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おごそかな渇き

おごそかな渇き (新潮文庫)おごそかな渇き (新潮文庫)
山本 周五郎

新潮社 1971-01-27
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山本周五郎は作品より、名前の方が売れているのではないか。
帯によく賞の名前として書かれているからだ。

ちなみに山本周五郎賞と三島由紀夫賞は新潮社、
直木賞と芥川賞は文藝文春が主催である。
無論、他にも本の賞はわんさかあるのだが
先に出したのが文春なので、どれも二番煎じ的なイメージがある。(苦笑)

山本周五郎は歴代唯一、直木賞受賞を辞退した男である。
直木賞を樹立した菊池寛と、山本周五郎は仲が悪かったらしい。
故に直木賞⇔山本周五郎賞なのであろうかと勘繰ってみたりすると
毎年パブリシティーにも大きく影響する受賞ニュースも、なんか面白い。

本書は周五郎の短編集だが
40歳頃の中期から63歳で絶筆した作品までを集めてある。
さて実を言うと、時代小説を好み始めた頃は
周五郎作品のよさがイマイチ分からなかった。てへぺろ。

池波正太郎のような「陽」、藤沢周平のような「陰」を
どちらも併せ持ったような「どっちつかず」の印象があったのだが
よくよく読めば、様々な空気をかき分けるというのは凄いことだ。
10篇の小説は味を変え色を変え、最後まで飽かず楽しめる。

蕭々十三年 一途さ故に融通の利かない家来。
紅梅月毛  無口な男が栄誉ある馬競べの催しの射手に選ばれ、
                周囲はここぞと自分の馬を使ってくれと申し出る。
野分    庶子から藩の跡目争いに巻き込まれた男と、市井の女。
雨あがる  強過ぎて放逐された武士は、士官を求め妻と宿を泊まり歩いている。
かあちゃん 金に渋い一家が志す夢とは?
将監さまの細みち 病弱な夫と子の生活の為に岡場所に身を落とす女。
鶴は帰りぬ 年増の妓が語る、ある飛脚男の話。
あだこ   荒れ放題の家で失意の底にある男に、色黒の下女が転がり込む。
もののけ  検非違使の役人たちがもののけ退治に繰り出すが…?
おごそかな渇き 現代話。東京から逃げてきた男と、東京を目指す男。
        連載中に絶筆となったため、本作品は未完。

キャラ付けは勿論だが、ストーリーの組み立てが絶妙だ。
時代物としては鉄板的な題材ながら、この長さで起承転結がばっちり効いている。
特に「紅梅月毛」などは、思わず「あああ!」と叫びそうになった。
どれも決して「めでたしめでたし」な結末ばかりではないのに
「雨あがる」は名の通り、すうと胸が張れる心地がする。
「もののけ」のようなギャグ風味すらあるのに驚く。

現代物の所為もあるが、最後の「おごそかな渇き」だけががらりと作風が違う。
厭世観と宗教色がやや強い内容となっており
息苦しい起承部分から転じるあたりで絶筆となってしまった。
読みようによってはまるで胸に抱えたテーマへの情熱と、
それに追いつこうとする新人作品のような拙さすら感じられる。

死の直前に、彼はどんな作品を思い描いていたのだろう。
今となってはその解は永遠に分からないが
現代にも通じる問題を含んだこの話は
ある意味では「終わらせようのない話」であるとも言える。
彼は作品を書く筆を止め、結末をこの世界に転じたのかもしれない。
そうして今も「執筆中」の本作をもって
じっとこの世界の行く末を見ているのだろうか。

それこそが彼がその名を文壇に残した、最大の理由やもしれない。

個人評価:★★★★


あ、まともな絵あったわあった!
去年か一昨年分のカレンダーの絵をワードで作ってたんだった。

多分10月の絵。
20140201-5.gif

8月の絵かな。
20140201-4.gif

3月。
20140201-3.gif

表紙。
20140201-1.gif

9月。コレは色を変えて、今年のじーさんの喪中ハガキにも使用。
20140201-2.gif

今チョット時間が無いので、昔の絵で水増し。(笑)
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