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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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FUTON

FUTON (講談社文庫)FUTON (講談社文庫)
中島 京子

講談社 2007-04-13
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田山花袋の代表作「蒲団」現代版、というべきか。

原作は物凄く簡単に言うと「娘みたいな女生徒に片思いしてフラれて
蒲団をくんかくんかして泣きました」という話だ。
当時の花袋のスキャンダルを匂わせるこの小説は
自然主義文学の代表として、センセーショナルな衝撃を与えた。

他にも本来1人称で書かれていた私小説に3人称を用いるなど
技巧的な云々もあるのだが、とにかく内容が凄くて
そんな真っ当なところを賞賛する隙を与えない。(笑)
花袋と言えば蒲団、蒲団と言えばちょっとアレよねと言わしめるほど
これまでの文学にあったインテリジェンスな印象を粉砕したのである。

確かに主人公はちょっとアレなオッサンなのだが
実際のところ、新人の女の子の言動に一喜一憂しながら
何とか体裁を繕っている部長さんか課長さんといったところで
オフィスラブにすら発展しない、哀れな程無害で純粋な恋物語でもある。
まぁ「娘みたいな女子学生」を家に住まわせている
主人公の奥さんにすれば、無害とは言えないだろうが。

その奥さんを視点にした「蒲団の打ち直し」という論文が、本書内で書かれている。
それを書いたのは、日本文学を研究するアメリカ人教授・マッコーリ。
彼は教え子である娘のような歳のエミと、人知れず恋を愉しんでいる。
だがエミは大学で知り合ったコンドウとも深い中になっている。
随分とあっけらかんとしたものになってはいるが
まさに花袋の「蒲団」と同じ構成になっているのだ。

花袋の細君の思いと、女学生に振り回される中年教授。
それと並行して、もうひとつの話が進行する。
齢90になろうと言うウメキチは、花袋と同じ時代を生きた明治男だ。
蕎麦屋は既に息子に代替わりしてサンドイッチ屋になり
心臓にペースメーカーを埋め込んでいる以外は、矍鑠(かくしゃく)としている。

若き絵描きのイズミは「20世紀の遺物」として
ウメキチを描きたいと思い、介護をしながら家に通い詰める。
ウメキチは若い娘がいる華やかな生活を嬉しく思いながら
ふと、遠い日の思い出が白昼夢のように目に浮かぶ。
震災の中、20ほども歳下の「ツタ子」の手を握って逃げた記憶だ。

この記憶が90にもなるウメキチの語りでは、ハッキリしない。
細かいところがばっさり抜け落ちていて
なにやら美しいような悲しいような印象だけがあるのだが
これが最後の方で、なんとなく腑に落ちる。
嗚呼、「古い蒲団」は最後にこうなるのか、といった思いだ。

ウメキチの記憶にある、古い蒲団。
マッコーリの書く、打ち直された蒲団。
その中でイズミは恐らく、「新しい蒲団」になるのだろう。
それがふんわり柔らかいのか固いのか
もしくは低反発的な現代チックなものなのかは分からない。
しかし古い蒲団や打ち直したそれとは、明らかに違うことだけは分かる。

まさに温故知新、故きを温ねて新しきを知る、だ。
花袋の「蒲団」を読んでこそ、
すべての蒲団のくたびれ具合や苦渋や決意が知れるのである。
青空文庫でも読めるので、是非そちらを読んでからにしていただきたい。

また個人的に、ウメキチの「老い」が上手い。
身もふたもない言い方をすればボケていく過程とも言えるが
長い歴史を生きてきた身体と記憶が
最後に美しいものを求めるような流れが、とても自然に入って来る。
ウチのバーチャンも軽く1時間は同じ話をノンストップで喋るが
あれはあれで意味があるのだとちょっと思ったり。

今なら原作セットで★5つだぁ!
さあ買った買ったぁぁ!!

個人評価:★★★★★


変態のオッサンというと谷崎潤一郎も思い浮かぶが(一緒の括りかよ)
谷崎がオープンスケベとしたら、花袋はムッツリタイプか。
いやでも結局は「叶わない片思い」というところに可愛げがある。

昔の職場に、妻と別に現地妻がいる人がいた。
詳細は書かないが、仕事の電話ですからみたいな口調で
現地妻と会社の電話で喋ってたのも見たことある。
自分は見てないが、職場で修羅場ったこともあるらしい。

別に人の事だからどーでもいいが、可愛げがなかったことは確かだ。



etagami11.jpg

鼻に鼻クソみたいな模様のついた猫が好きだ。
不細工さ2倍でめっちゃかわいいけしからん。
今週末、猫飼ってる友人の家に泊めてもらうのだ。
うおおお踏まれたい引っ掛かれたい無視されたい。(もう変態だ)

今日から2日ほど出かけてきまーす。
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