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折り紙大名

折り紙大名 (中公文庫)折り紙大名
矢的 竜/中央公論新社





by G-Tools


「ジャケ買い」という言葉があるが
本なら表紙買いとでも言うのだろうか。

実際、表紙だけを見て買うことは少ないと思われる。
あるとしたら、そのお方は
豊潤な資金と四次元に通じる本棚をお持ちの御大尽であろう。
羨ましい限りだ。

だが確かに表紙は、本読みの目と財布を開くアイテムではある。
斯く言う自分も、ふと表紙に惹かれて本を手に取ることはある。
ただし口絵ではなく、タイトルだ。
また前置きが長くなったが
この本はタイトルのインパクトが凄いって話である。

「折り紙大名」と言われて、どんな話を想像しますか奥さん。(←誰よ)
正直なところ、自分はギャグっぽいモノか
もしくは口絵から、殿様と娘っこのハートフルストーリーを想像した。
帯には『この世には命懸けで折られる折り紙がある』とあったが
アテにならない煽り文句は珍しくない、とタカを括っていたが
ガチだったとは思わなかった。

主人公・松平重治は実在した人物で
身分の低いものと交わった罪で、お家取り潰しを受けている。
この時代によくあったものであるのか
それとも無理矢理の罪状なのかは分からないが
この史実を生かしたストーリーとなっている。

重治は松平家の養子であるが
身分と気位の高い妻に、息苦しさを感じている。
そんな重治の唯一の楽しみは、折り紙を折ることだった。
「折り方」という典礼に必要な嗜みではあるものの
武士らしくないその趣味に、妻はいい顔をしない。

理解者は過信の長元坊と、当時の将軍・家綱だ。
特に政治から引き離された病弱な家綱が喜ぶのを見て
重治は一層、その心をお慰めしたいと願う。
そんな折、長元坊がひょんなことから
町娘・きぬの折った見事な折り紙を重治に渡す。

いやもう、ドトウの折り紙人生なのだ。
殿様、折り紙に命掛けてなさる。
更に折り紙に恋までなさる。
それどころか、折り紙から人間まで見えなさると言う。
遂には命を掛けて、折り紙絶ちまでなさる。
なんかもうすごい。
折り紙のおかげで身長が3センチくらい伸びそうな勢いだ。

蟹を折るくらいならなんとなく分かるが
1枚の折り紙で伊勢海老を作るとか、想像を絶する。
実際にできるのかどうかは知らないが
これも文字の世界ゆえの楽しさではないだろうか。

最後数十ページで重治が、人間の本能と侍の理性に喘ぐ姿は
元ネタが折り紙とは思えないほどに壮絶だ。
欲を言えば、終章よりここに力を入れて結末をつけてくれたら
評価はもう一段か二段、上がったかもしれない。
だが、折り紙でここまでの話を読めるとは予想外だった。

ていうか自分も折り紙で熱く書評を語るとは、ついぞ思ってなかったが。

個人評価:★★★
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