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196

細川ガラシャ夫人 上下巻

細川ガラシャ夫人〈上巻〉 (新潮文庫)細川ガラシャ夫人〈上巻〉 (新潮文庫)
三浦 綾子

新潮社 1986-03-27
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自分にとっては、思い出深い本となる。
歴史小説を好んで読むようになったのは
この本の影響が少なからずあったからだ。

細川ガラシャは洗礼名であり、輿入れする前の名は明智玉子。
本能寺で主君・織田信長を弑し、
三日天下と嘲笑された光秀の三女である。
日本史の教科書に載っていたかはさだかではないが
あったとしても、キリシタンの一例程度だろう。

が、キリシタンとしてのガラシャは天草四郎のように
カリスマ性をもって崇められた訳でもなければ
弾圧や迫害をうけた事実もない。
後世のルイス・フロイスの記録に
非常に聡明で宗教知識があったとされるだけの
いわば一キリシタン信徒である。

それでも女性キリシタンとして名を知られるのは、
父・光秀が天下を揺るがした謀反人であったこと
そして夫・忠興が溺愛したと言われるほどに
非常な美人であったと言う、その数奇な運命からだろう。

故に上下巻の物語は、光秀と妻の馴れ初めを経て
玉子の幼少時代から語られる。
ガラシャとなって信仰の道を歩くのは
実に下巻を2/3も過ぎてからである。
それでもウン十年前に読んだときは、目から鱗が落ちた。

歴史の本は、好きだった。
中学生の頃、縄文から昭和までの歴史図鑑を買ってもらい
それを隅から隅まで読んではいたが
光秀が生涯一人の正室しか持たなかったことや
妻の顔に疱瘡痕があったことなどは、書いていなかった。

更に玉子は物語の中盤まで
キリシタンの侍女の話を聞いても、全く共感しないのだ。
キリストの教えは、爆発的に日本に浸透したのではない。
寧ろそれまでの日本人の考え方と大きく違い
宣教師が苦労することもあったらしい。
玉子の反論を読むと、それも成程と思える。

無論これは史実ではなく、歴史小説だ。
だが史実に沿いながら紡がれた物語の面白さに
自分は多分、この本で初めて気付かされたのだ。

何より何より、明智光秀は近江は坂本城主である。
バ リ バ リ の 地 元 で あ る 。
ところが当時は、ガラシャ夫人が
地元に縁のある人物であるという前知識すらなかったのだ。
今思えば歴史小説デビューに
知らずこれを手に取ったのはラッキーだった。
地図や地名で迷うことなく、話に入ることが出来たのだから。

が、そうして十数年も経ってから再読してみて
自分でも吃驚するような結果になった。

ガラシャは夫の不在の屋敷にて
敵方に人質に取らることを拒否して死を選ぶ。
神に最後の祈りを捧げる彼女に、恐れはない。
その脳裏に、幼き日を過ごした坂本城と
紺碧を湛えた琵琶の湖が浮かぶ。

こ こ で 感 極 ま る 滋 賀 作 。
うん、多分間違えてる。
この後ちゃんと両親や夫や子供の顔も出てくるんだけど
もう琵琶湖で目の前が滲んで見えない。
だって、自分もそうだと思うんだ。
帰りたいというのではない。
きっと勝手に気持ちが帰ってしまうんだろうと。

昔読んだものが、後になって読後感を変えるものはあるけれど
こんなにも劇的な衝撃を与えたものはなかった。
畜生、歳とったんだなあと思いつつ
更に思い出深いものとなった1冊である。

個人評価:★★★★


三浦さんの創作で、ちょっとした恋愛話も入ってるんだが
こーゆーのは好きだなあと思う。

ただし自分が食べられるくらいだから
甘さは微塵もない。多分すごいしょっぱいので注意。
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