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華竜の宮(下)

華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)
上田 早夕里

早川書房 2012-11-09
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・今週のジャンプ感想は明日。
・設定に関しては華竜の宮(上)参照されたし。

「陸上民」と「海上民」という2つの人種が住む近未来の地球。
社会と言うシステムが二つに裂いた人類は
やがて「絶望的な環境激変の予兆」に対峙することになる。

この本は、本当に設定が素晴らしい。
幻想設定と双子のように、科学設定が共生している。
遺伝子を分け、危険な海域で生死を共にする「魚船」。
思考を共有し、情報分析とセルフコントロールをヘルプする「知性体」。
特に陸の外交官の知性体は「僕」という1人称でもって
陸側のストーリーテラーともなっている。

だがそれは決して、現実的で硬質なフィクションを生み出すのではない。
生命は生まれた時点で、人類の管理下ではなくなるのだ。
「魚船」や「知性体」は勿論のこと、「人類」ですら
自然という巨大な輪廻の1つであると思い知る。

小さい頃、世界が滅亡する的な予言なんかを聞いて
夜中に滅茶苦茶怖くなったことはないだろうか。
アレは、なんであんなに怖かったのだろう?
ただ「死んでしまうから」という単純な理由ではないような気がする。
あれは個人でもない、ましてや国籍でもない、
人類と言う「種」という本能が感じる危機感なのではないだろうか。

人は基本、エゴの生き物だ。
空腹に対して食物を、寒さに対して衣類を調達し
そこに何らかの生き物の犠牲があることは考えない。
そのエゴは場合によって、戦争を生み出す事だってある。

だがそれはさらに大きな脅威により、団結することもある。
ヒトとヒトの争いは、グループというまとまりを作る。
ムラとムラとの争いは、国と言うまとまりを作る。
地球上にある全ての紛争は、宇宙侵略でもあれば否応なく解決するだろう。

地球環境が静かに牙を剥くその日まで、
人類は己がその連鎖の一端であると理解できないのだ。
皮肉なことに。
それでも人類は、生きようと醜く足掻く。
動物は違う。生存本能と共に、死を甘受する謙虚さもある。
機械は違う。人智を超えても、人類が書いたプログラムを超えることはない。

SFというジャンルで言えば、本書は傑作だ。
だがそれ以上に胸を刺し、人類と言う種に何かを訴えかけてくるものがある。

周囲が敵だらけでも、たったひとりの味方すらいなくても、
自分がこの世で一種類しかいない生物だとしても――――――――
ただひたすらに生き抜き、決して孤立を恐れるな


残念ながら、知という力を手に入れた人類は
最後の一匹になっても生きて行けるだけの強さは、無い。
だからこそ本書は海と陸にそれぞれの「パートナー」を生んでいるのだと思う。
だからこそ人は弱くて、強くて、愛おしい。

結末を「グッドエンド」と捉えるか、「バッドエンド」と捉えるかは様々だろう。
だが人類は動物や機械と違い、
生きることを諦めず、プログラムを書き換える能力を有している。
己でエンディングの可能性を築くことが出来る「知」を持っている。
まだ21世紀の地球の人類は、その岐路の途中にある。

滅ぶことを恐れる。
それこそが多分、人類が生きて行くための「本能のパートナー」だ。

個人評価:★★★★★


久しぶりに評を書くのに苦労した。
もうなんか「とにかく読め!」と100ポイントくらいのフォントで書いて
アップしたろかと思う程であった。
四の五の言うと、却って自分が受けた印象の価値が下がる気がして。

20131103.gif

だってこれを読んでいたがために、
うっかり今週が早ジャンプだと忘却していたんだぞ。
自分がジャンプの発売日を失念するなんて
これはもう事件です。(どんどん価値を下げてるぞお前)

今から買いに行ってくる!!!!!!
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