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赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹/東京創元社





by G-Tools


本屋でよく見るので気になってはいたものの
なんとなく最後の一歩が踏み出せなかった作家さん。
何故と言われても、多分
ただの食わず嫌いみたいなものとしか説明できない。

まあでも気になったら一口(一冊)は食べてみるのが礼儀と思い
並んでいる本から、比較的合いそうなこの本をチョイス。
何故と言われると、これも
装飾過多のデコレーションケーキ群から
一番シンプルなチーズケーキを選んでみた、というところか。(笑)

話は3章に分かれており、戦後から平成までの
山陰地方にある一族の女三代記という形となっている。

1章の主人公は、万葉(まんよう)。
サンカ(※民俗学で言う戸籍を持たぬ山の民)に捨てられた少女は
物心ついたころから予知能力を持つ。
万葉は運命の糸に引かれるように
製鉄で財を成した名家・赤朽葉に嫁入りをする事になる。

いや、この1章はとても良かった。
戦後が地域にもたらした産業景気の中
旧家と昭和が持つ古臭い空気、そして
万葉とサンカの謎めいた関係に、非常にワクワクした。
そして時代と共に、話は次章へと移る。

2章の主人公は、万葉の娘・毛毬(けまり)。
長男は泪(なみだ)、次女は鞄(かばん)、末子は孤独。
……ここいらでちょっと、中二的な名前チョイスが気になりだす。(苦笑)
話もガラリと変わって、当時の世相を反映しており
毛毬自身もレディースの頭という設定だ。
盗んだバイクで走りだしたり、校舎のガラス窓を叩き割ったりはしてないが。

その後、彼女は転職(?)するが
日本の高度成長期よりも激しい場面転換に、気持ちが付いて行かない。
そのまま毛毬の娘・瞳子(とうこ)の3章へ進む。

おーーーーーっとぉ!ここでイキナリのミステリー展開だああ!
瞳子が祖母・万葉の残した謎に迫る!これは凄い!
ボディーブローの嵐!挑戦者、立てなぁぁぁぁい!!
と、自分もスポーツ実況中継に切り替わる程の急展開。

いや、話はちゃんと繋がっている。
が、自分の興味が1章で置いてけぼりのままなのだ。
戦後という赤と黒の際どい配色で始まったこの話は
平成っ子のライトなフィーリングで締め括られる。
「ビューティフルワールド」と。(欧米か)

いやある意味、正確に時代を追っているのかも知れない。
この50年は政治経済面だけでなく、生活様式や人も激変した時代だ。
そういう意味では、確かに正しい。
だが1章であれだけたっぷりの素材を見せられた後で
最終的に出てきた料理がカップ麺みたいで、少々拍子抜けした。
だったら1章だけで最後まで食べたかったなあ、というのが本音。

旧家と言うおどろおどろしい場所が風通しよくなったのだと
テーマ的に狙っているならそれで構わないのだが
どちらかというと、昭和から平成のフォトグラフィーを眺めたようで
後に残る物が無かったという印象。

過去から未来へという流れを読む事がテーマであったなら
1章で固定概念を持ってしまった、自分の読み方が悪かったのであろう。
だがその設定が好みだっただけに、少々残念。

個人評価:★★★


全体的に語彙のチョイスがライトノベルっぽく感じたのだが
後で調べたら、桜庭さんはこちら出身だったのだな。

「十代向けの読みやすい小説=ライトノベル」という定義は
成程なと思うし、それであってると思う。
文章が平易という意味でなく
内容の盛り方というか傾向が「大人味」でないと言う意味で
自分があまり手に取らないだけで、偏見は無いつもりなのだが。

まあ乱暴に言い切ってしまうと「中二味」というか(笑)
主人公がなにかの世界にどっぷり浸かっていて
その世界観ごと読んでいこうという舞台設定に、わざとしてあるのだと思う。
良いとか悪いとかは関係なく
ただ物語を読んでいけば良いというスタイルは
自分でアレコレ考える大人には読み足りないかも知れないが
初心者には理解しやすいし、良い入口だと思う。

分かり易く書けるというのは、それだけで才能だから
ライトノベル出身の作家さんが化けることも、十分有り得る。
今まではあまり手に取らなかったのだが
発掘と言う意味で、今後も気になったら時々買ってみようかなと思ったり。
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