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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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三井の晩鐘

三井の晩鐘 (1981年)三井の晩鐘
梅原 猛 池田 一憲/小学館






by G-Tools


珍しく絵本。
と言っても、手元にない本なのだが。

表紙には左目だけの竜と、赤子を抱いている男が描かれている。
赤子の手には、目玉らしきものが抱かれている。
一瞬ホラーのような印象を与える表紙だが
子供心にも物語に酷く感銘を受け、繰り返し読んだ覚えがある。

名前でピンと来た人が居たらすごいが
「三井の晩鐘」とは滋賀由来のもので、
近江八景(滋賀自推の美景)の1つである。
オマケに歴史家・哲学家としても名高い梅原猛氏の作なのだ。
滋賀のこととなると郷土愛が噴き出しそうになるので
順を追って説明したい。(笑)

実家から車で10分位のところに、三橋節子美術館がある。
日本画家であり、草木を描いた初期の作品から
近江琵琶湖に伝わる民話を描いた後期の作品他
愛用品や家族との写真等が展示され、その生涯を紹介している。

彼女は若くに癌を発症し、転移で右手の切断を余儀なくされ
その後は左手で絵を描くようになる。
利き腕を失っても尚、魂を筆に変えて描かれた後記作品には
優しさと激しさを綯い交ぜた様な、不思議な印象がある。

「三井の晩鐘」という近江の昔話を基にした遺作に
交流のあった梅原氏が絵本を制作したという。
(※この辺は梅原氏著作「湖の伝説」でも書かれている)

貧しい漁師が正体の知れぬ女を拾い
夫婦となって子をもうけるが、ある日さめざめと泣きだす。
自分は竜の化身であり、もうここには居られぬと言う。
だがまだ乳飲み子である我が子を置いていくのは忍びない。
女は自分の目玉をくりぬき、漁師に渡す。

子はそれをしゃぶると不思議と泣き止むのだが
目玉は少しずつ小さくなり、やがて無くなってしまう。
漁師は困り果て、湖で母の竜に嘆く。
竜は躊躇せず、もう片方の目を我が子の為に与えるのだった。
だがめくらになってしまっては、こころもとない。
せめて三井の寺の鐘を毎晩鳴らし
私に方向が分かる様にしてくださいと頼みながら。

と、これが「三井の晩鐘」という伝記だ。
画は三橋画伯の絵ではないし
梅原氏作だと知ったのもずっと後のことで
自分は何の知識もない小学生でこの本を読んだのだが
両の目の光を失った母竜がずっと印象に残っていた。

三橋さんの著作に「雷の落ちない村」という絵本がある。
既に死を悟った彼女が、幼い我が子へのメッセージとして
残った左手で手掛けたものだ。
が、残念ながら未完のまま逝去されてしまい
同じ画家であるご主人が絵を数点描き足したものとなっている。

右手を失っても、左手で絵本を描いた三橋さんに
梅原氏は母竜の姿を重ね合わせたのだろう。
20年近くも経ってから絵本の背景を知り
妙に自分の心に残っていた理由が納得できたような気がした。

「三井の晩鐘」も「雷の落ちない村」も
どちらも古書で入手しにくいものとなっているのだが
ブログを始めたとき、何時かこれも書いておきたいと思っていたので
ここに記しておく。

個人評価:★★★★★


昨日一昨日と、スカイツリーとTDLに行ってきた。
関西人は基本行列には並ばないのだが
九州から出てきた友人のリクエストもあり
ここ数週間ほど、覚悟を育てて新名所に挑んだ。

がしかし、まだ自分は東京の行列を舐めていた。
敢えて言おう。
日本人の行列耐性は、もはや神の粋に達していると。

一応、前もって職場関係の人に聞いてはいたのだが
現在スカイツリーは、何もない平日でも
当日券を買うのに1時間近くかかると言う。
休日は整理券が配られるのだが
到着したのが10:00で、整理券が13:30の分である。

まあ建物内をひやかして時間を潰したのだが
時間になって当日券のチケット売り場に行くと
13:30の整理券分で行列ができているのである。
そこでも1時間くらいたっぷり待った。

そこから更に450m展望台へ行くにも、行列ができている。
もうここでぐったりしてしまい
カフェで休憩を取ろうということになったのだが
そこでも当然のように行列ができている。

この時点でずっと育ててきた 
待 ち 時 間 ポ イ ン ト が 底 を 尽 い た 。
今ならスライムにも一撃でやられるレベルである。
こんなレベルで勇者は、TDLにて戦えるのであろうか?

そんな訳でレベルが下がっていたので、写真は1枚も撮っていない。
まあ大体何処に旅行に行っても
心のシャッターばかり切って、写真撮らないんだけどな。
食事写真とか絶対無理。気が付いたときは大体食べかけ。
早急なレベルアップが望まれる。

今から仕事なので、明日に続く。
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Comment

  1. 玉福

    玉福

    2013-04-08 (Mon) 12:12

    私が子供の頃、『龍の子太郎』という本が大好きでした。
    確かこれと全く同じエピソードが含まれていましたよ。
    滋賀の民話がもとになっていたりするのでしょうか。
    思いがけず懐かしくて嬉しいです(^^)
  2. はるほん

    はるほん

    2013-04-09 (Tue) 06:54

    おひさしぶりですー。( ゚▽゚)ノ
    松谷みよ子さんの龍の子太郎ですね~。

    すごーく元をたどれば中国にも
    目玉を与える龍の話があるので
    他にも似た話があるのかもしれないですね。
    でも滋賀が元だったら嬉しいですが!

    なかなか子供にしては渋いお話がお好きだったんですね!(笑)

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