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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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五郎治殿御始末(柘榴坂の仇討)

五郎治殿御始末 (新潮文庫)五郎治殿御始末 (新潮文庫)
浅田 次郎

新潮社 2009-04-25
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短編集だが、現在映画になっている「柘榴坂の仇討」の原作となる。
この長さにそれだけ時代背景とストーリーの奥行があることにも驚かされる。
映画のお蔭で、この話だけ電子書籍化されて読めるが
その時代を読む為にも、全てを一読することをおすすめする。

時代は明治の御一新。
武士と言う身分が無くなり国をあげての西洋化が進む中、
ガス灯やザンギリ頭だけでなく、
根本からひっくり返ってしまった生活に翻弄される人々の
悲喜こもごもを描いた6編の短編集。

「椿寺まで」
武士から商人になった男と、その養子になった丁稚の坊主。
「函館証文」
五稜郭の激戦で殺されるところを、証文を書いて生き残った男。
明治に御世になり、相手が「取り立て」に来るが。
「西を向く男」
従来の暦が廃止され、グレゴリオ歴が採用される。
日本では明治5年12月2日までとなり、翌日が明治6年となった。
「遠い砲音」
上の暦の廃止と同時に、定時法が使われる。
「時分秒」という尺度に振り回される元武士の老役人。
「柘榴坂の仇討」
主・井伊直弼が殺された桜田の門外の変から
13年間その仇討を志してきた元武士。
「五郎治殿御始末」
浅田氏の祖父の思い出話。
お腹召しませと同じく、氏の想像した話のようだ。

鉄板の時代劇と言う意味では、
確かに「柘榴坂~」はそれっぽくてカッコイイのだが
個人的には暦と時間という日常的なアイテムを題材にした
「西向く男」と「遠い砲音」がすごくよかった。

生まれる前から在ったものがなくなるというのは
それこそ天地がひっくり返るほどの衝撃でもある。
特に日本は鎖国の中で独自の時間を過ごしてきた国民であり
武士たちはお堅い頭そのものがウリでもあったのだ。それを
「まだ暮六つとか言ってんのw今は「5時」がトレンドだろJK」とか言われたら
大袈裟でなく、己の全てを否定された心持になるのではないか。

日とともに寝起きし、アバウトな時間で区切っていた生活が
1時間は60分、1分は60秒とされ
1秒という単位まで正確に合わせることを強いられる。
今なら小学生でも始業までに学校に行く事が当たり前だが
イイ年をしたオッサンが「遅刻じゃーー!」と馬を走らせるのである。
思わず吹き出してしまうものの、その戸惑いは押して図るべくもない。

その反対に、季節を細かに区切ってきた日本の暦。
いわゆる太陰太陽暦と言われるもので
月と言う概念はあっても、年と言う概念がない。
空気の変化をつぶさに見て、計算されたそれは
農作物に合わせて作られた、日々の糧の土台だったのだ。

それを1年と言う枠の中で、約30日ずつの月で区切られてしまう。
自然のちいさなささやきに耳を傾けていた生活を、
時計とカレンダーというものが全てを決めてしまう。
現代人で言えば、時計やカレンダーを奪われるのと同義だろう。

時に合わせて生きていた者が、時に追われるようになる。
年月日。時分秒。
武士たちは腹を切るよりも尚、
色んなものを捨てて生きることを選ばねばならなかったのだ。
それは短編におさめられながらも、何かが胸を打つ。

けれど時代は物を捨ててきたばかりではない。
暦は今の時代にも、ひっそりと当時の姿を残している。
10月23日は「霜始降(しもはじめてふる)」。
秋から冬へ空気が冷えていく季節の入り口に立つ頃だ。
TVの天気予報を見て、成程と思わず頷く。

携帯に難なく表示される温度や日付からふと
高い空と遠い時代に顔をあげて見たくなる作品だ。

個人評価:★★★★★


我が家の御一新(?)。






なんとなく「いつでも電話で捕まる」というのが嫌で、なかなか持てなかった。
下の事件があって随分してから、自分はJ社で契約した。



なんとなくつづく。
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