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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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春琴抄

春琴抄 (新潮文庫)春琴抄 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎

新潮社 1951-02-02
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谷崎を初めて手に取ったのは猫と庄造とふたりのをんなだと思っていたが
そのずっと昔に、自分は谷崎に会っていた──



谷崎をただの変態だと思っている人は(誰が思わせてるんだ)
ぜひこの春琴抄に打ちのめされて欲しい。
100頁に満たない薄さだが、
句読点を無視した息詰まるほどの文章と
古語と現代語の淵に揺れる日本語の美が、滔々と続く。

それでも、読み難くない。
不思議なほどに文字たちは、するすると脳内に沁みこんでいく。
最初、電車の中で開いたことを後悔した。
何の音に邪魔されることの無い静かな場所で
沼のような閉塞感を伴う文字のなかに沈みたいと、そう思った。

「鵙(もず)屋春琴伝」という冊子を手に入れた谷崎が、
春琴と呼ばれた三味線名手とその弟子の
墓参りに訪れたことから物語は始まる。

薬種問屋の大店の娘・琴は、怜悧で美しい。
だが幼い頃に盲となり、その日より
佐助は彼女の手となり足となり、眼となって奉公した。
三味線の稽古に出かける琴のその手を引き、
食事の世話から着替え、風呂あがりの身体を拭う事までも──

ここで「厠の世話も」って書いちゃうトコが谷崎だよな(´・ω・`)
オーケイ、大丈夫だ問題ない。
もうそれくらいじゃアンタの作品には怯まないぜ。
むしろ「用をお足しになるのにご自分の手は使わない」と書く
その高等テクニックに痺れたわ。

琴は佐助の主人であり、三味線の師匠でもあった。
その教えは厳しく、「阿呆」と罵倒したり、
撥(ばち)で身体を打ち据えたりすることもある。
しかし佐助は琴に心酔しており、決して口答えすることもない。
琴には嗜虐性快楽の傾向があったのではないかと、谷崎は分析する──

無論、小冊子・三味線の名手云々は全てフィクションであり、
全部谷崎の脳内お花畑である。
が、半リアルな設定に己のシュミをチラ見せしつつ
読者を煽る手腕が天晴れすぎる。
谷崎があとウン十年遅く生まれてたら、夏コミに降臨してたと思う。(真顔)

さてこう書くと、ドS令嬢+真性のツンという琴に注目してしまうが
本書のラスボスはあきらかに佐助である。
というかマゾを純愛で擬態した凄腕作品だと思う。
最後、佐助は醜くなった琴を見ぬために目を潰すのだが、
実は自分はこのシーンを、幼少のおりに見ていたのだった。

小さい頃だったので、話筋はほとんど覚えていない。
恐らくおかんがテレビ放映の「映画・春琴抄」を見ていたのを、一緒に見たのだろう。
佐助が目を潰すシーンだけが、脳にぐっさり突き刺さった。
タイトルも覚えていなかった。
が今になってやっと、アレが谷崎との出会いだったのだと思い至った。

幼きその衝撃は、佐助こえええぇぇ!!に尽きた。
その所為か、佐助をそのまま受け止められない。
谷崎潤一郎マゾヒズム小説にもあったが、
恐らく佐助は「苛められる状況」を悦ぶ真性のマゾとしか。
だから琴と夫婦になどなりたくないのである。
墓に入っても2歩も3歩も下がって、虐げられ続けたいのである。

純愛を擬態したと書いたが、そうではないかもしれない。
マゾこそが純愛であると、谷崎は説きたかったのかもしれない。
そんなバナナ。(´・ω・`)
だが確かにこれは純愛小説にしあがっている。
マゾであるが故に。

これほどにマゾを正当化し、
マゾに真っ当なる美と感動を与えた作家がいただろうか。
谷崎、おそろしい子…!
しかもウン十年前に自分の心に入り込んでいたとか、マジで恐ろしい…。

個人評価:★★★★


春琴抄はすでに6回も映画化されているようで
自分が見たのは年代的に、三浦友和と山口百恵バージョンだろう。
幼稚園とか小学校低学年くらいだったと思う。

子供の前で谷崎見るとかどーゆーおかんやねんと思われそうだが(笑)
ウチはもともとチャンネル権がおかんにあり、
子供だからと言って優先的に見せてもらえなかったんである。



アニメなどもそれなりに見たが、スポーツ中継やドラマ
お笑い系を子供にしてはよく見ていた。と思う。





妹は歌番組やドラマを見ないと小学校のクラスの話題に
ついていけないからと見ることを主張し、
おかんは相変わらず見たい番組を主張していた。



多分半分くらいは妹の記憶が正しかった。(笑)



もう少し続く。
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