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17

海国記 上・下巻

海国記〈上〉 (新潮文庫)海国記
服部 真澄/新潮社





by G-Tools


大河「平清盛」の前に、予習として読んだ。
基本的にドラマとか見ないんだけど
『平家に非ずんば人に非ず』の台詞が一人歩きし
印象の悪い平家にどうアプローチをするか期待していた。

まあ、そっちはなんか個人的に
イマイチというのが正直な感想だったので、さておき。(´・ω・`)

本作品の話だが、題材がいい。
歴史小説の形をとりながらも
平家が宋貿易に目を付けた経済手腕を中心に語ってある。
平家は歴史の表舞台では評判が悪い割に(笑)
経済書などではちょくちょく題材にされていたりするので
いいアプローチなのではないだろうか。

正盛(清盛の祖父)の代から、話は始まる。
宋との密貿易を行うには、腕のいい楫師(かじとり)が不可欠だ。
その腕を買われた水竜という船乗りと、千鳥という海女。
なんとこの千鳥が、後の祇園女御という設定だ。

一説には清盛は、白河上皇とこの女御の御落胤と言われ
大河でもフツーにこのネタが使われていた。
まあ使いやすいネタだもんなと思っていたが
ここでそれをバッサリ切り捨てた辺りが面白い。

時代は息子の忠盛へと移り
祇園女御の娘との間にできたのが、清盛というわけだ。
最初は忠盛も清盛も、「父」に比べて頼りない印象から登場するも
日宋貿易が平家の命綱であると身を持って知り
「平家頭領」としての手腕と風格を身に着けていく。

平家の話としては中心になる筈の
平治の乱や保元の乱はかなりあっさりめになっており
読み物としては少々、情の入り方が薄いかも知れないが
平家が政治を動かすだけの財と手腕を蓄えていたという
功績という意味でとても理解しやすい。

史実なので、清盛が迎える結末に変わりない。
が、一般的に平家は成り上がり者であり
結局は私欲で自滅したのだという印象が多少変わる。
なんというか、平家が実際に頭一つ飛び抜けており
他の士族達と差をつけたのも仕方ないと思えるのだ。

これが本当に良政を敷くためになされたのであれば
清盛は歴史上のヒーローとなったかもしれない。
信西入道死後、失政が続く清盛であるが
最後まで平家の権威を信じる姿は
悪役へのザマーミロ感より、なんとも哀れを感じた。

そうして話は後日譚として、西園寺公経で終わる。
清盛の弟・頼盛の子孫である。
オリジナルキャラ・水竜から始まった血脈が
清盛を経て繋がっているというオチは上手いが
少々感動が薄いのが残念。

まあ大河と両方の感想にもなるのだが
やはり歴史の勝者の方が、シナリオは書きやすいのだろう。
敗者でも後世に伝えられる人物には壮絶な武勇伝が必須であり
平安貴族時代の清盛を持ち上げるのは、確かに難しい。

が、まだ国としては赤子同然である日本をみて
海を超えた宋の活路を見出したのは、けだし慧眼であろう。
大河の清盛は、少年のような志で海を語っていたが
もっと老獪な野望でこれを狙っていたら
「平安のダークヒーロー」という清盛の描き方もあったのではないか。

ドラマと言うストーリー性では難しいかもしれないが
個人的には経済手腕という要素は、大河にも取り入れて欲しかった。
信西を失ったことも、ただの清盛個人の悲しみではなく
鎖を失った怪物となる清盛の悲劇の発端でもあったと思う。

出来ればそういう話が読みたかったなあと。

個人評価:★★★
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