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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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名探偵に薔薇を

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
城平 京

東京創元社 1998-07
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「タイトルはこれ以外ありえない!」
「※第一部で読むのを止めないでください」
の帯に釣られて購入。
何冊買っても帯文句の誘惑に抗えぬ。
帯に「次の口座に振り込んでください」って書いてたら振り込みそうなイキオイ。

1998年の作品。
以前にリバイバルのミステリー作品を読んだときに
やや時代の差を感じたりしたので、どうかなーと思ったが
硬質な文章でまとめた感じが作風に合っており、
古さのようなものは感じなかった。

2部構成になっており、「痕跡を残さない毒」が題材になっている。
1部は「メルヘン小人地獄」という
なんとなく夢野久作か江戸川乱歩が書きそうなタイトル。(笑)

 ハンナはつるそう さかさにつるそう
  ニコラスは煮よう ぐらぐらと煮よう
   フローラはむこう ぐるぐるとむこう


不気味な歌が入った小人の童話が、新聞社や雑誌社に送り付けられた。
その歌のとおり、女性が逆さに吊るされた殺人事件が起こる。
更にひと月後、風呂でぐらぐらに茹でられた男性の遺体が発見される。
犠牲者たドは「毒の発明者」で繋がっていた。

致死量はわずか0.1グラム。無味無臭で、水に良く溶ける。
嚥下するとほぼ1時間後に、心不全としか思えない症状で死ぬ。
他の臓器に影響もなく、解剖してもほぼ検出せず、
長期間放置しても変質することがないという
まさに完全犯罪の為に生まれたかのような「毒」。

この「毒」と犠牲者たちの関わりが、結構グロい。
「1部で読むのを止めないでください」はこの事か?

ここで女性犠牲者の娘の家庭教師をしていた大学生が
名探偵と名高い友人を呼ぶ。
探偵は滅多に感情を表さない、鉄のような女性だった。
彼女の推理で事件は見事解決するのだが
この結末は2年後へと引き継がれる。

二部は「毒杯パズル」。
この家のポットに「毒」が大量に混入され、
就職した大学生の代わりに入った女性家庭教師が死ぬ。
善人ばかりのこの家庭に、殺人者がいるというのか?
なにより完全犯罪の為に生まれたようなこの毒を
「大量に入れた」のは何故なのか?

それは意外な顛末を生み、
更に女探偵の過去を否応なく呼び覚ます──

ミステリを読んだというより、
コレは「萌え」の走りのような作品じゃないかと感じたり。
それもきゃぴきゃぴした分かりやすい萌えではなく、
ツンデレとかクーデレ的な路線。
※ツンデレ…普段はツンツンしつつも、好きな人の前ではデレる
 クーデレ…クールデレ。普段はクールながらも以下略。
 

女探偵があからさまにデレることはないのだが
大学生の青年に一定の友愛を抱いていることは分かる。
1部のごく普通のミステリ―の構成から
2部の女探偵の過去を知ると、彼女の不愛想さが腑に落ち
せつない「きゅん」が発動することになる。

ミステリとしては1部はホラー風味で割と好きなのだが
個人的に2部を萌え小説と見てしまったので
そういう意味では、ちょっと時代を感じてしまった。
いやでも当時が2000年以前だと考えれば、これはなかなか
最先端レベルの「萌え」だったんじゃないかと思ったり。

ミステリとしては少々キャラ寄りだし
キャラ萌えとしては多少安直かなと言うのが、率直な感想。
「名探偵に薔薇を」を言うタイトルは
薔薇を「萌え」と考えれば、個人的には納得のタイトル。(笑)

個人評価:★★★


萌えの歴史も調べると面白いかもな。
今度やってみよう。


オシャレとは無縁な靴話。これで終わり。


しかしきっとこのオッチャンは、モグリの靴修理なのだ。(妄想)





キチンとした値段忘れたけど、2000円は払ってない気がする。





多分早く帰って欲しい一心で、手術するブラックジャック先生。


一応この靴、まだ履ける状態にある。
さすがブラックジャック先生。

が、万一またあんな事件があるとイヤなのと
そろそろ違う意味で履くのを止めた方がよさげなので
どうしたものかと悩むトコロ。
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