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質屋の女房

質屋の女房 (新潮文庫)質屋の女房 (新潮文庫)
安岡 章太郎

新潮社 1966-07-12
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今年の明けに亡くなった安岡氏の著作が
書店でちらほらと並んでいるのを見かける。
黄ばんだ古い本なら家にあったなぁと、手に取ってみた。

戦後に「第三の新人」と呼ばれる小説家の一人で
現代に繋がる小説の形が広がる一方
いわゆる私小説というものを書き続けた者達をそう言うらしい。
そう聞くと明治文豪の流れを汲んだ
いかにも堅そうな内容を彷彿とさせるのだが
意外にも安岡氏の文章は、ユーモラスな表現に満ちている。

表題作を含む全10編の短編集。
いずれも時代は戦時後期から戦後が舞台となり
やや病弱な青年学生の視点で描かれているものが多い。
が、文学にありがちな己の生存理由に懊悩するような主人公より
余程ライトでスケールが小さい。

素行不良で勉学に勤しむ様子は無く
女性の目と兵役の間で、小市民的な葛藤と意地を繰り返す。
例えば「陰気な楽しみ」(※1953年芥川賞受賞)などは、
除隊後に傷病手当を受ける男が申告の際、己の不健康を願う心情や
多く受給してあれこれ悩む様が淡々と書かれている

それがどうした、というチラ裏な話である。だが

きょう役所に行きついた途端に私の身体から
病気がフワリと逃げ出して、誰の目からも一目瞭然
健康人そのものになってしまいはしないだろうか、という恐怖である。

試験前に学校が火事にならないだろうかと願うような
その駄目っぷりは、なんだか深い場所にツボるのだ。

母をはじめとする女性への観念、
また「未経験」ということへの偏見と経験者への憧れなど
鼻で笑った後、おやっと考えさせられる部分がある。
それは戦争と病を経て、世界を斜めに見ていた安岡氏の
つぶさな観察眼によるものなのだろう。

正直なところ、ストーリー展開としては「?」と思う部分もある。
たとえば「肥った女」などは、デブ専の男の話かと思いきや
その趣向は自分がデブ専じゃなくても理解できる気がするのに
主人公の行動の意味はよく分からないのだ。
だがそれは安岡氏ワールドからみた世界で結末を得たのだろうと
なんとなく納得させるものがある。
こういう力を「読ませる」と言っていいのだろう。

個人的に気に入ったのは「家族団欒図」だ。
まだ戦後を生きている父親に
「現在」を生きさせようとする息子の話だが
スッキリした話と言うのではないのに
苦笑して「成程な」と思わせてしまうのだ。

直木賞は大衆小説、芥川賞は純文学といわれる。
自分があまり受賞作を読む方ではないからかもしれないが
その境目がよく分からない。
最近では掲載された雑誌で区分されているとも聞く。

自分の蔵書はもうまっきっきになっているが
故・安岡氏の作品には今も尚活き活きと
希釈されていない「芸術性」が確かに存在している。

個人評価:★★★★


ウチは引っ越しをした折、
天井まで本棚を購入して伴侶との本を一緒に片付けた。

それまでスライド本棚のスライド部分に本を摘んだり
隙間と言う隙間に本を縦横に詰め込んだり
テトリスなら全消しですよという収納をしていた為
今はスッキリ全部(じゃないかも)並んだものの
互いの蔵書が把握できていない状態が続いている。

自分の本棚だというのに、1/3くらいは未読本があるし
読んだけど中身を忘れているものもあるので
どっちの本か不明なの物もあるし
お約束のようにダブリ本も出てくる。
暫く買わなくても家の本で読書も楽しめるのだが
やっぱり本屋に行くと買ってしまうのだ。

今回でも大変だったのに、次に引っ越すときが恐ろしい…。
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