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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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竜が最後に帰る場所

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)
恒川 光太郎

講談社 2013-09-13
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「面白い」と一言で書くのは簡単だが、
どんな話なのと聞かれると、谷川氏のストーリーは困るのだ。
多分口で説明すると「え、結局それってどういうこと?」と聞かれて
なんだかオチの無い話をしてしまったかのような思いに囚われそうだ。

「バイト先の先輩の彼女から突然、電話がかかってくる」
「えーと、三角関係?」
「いいや、話だけしてちゃんと先輩にも報告して
 その女性が怒って毎日電話してきたの」
「うわ、逆恨み?」
「アタシは恨んだ人を殺せる力があるって言ってた」
「えー、電波じゃん。ヤバいじゃん。で、どうなったの」
「別にどうにも」
                ───── 風を放つ


「母子家庭の家に入り込んできた男が、とんだ電波でさ
 どうでもいいことでキレて、暴力をふるう訳よ」
「ふんふん」
「母親が殺されて、息子は体を鍛えはじめる訳」
「おー、復讐劇かあ」
「息子は女の子と付き合ったり、マンガ読んだりして」
「……リア充?」
「最終的には出所した男を、理想の男にしてやるっていう」
                ────── 迷走のオルネラ


「夜にふと外に出たら、人がゾロゾロ歩いてるんだ
 それについていくと、何故だか離れることが出来ない」
「ほうほう、怪談っぽいね」
「でも朝になったら離れてもいいし、また参加してもいいわけ」
「歩こう会かよ」
「夜の間に離れたら、永遠に帰れないけど」
                ────── 夜行の冬


「世の中は見えている通りのものとは限らないかもよ」
「哲学的な話だね」
「ポストがてんとう虫で出来てるかも知れないし
 ケータイが蟻で出来てるかもしれない」
「極端だな」
「そんな『人』もいるかもね」
                ────── 鸚鵡幻想曲


「どこか遠い島のようなところで
 見たことも聞いたこともないような生物が沢山暮らしてる」
「ファンタジー?」
「そうかも。その正体がわかった時は、ちょっと震え来た」
「それでそれで?」
「オチはない」
                ────── ゴロンド

あらすじはおおまかには合っている筈だ。
が、まるで違う話をしているようでもある。
恒川氏の話は、平らかな道を歩いている筈なのに
読みながら何時しか途方もない坂道や
険しい森を歩いているかのような迷走感に襲われる。

ストーリーの中に起こる具象は、怖いわけではない。
ただ確かにその世界の空気が違うことが伝わってくる。
ある意味KY(空気を読む)小説やもしれない。

日常から三つ角を曲がってちょっと行ったところに
いかにもありそうな入口が、ぽっかりと異世界に繋がっている。
怪異と言えば怪異だが、それはまるで
ジェットコースターやお化け屋敷で咄嗟に爆笑してしまうような感覚で
何だか美しい処にも思えてしまう。

この麻痺を生む感覚こそ、恒川ホラーなのかもしれない。

個人評価:★★★★


「夜行の冬」を読んでいて思い出したことがある。

高校時代は天文部みたいなところにいたのだが
時々山へ行って天体観測をするんである。
星を見るためだから、それはもうド田舎に行く。
(滋賀ならどこでもド田舎だろうというツッコミは不可)

光があるとその分空が白くなってしまうので
民家は勿論、車のヘッドライトや自動販売機など
出来るだけ何にも無いところが望ましい。
(滋賀ならどこでも望ましいというツッコミは以下略)

という訳で山奥で望遠鏡とカメラを設置し
撮影係でない者はその辺でゴロゴロしているのであるが
山道を遠く、いくつもの明かりが浮かんでいるのが見えた。
それがゆっくりと、こちらに向かっている。

夏でも山の夜は寒い。
毛布にくるまったり、寝袋でジャンプ移動しながら
その怪異が近づいてくるのを待っていたが
はたしてそれは、夜中に歩く「歩こう会」であると
笑顔で一人のオッチャンが教えてくれた。

妙な事をする連中である。
だが多分向こうもそう思っていたであろう。間違いなく。

別に怪異でも何でもないのだが
ひょっとして夜行様だったのかとふと思ったり思わなかったり。


たまに学校で観測をやることもある。
グランドの真ん中でウダウダしていると、いつの間にか朝になり
朝練に来たサッカー部に起こされるのである。

朝から元気な野郎達だぜちっとか思っていたが
向こうは向こうで不健康な一団だと思っていたことであろう。
まぁ誤解ではないのだが。
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