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戦国無常 首獲り

戦国無常 首獲り (講談社文庫)戦国無常 首獲り
伊東 潤/講談社





by G-Tools


先に薀蓄(うんちく)を記す。

首取り(※一般にはこの字面が多いので、こちらとする)とは
戦場で打ち取った相手の首を切ることを言う。
持ち帰って検分してもらい(=首実検)
その評価によって恩賞を得るというのが、戦国時代の査定システムだ。

戦では、敵大将や幹部を打ち取ったもの
更に一番首(本来は三番まで)をあげた者が評価される。
それを証明するのには、首を持っていくのが一番手っ取り早い。
テレビを見ていると、戦争は全軍入り乱れのような形に見えるが
実際は氏族ごとのグループ構成になっており
主人が手柄を上げると、配下がその首を検分に持っていく形になっている。

なので戦場では、首を持って走っている人間がいたり
腰からブラ下げて戦っている人間もいる訳だ。(笑)
新撰組の小説で、銃器に変わった時代にも証拠の首を取ろうと
もたもたしている兵達を土方が一喝する場面があったが、
それくらい「首」は重要なアイテムだったのだ。

ちなみに陣に持ち帰るとその首を綺麗に洗って、化粧を施す。
(この役は戦に参加しない女性や子供などがやったとも言われる)
査定の折に少しでもよく見せる為の細工でもあったが
形相の悪い首は縁起が悪いとされていたらしいから
首実検への作法でもあったのだろう。
もう何が悪くて何が良いのかもわからんが。(笑)

だが首にもランクがあり
例えば逃げようとした敵を討った「追い首」はランクが下がる。
他にも死体から取った「冷え首」も同様だ。
また名も無い兵は、持って帰っても幾らにもならない為
その場で「捨て首」になったりもする。

これだけのランクがあるのだから、当然
人が討った首を自分のモノにするのは「奪首」と言って重罪になる。

話が長くなったが(本当にな)、この本は
「頼まれ首」「間違い首」「要らぬ首」
「雑兵首」「もらい首」「拾い首」の六篇の短編集で構成されており
首獲りにのみ焦点を合わせたところが、歴史的に面白い。

戦国物は、割と雄々しく勇ましい姿が書かれることが多く
自分も確かにそれで歴史・時代小説が好きなのだが
これを読んで、戦場の現実は
実際にこのようなものであったのかも知れないな、と感じた。

時代劇などでも、首実検のシーンはまれに見られることがあるが
「首取り」をリアルに描いたものは無い気がする。
無論、倫理的な意味合いが強いのだろうが
ある意味では日本の暗黒部分というか、裏歴史であるのかも知れない。

普通の戦国物と比べて読後感は決してよくはないが
戦国の裏知識として読むといいのではないだろうか。
ただちょっとオチが読めてしまうのが残念。(苦笑)

個人評価:★★★


ところで「我こそは~」という名乗りを上げる習慣は
この首検分がされるようになって、されなくなったと言われる。
でも一番首をあげるのに乗り込んだ武士とか
名の通った武士は名乗りはしていたらしい。

知らなかったころは妙な習慣だと思ってたが
名乗りを上げた人は検分しやすくなるし
功労も与えられやすいってワケだよね。納得。

それにしても昔の給与システムはシビアだな。
基本給や時給じゃなかったワケだからねえ…。

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