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38

伊良部一郎シリーズ

イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール
奥田 英朗/文藝春秋





by G-Tools


多分彼の本路線は「邪魔」とか「無理」のような
人間関係を巡るシリアス路線なんだろうと思うが
個人的には、+コミカル=シニカル路線の「ララピポ」
なんかの方が印象に残っている。

そこに更に×コミカルな形を押し出して
人間関係の皮肉部分を面白上手く隠したような
伊良部シリーズが秀逸だと思うんである。

伊良部総合病院の神経科担当医は、息子・伊良部一郎だ。
コレが逆方向に天下一品の「大病院の一人息子」で
デブで色白でワガママでマザコンで
更にはポルシェに乗っているという立派な馬鹿息子だ。
うむ、ドラ息子とバカ息子は真っ赤なスポーツカーに乗ってないと。(偏見)

ロクな治療はしないし、人の話も聞かない。
そんなことで患者は治るのかと心配になる。
けれども、治るのである。
患者が自力で。(笑)
グダグダな医者におたまのような巨大な匙をブン投げながら
彼らは自分で自分の原点に気付くのだ。

まあお話だからと言えばそれまでだが
伊良部の治療は案外、考えさせられるところがある。

大概の人は、自分を何割か隠して生きている。
多分それは、自分の中にその容量があるという
心の健康の証でもあるのだと思う。
それが自分の中で隠しきれなくなったとき
人は、誰かに相談したり愚痴ったりするのだと思う。
それの最上級が「キレる」ではないだろうか。

人を知りたければ何に対して本気で怒るかを知れ、という格言があったが
理解して貰えない状況こそ、人は本音を漏らすのかも知れない。
ただそれは、「無関心」であってはならない。
全く理解して貰えなければ、人は口を噤んでしまうからだ。

伊良部は話を聞かない。
善良故でなく、ただヒマだから相手に付き合って
そうして暴走する。
患者が理性の容量を取り戻すほどに。
名医なのか、ヤブなのか?
いや勿論、こんな方法が心療ガイドラインにはなれないだろうが。

そう思うと「いらっしゃーい」という病院には御法度の挨拶も
伊良部の意図が含まれているのかと思ったり。
自分の場所が其処に有ることは、自身の存在の原点だろう。
原点。
むしろ伊良部は、原点だけの医者かも知れない。
だから最低で、平均で、なのに最高だ。

表紙が3冊を通して赤ん坊なのも、そんな意味があるのかも知れない。

個人評価:★★★★


もし以降に続編が出るなら、伊良部の原点が読みたい。
(多分)溺愛する息子を、病院の地下に押し込めておいて
両親は将来、伊良部をどうするのか気になる。

奥田さん、お願いします。_(_^_)_
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