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513

俊寛

俊寛俊寛
芥川 竜之介

2012-09-27
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今回芥川作品を読みなおそうと思ったきっかけがこの作品だ。
先日読んだ源平六花撰にこの俊寛の物語があり
そういや芥川作品にもあったよなーと
家の本棚を漁る前に、青空文庫で検索したのだ。

そうしたら同じ「俊寛」のタイトルで、菊池寛の名前がある。
本棚で手持ちの菊池本を見てみたら、確かにある。
それも積読じゃなくて読んだ本。

藤十郎の恋・恩讐の彼方に (新潮文庫)藤十郎の恋・恩讐の彼方に (新潮文庫)
菊池 寛

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えええ、なんで気付かなかったんだろうと言う訳で、
俊寛を史実(正確には平家物語)・歌舞伎・菊池版・芥川版で比べてみたい。

【史実】(平家物語)
俊寛は平安時代の坊さんである。
当時ブイブイ言わせてた平家をいてこます陰謀になんとなく加わり
失敗して共犯3人まとめて島流しにされたという御仁。
が後年、他の二人だけ赦されて都に戻る。
数年後、変わり果てた俊寛のもとに弟子が訪れ、
俊寛の妻子の死を告げると、自ら餓死したといわれている。

この余りに哀れなオチが、物語としてリサイクルされることになる。

【歌舞伎】(平家女護島)
他の共犯者の一人は島で妻をつくった。
それが引き離される様子が哀れで
俊寛は自分が残り、妻を船に載せるよう役人に取り計らう。
いかにもお江戸人情な、俊寛△(さんかっけー)話に。

先に立ち上がったのは菊池寛。
既作品の改編物というのは、単純に別ストーリーを思いついたというだけでなく
本人が思う「在るべき形」にしたい信念のようなものものあるんだろう。
現世にも二次創作という活動があるが(笑)
まあ情熱の根っこは同じようなところにあるんだろう。多分。

【菊池版】
島に取り残された俊寛は打ちひしがれるが
次第、3人でメソメソクヨクヨするだけだった生活を思いだし
それまでの住処を捨て、糧を求めて生活を始める。
数年後、日に灼けて見違えた俊寛の姿に弟子は泣く。
俊寛は「我が身は死んだとせよ。そのような噂が立っても放っておいてくれ」
と既に赦免を待つ様子もなく、島に妻子すらあるのだ。
その生きる姿をあさましいと思いつつ、弟子は理由なき涙を零すのだった。

この菊池版の後に、芥川が「俊寛」を執筆する。

【芥川版】
上記の弟子の視点を中心に話ははじまる。
世間では死んだと言われる俊寛だが、自分はちゃんと
俊寛さまが生きている姿にお会いしたのだ──

↑これは恐らく、菊池版の話を受けたものと思われる
俊寛が島の暮らしに馴染み、
既に都へ戻る執念から脱しているところは、ほぼ同じ設定だ。
菊池版と違うのは、芥川俊寛は共犯者と島暮らしをしていた頃から
めそめそした暮らしに飽き飽きしていたという点と
俊寛に島で結婚をさせていない点だろうか。

別に芥川が菊池に反対意見をしているとか、
インスピレーションをオマージュしたとかそんな印象はない。
芥「ねーねー菊池っち、オレも俊寛書いてみたんだよーw」
菊「えー、あくてぃーマジ―?みせてみせてー」
みたいな俊寛アンソロジーにきゃっきゃしてるように思える。

実際、二人はよく交流を持っていたと言われる。
菊池寛が直木・芥川賞を作った功労者であるのは、有名な話だ。
また二人して風呂嫌いというどーでもよい共通点があり
その癖二人であの「不思議の国のアリス」を翻訳したらしいという
くさキモかわいい逸話もある。

いやいや、オッサン二人を愛でたい訳ではない。
同じ題材に二つのストーリー。
繊細な感受性で生をまっとうできなかった芥川と
文壇のモンスターとなった菊池の違いを
ここに少し垣間見るような思いがするのだ。

生きることを選んだ菊池俊寛。
それは多分菊池寛が理想主義ということではなく、
恐らく「人間はなんだかんだ言っても最後、
生にしがみつくという性(さが)をもつ生き物なのだ」という
菊池の人生観のような物が根底にあるのだ。

菊池俊寛には、良くも悪くもしぶとい人間という美醜が描かれている。
一方芥川俊寛は、要は「世捨て人」になったのだ。
島流しにされ、更にたった一人残され
また嬉々として都へ戻った共犯者たちや
残された共犯者の妻子を思うと、神すら信じる気も起きない。
己の中に神を見つける道を選んだのである。

らしい、ような気がする。
作中で鋭いツッコミをしたりする芥川だが
ツッコミは必ずしも=攻撃性ということではない。
むしろ文士という職業は、攻撃性より面の皮とか心臓の毛とか
防御レベルを上げた方がよいのかもしれない。

いずれ菊池作品もじっくり読んでみたいが
今は芥川作品をもう数作偲びたいと思う。

個人評価:★★★★


サンバ描いてる内に思い出した
高校時代の部室のおもひで。





とにかく要らない物がなんでもあった。(笑)



外に漏れたシャボン玉が下から丸見えだったようだ。



それに懲りて、大人しくトランプをはじめた。(懲りてない)
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