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79

国盗り物語 織田信長編

国盗り物語〈3〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)国盗り物語〈3〉織田信長〈前編〉
司馬 遼太郎/新潮社





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娘・濃姫を嫁がせた道三は
「うつけ」と呼ばれる信長を見定めようと会見を申し込む。
供の者達が呆れる中、はたして道三だけがその器を見い出す。

時の流れの中で信秀が頓死し、道三も戦に倒れる。
信長は織田家当主となり
道三方についた明智氏が離散した為、光秀は浪人となる。
乱世の梟雄に繋がるこの2つの運命は、全く逆の道を行くことになる。

信長は家督争いを経て、有名な桶狭間の戦いで勝利する。
ところで信長と言えば、戦上手で連戦連勝のイメージがあるが
実は決してそうではないのが、この小説を読むとよく分かる。

信長の戦の特徴は、事前に勝てる戦にもっていくことと、
決定的な打撃を受ける前に見切りをつけて撤退することにある。
故に「逃げる」という戦術を使っても、敗戦はしていない。
戦力的に数は多くとも強くはなかった尾張衆を
信長は冷静かつ、実質的に使うことに長けていたのだ。

一方、光秀は不遇の時代を送っている。
史実では光秀のこの時代はいまひとつはっきりしないのだが
ここでは朝倉家に身を寄せるも、その志の高さゆえに士官はせず
衰退した将軍・義輝の地位を取り戻すために奔走したことになっている。
ちなみに著作では義輝が14代将軍になっているが(一般には13代)
おそらく10代将軍が再任しているのを数えて、そうなっているのだろう。

話の中心はこの二人だが、ここから戦国時代のスター達が続々と現れる。
まずは信長の配下に入った秀吉。
秀吉はのちに、信長の命で竹中半兵衛をスカウトする。
その信長と同盟を結んだ家康。
将軍を弑した松永久秀もまた、信長のもとに下る。
甲斐の虎と恐れられた信玄は、そのクライマックスで戦国から退場する。

また信長の妹・市は政略結婚により浅井長政のもとへ嫁入りし
光秀の娘・たまはのちにガラシャ夫人と呼ばれる人物となる。
さらに光秀の配下となった斉藤利三は、あの春日局の父となるのだが
ここではまた別の話だ。
だが小説ではなく、リアルに広がっていく史実の軌跡に
読んでいて本当にワクテカが止まらない。

戦国の世は、歴史の中に生まれたフィーバータイムのような気がする。
道三がはなった賽の目から
一瞬の間だけ許された「なんでもアリ」の無双時間だ。
それは決して、長くは続かない。
タイミングと運を掴んだ者こそが「勝者」となる。

だからこそ迅速な判断と行動をもつ信長は時代の寵児であり
ひとかどの人物でありながら不遇であった光秀とは、まさに対照的だ。
道三の荒々しい部分を引き継いだような信長と
その知識人の面を引き継いだかのような光秀。
道三の「もうひとつの人生」は運命的に1つになる。

光秀はついに、信長の配下となる。
「気分屋のワンマン社長」についた「真面目社員」そのものだが(笑)
ここで「おべっか社員」の秀吉や家康は上手く世を渡っている。
彼らもまた、タイミングを熟知していた勝者だったのだと思う。

信長と光秀の関係を語るのによく
「金柑頭」というあだ名と、頭蓋骨の盃が言われるが
どちらも俗説で、特に前者は司馬先生の創作が元だといわれる。
本当に司馬先生は、史実と創作を合わせるのが上手すぎる。(笑)

こうして目前に迫った信長の天下統一に
光秀の「空気の読まなさ」が、ここぞと発揮される。
そう、「本能寺の変」だ。
時代が英雄という毒を求めるのは、乱世だけなのだ。
すでに統一という動きにまとまりだしていた世情に
光秀の決断は既に「毒」でしかなかった。

幻のフィーバータイムは、もう終わっていたのだ。

本当に、光秀は不遇の人である。
司馬先生も相当に同情しているらしく、光秀の描写は多い。
「信長が生きていれば」
その後の時代も随分と違うものになったともいわれるが
それはありそうで、やはりありえない事である気もする。

道三が始めた双六は、そのまま道三の手で終わった。
だが彼は確かに支配階級を食い破り
後に長く続く江戸幕府を生み出す発端を生んだ、蝮であったのだ。

歴史とは、本当に面白い。

個人評価:★★★★


明日から実家へ帰るつもりなので
ひょっとして今日が最後の更新になるやもしれませぬ。

今年始めたばかりではありますが
どうぞ来年もよろしくお願い致しまする。

とか言って明日も書いてたらごめん。
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