プロフィール

はるほん

Author:はるほん
とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


twitter
検索フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
-

Trackback

Trackback URL

65

人工疾患 【ネタバレあり】

人工疾患 (朝日文庫)人工疾患
仙川 環/朝日新聞出版





by G-Tools


今回は本の内容と違うところで衝撃を受けたので
かなりのネタバレを含むことを先にお断りしておこう。

まずは本を検証してみる。
表紙はデオキシリボ核酸らしき背景と、子供のシルエット。
帯の表には「おとうさん、ぼくの体に何を入れたの?」
裏には「こんな体で生きていたくない」
煽り文句は「戦慄の医療ミステリー」。

なんだろう。この違和感は。
本を手に取った瞬間、その内容とオチまでが
自分の中に流れ込んでくるような錯覚を感じた。
だが、その幻覚を否定する。

が、まさか本を売りたい編集者が
トランプ裏向けにして勝負するなどあろう筈もない。
更に、本の裏に書かれたあらすじを読んでみる。(原文まま)

 ミステリー作家のさおりが出会った、7歳の少年ユウキ。
 その面影に既視感を覚えるさおりだが
 自分の幼少時代を知るかのような彼の言動に疑念を深めていく。
 やがてユウキの生い立ちを探り始めたさおりは
 あどけない笑顔の裏に隠された悲壮な真実を知ることになり…。


………あれっ。(´・ω・`)
なんか3行目に答えが書いてるような気がするけど
いやいやいやいや。
この疑惑の匂いに真実の果肉を内包した果実の名を、自分は知っている。
そんなバナナ、というやつだ。

騙されてはならない。
彼(編集者)は表装で本読みの購買欲を掻き毟る悪魔だ。
つまりこの安易に見せかけた文字列は、すべてミスリードに違いない。
成程、彼はやり手であるらしい。(にんまり)
そう自分を納得させて、レジへと向かう。

さて、序盤を検証してみよう。
誰かの手記らしき視点と、さおりの生活視点が交互に描写されている。
手記では幼少時代、父の暴力に耐えかねて
母と二人暮らしであった旨が書かれている。
一方さおりの方は、訪ねてきた母親が
ユウキが小さい頃遊んでいたユウ君にそっくりだとアッサリ暴露。

…………バナナ?(´・ω・`)
いや、序盤で飛ばすところが却ってアヤシイ。
300ページほどの薄さでは、早めに話を展開させねばならないのだろう。
その割に医療関係では
イカをさばいた描写しか出ていないのも気になるが。(医療…?)

とにかく中盤を検証してみる。
ユウキの面倒を見ていた老女が倒れる。
さおりが慌てて身内に連絡を取ると、母親は既になく
某病院の「臨床遺伝学講座」に父親がいると言う。

臨 床 遺 伝 学 っ て 言 っ た 。(涙)
自分ですら遺●子操作というワードを伏せていたのに
なんかスゴイあっさりキタコレ。
迷う筈のややこしい道順で、さらっと目的地に到達しそうな
微妙な達成感と失望が綯い交ぜになる。

いや、まだページは残されている。
小説には大どんでん返しという技もあるし
叙述トリックという可能性もなくはない。
来たれオチよ。ひっくり返される準備は何時でも出来ている。

そして結末は来た。
ラブストーリーより突然に。
最後の数ページでアデノシンデアミネーゼが華々しく登場し
一気に「医療ミステリー」だと言い張って
そのまま華麗に去って行った。

fd400867.jpg

…よもやこんなに素直で正直な表装があるとは思わなかった。
胸に1本のバナナを残したまま、物語は幕を閉じた。

個人評価:★★とバナナ1本。


まあ一応、ちゃんと書評。
文章と構成は、意外性がない以外に別に悪い個所はないのだが
ミステリーで意外性がないというのは、割と困った難点であろう。

結局はユウキの独白ですべてが解決するという形が
読んでいて全然ハラハラ感がなく、面白味に欠ける。
せめてさおりが、医療従事者とか医療ルポライターとか
もう少しユウキの内部に歩み寄れる立場であるべきなのではないか。
自分の原稿のことばかりで、無駄が多い。

表装がよろしくないのは確かなのだが
出す前になんらか構成チェックのようなものは入らないのだろうかと
ちょっと考えてしまった次第。
関連記事
スポンサーサイト
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
0

Trackback

Trackback URL

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Return to Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。