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十九才の地図

十九才の地図 (河出文庫)十九才の地図 (河出文庫)
中上 健次

河出書房新社 2015-01-07
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以前に日輪の翼を読み、いずれ著作を読もうと思っていた中上健次。
実は直後に1冊読んだのだがそれは後にして、
彼の初作である本書を先に評しようと思う。

が、これが中上作品デビューに相応しいかというと、
多分そうじゃないだろうなあというのが個人的な感想。
4つの短編集だが、読み辛い。
文章も読み難いし、内容も薄暗く、同じテーマが重複されていて飲み込み難い。
「日輪の翼」で中上作品を面白い!と感じていなければ、
少なくとも続けては読めなかったかもしれない。

中上作品はいわゆる「私小説」だ。
個人的には作品と作者を重ねて読むことには疑問があるのだが
ここまで濃度のある作品であるからには
作者の来歴を踏まえた方が良いように思う。

中上健次の母は、俗に言うバツ2である。
1人目の夫との間に4人の子供があり、、2人目の夫との子が中上健次である。
が、その後3人目の夫と再婚する際に中上健次だけを連れて行き、
あとの子らはそのまま元の家で暮らしたらしい。
更に2人目の夫と3人目の夫にもそれぞれ前妻との子があったというから、
非常に複雑な家庭環境だったことがうかがえる。

そこへ兄(1人目の夫の子)が首つり自殺をするという事件があり
これが中上少年に相当な衝撃だったのだろう、
作品の中でも幾度となくこのことが書かれることになる。
本書ではほぼ短編全部に兄の死が絡んでおり
さすがにげっぷが出そうになる。(苦笑)

また本作では関連があるのかどうかハッキリとはしないが
中上健次は部落差別のあった地域の出身である。
外の世界への不信と中の世界での繋がり、
同時に外への憧憬と中への嫌悪というものが混濁して
作者自身が「1つの物語」の生きた主人公だった背景が、ここに在る。

以上、中上健次の来歴を簡単に述べたが
これを踏まえて読むと、中上作品は非常に味の濃い作品だと分かる。
癖があるが、それがこれまたクセになるとでも言おうか、
中上健次の少年期が、青年期が、また彼自身が
世界をどう見ていたのかが、興味深い。

「一番初めの出来事」
康二という少年の日常を描いたものだが
中上健次の少年期だという事は、来歴を知ればわかる。
「十九歳の地図」
新聞配達をしながら予備校に通う学生の日常。
自分で勝手に住民地図を作り、気に食わない相手に×をつける。
×が3つになると、イタ電を掛けると言う妙な行動をしている。
「蝸牛」
母子家庭にあがりこんでいるヒモ男の日常。
母子に対して従順なのが非常に「ヒモ」らしく、同時に底知れない。
「補陀落」
「姉」が「弟」に対して独白のような説教のようなものを語る。
だが時折視点が弟に移り、また改行も少なく非常に読みにくい。
これも中上健次の少年期を踏まえている事が分かる。

一見短編集のようだが、恐らくこれは全編
康二と言う少年を借りた、作者の少年・青年期なのだろうと思われる。
ひと繋がりの物語としているのかどうかは不明だが、そう読んでもいいと思う。
どれもオチらしいオチはないのだが、
ここから始まる中上作品の「プロローグ」だと見ることが出来る。

ストーリー的にはいまひとつ盛り上がりに欠けるのだが
描写の迫力というか、「ねちっこさ」に最後まで読んだような印象。
風景や人間の汚らしさを余さず書こうとして
図らずもそれが自然を描写するような筆運びになっている。
「汚いもの」と「綺麗なもの」の境界線は何処なのだろうと
ふとそんなことを感じてしまう。

否、それこそが中上作品が語るテーマなのかもしれない。
故郷の和歌山だけを舞台とし、重なるような作品だけを残した中上健次。
ただただ自分の足元から世界を見ようとする「ねちっこさ」は
好き嫌いはあるかもしれないが、どうにも気になる。

中上作品のデビュー作としてはオススメできないが
彼の作品を読んだら、この本に必ず足を踏み入れることになるだろう。
そういう意味では「順番」に読まなくても問題ない。
きっとここへ辿り着く。
そうして多分この「原点」からもう一度、中上作品を読み直すことになるだろう。

再読スイッチもついてるなんて、健次、恐ろしい子…!

個人評価:★★★








男女はちゃんと部屋分けされるハズである。
しかし確かにぱっと見た感じ、ドッチにも見えるので(失礼すいません)
まさかなぁと思いつつ謎に感じていたトコロ。



風呂入ったとかなに食べたとか、簡単なモンだけど。



自分で発見したんじゃなくて、おかんが
「面白いから見せてもらい」と言ったので、そこを読んだのだが
どうやって分かったのか考えるとオモロイ。

ま、人はいずれオッサンのようなオバハンのようなものになるのだから
自然の摂理と言えば摂理であろう。
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