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405

腐りゆく天使

腐りゆく天使 (文春文庫)腐りゆく天使 (文春文庫)
夢枕 獏

文藝春秋 2004-05
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もう随分前に買った本の再読。

夢枕獏氏と言えば、当時は自分の中では
キマイラシリーズのような幻想SFの印象が強かった。
が、これも陰陽五行などを基にしたものなのだから
元より彼は現実にある素材からオリジナルの世界を
作り上げることが本領だったのだと、後年に気が付いた。

陰陽師シリーズや大江戸釣客伝もそう思えば、納得の流れだ。
そしても本書もまた某文豪を描いたものとして、
彼の想像力と解釈が存分に発揮されており、
代表作では無いながらも、なかなかに面白い。

─────ストーリーは、有機物とも無機物ともつかない者の呟きから始まる。
7年もの間、地面の下で己の存在を問い続けていたという。
頭蓋には既に土が入り込み、内臓もすでに朽ち果てているというのに
「己」が此処に在ることだけは感じられるのだ。
雪解け水が地中に沁みこんでくることから、春であることだけは分かる。

語り手は遺体なのだ。
そしてその章は、ある有名な詩のタイトルが用いられている。
「月に吠える」
そう、萩原朔太郎の代表作だ。
明治から昭和を生きた、近代詩の父とも言われる詩人である。

既に青空文庫入りしているので、興味がある方は一読されたい。
自分が萩原朔太作品郎の中で強烈に覚えているのは
純情小曲集「旅上」のこの一篇だ。

 ふらんすへ行きたしと思へども
 ふらんすはあまりに遠し
 せめては新しき背廣をきて
 きままなる旅にいでてみん


萩原朔太郎は、ひらがな魔術使いであると思う。
思わぬところで漢字やカタカナをひらがなに崩し、
また逆に小難しい漢字をするっと入れる塩梅が絶妙で
なにやらじいっとその歌に魅入ってしまう。

が、その内容はなんとも不思議ちゃんというか独創的と言うか、
物凄くハッキリいうと中二の片鱗をひしひしと感じる。(笑)
グロともエロともつかない題材が
あどけないほどの純粋な美しい言葉で彩られる不可思議。
少し話がそれたが、本書にはそれがよく出ていると思うのだ。

遺体の呟きから、視点は神父へと飛ぶ。
教会の香部屋(※準備室のようなもの)には、
神父にしか見えない天使が、空中に静止しているのだ。
その性のない中庸な美しさと汚れなさ、そして香しさに
神父は日々心を慰められている。

が、教会に一人の女性が現れた時から
天使の容貌は驚くほどに変化していく──────。

更に視点は増える。
ある既婚の女性を狂おしいほどに慕っている詩人、
それこそが萩原朔太郎だ。
実際に朔太郎は、昔から想いを寄せていた女性が結婚してしまい、
その後も随分と恋々としていたらしい。

三つの視点と時折朔太郎の詩歌を交え、
ストーリーは遺体と天使の正体へと迫っていく。
単品で読んだときは不思議ちゃんだった朔太郎作品が、
ここで微妙な合致をみせるのが興味深い。
夢枕獏氏が作った奇想天外な世界にフィットする程に、
狂人とも天才ともつかないが、朔太郎は際立った人物だったのだと思い知る。

本書を読むと、モデルの朔太郎にもつい興味を惹かれる。
自分もやはりいくつか読んでみたが
単品でも読むと結局理解しがたい事も多い。(苦笑)
それでもひらがなの魔術に、うっかり魅入ってしまう。

これほどの才能を持ちながら
孤独に苛まれるような詩歌を多く残す朔太郎。
否、才能故なのかもしれない。

自分の中で「不思議ちゃん」「若干中二」だった朔太郎が
「不思議な御方」「カッコイイ中二」に格上げされた作品である。
(それはまた微妙な格上げだな…)

個人評価:★★★★


朔太郎の詞でもうひとつ思い浮かぶのが「こころ」だ。
同じく純情小曲集に入っている。

こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて


これが映画「ゲド戦記」主題歌「テルーの歌」と酷似していると、一時話題になった。
まあ著作権も切れてるし、最初から「参考にした」とさえ言っていれば
そんなに問題はないと思うので、それはいい。
映画はイマイチだったが、あの「テルーの歌」は自分も好きだった。
むしろ朔太郎にインスパイアされたと聞いて、深く納得したくらい。

これを作った当時、朔太郎は40歳くらいなんだぜ?
四十路のオッサンがこんなにヲトメでぼっちな詩を紡ぐなんて
タダモノじゃないと思うの。うん。


遅ればせ節分ネタ。

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だがパンや饅頭やロールケーキ便乗してるのは納得いかん。
本来「オーソドックスな巻きずし」でないと、縁起担ぎの意味が無いからだ。
まぁでも海鮮巻きとかの方が旨いから、自分も食うけどね!(笑)

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だが喋ってはいけないので、文句を言えないのである。
しかし笑顔も絶やしてはならない。早く食わねば笑い死んでしまう。

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次回はおかんで節分ネタ。
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