング : 8736

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


弥生美術館でやっている「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展に行ってきた。
いやー、モノホンはすごいね!圧巻!

写真撮影とかは禁止なのでレポはできないけど
まだ未読の谷崎本を買ったので、
評をあげるときにちょろっと書こうかなと。

ついでに東京名物と名高いもんじゃを食べに行ったのだが
(同時にがっかり名物としても名高いらしいが)

20160523-1.png

確かにちゃんと作ると、ソレなりにウマい。
コゲが出来るまで待つと香ばしくなり、
トッピング次第でそこそこ食べ応えもでるのだが、
どうも存在意義がよく分からない。

東京の人に聞いても「家では食べない」どころか
「食べたことない」人もザラにいるのだが
名所とされるところには、何十件の店がひしめいている。

関西人としてはやはりお好み焼きが念頭にあるため
薄くした上にコゲるまで食べ物にならず、
更にぐちょぐちょにして食すという
なにやら禅のような哲学のような存在意義がワカランのである。

何者なのだおまえは…(もぐもぐ)
関連記事
スポンサーサイト
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
1

Trackback

  1. 少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)

    2016-12-11 (Sun) 20:50

    『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)奥泉 光 新潮社 1999-03売り上げランキング : 198304Amazonで詳しく見る by G-Tools    奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』のネタバレ検討会です。     読了前は     「犯人は 津木ピン助&福地キシャゴ」     とだ…

Trackback URL

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Return to Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。