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とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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百鼠

百鼠 (ちくま文庫)百鼠
吉田 篤弘/ちくま文庫





by G-Tools


お気に入りの本のひとつである。
が、今もどう書き出したものかと、ううんと悩んでいる。

百鼠(ひゃくねずみ)とは、江戸時代にあった鼠色の多様さを言う。
江戸鼠、深川鼠、銀鼠、錆鼠、利休鼠 小豆鼠、紅鼠…と数え上げれば切りがない。
が、本書は時代小説ではなく3篇の現代短編集であり
表題「百鼠」の主人公「朗読鼠」は、色のことではない。

小説には主に「一人称視点」「三人称視点」がある。
「朗読鼠」とは、三人称視点の小説の神様のような存在だ。
人が三人称視点の小説を書こうとしたとき
その作家は実は、ずっと「朗読鼠」から見張られているのである。

分かりやすく例示をあげると、
吾輩という書き出しで始まる 超一人称視点の「吾輩は猫である」などは
まったく「朗読鼠」が関与していない小説となる。
エッセイなどはまるで見向きもしないであろう。
逆にカフカの「変身」などは、ずっと「朗読鼠」が張り付いていた筈だ。

本読みからすると、魅力的な設定だ。
「三人称視点」と「神の目」は厳密には違うとも言われるが
いろんな視点が見られると言う点では、やはり神視点とも言える。
本来分かる筈のない他人の視点を介することで
読者は話の伏線や流れを読んでいくことが出来るのだ。

そんな何でもありの「三人称視点」において
最大のタブーが 「一人称視点」である。
最近はたまに混ぜこぜな作品もあるので
その辺は朗読鼠の範疇なのかどうか分からないが
三人称視点を見守る存在があるというのは
現実と夢のグレーゾーンにあるお伽噺のようで面白い。

主人公の朗読鼠である、イリヤク・ストーク・コワルスキー。
無名の作家を担当していたが、ある日作家は
三人称から一人称に視点を変えて執筆を始めてしまい
イリヤは三ヶ月の謹慎処分を受けることになる。
原因は、違法である一人称視点小説を買って読んだことから
その影響があったのではと懸念されたからだ。

一人称では駄目なのか?三人称であるべきなのか?
それは禅問答のように、解無き小説のテーマであろう。
さらっと読み終えそうな、それでいて深い謎解きのような
詠めば読んだ数だけ解答がありそうで
まるで濃淡の違う百の鼠色のようだ。

曖昧模糊とした素材と色で作られたこの作品の佳さを
伝える術まで灰色然としていて、どう書けばいいのか迷う。
他作品の「一角獣」「到来」はあらすじすら悩む。
「自転車を拾った話」と「ヘソの話」だとして
8割方あっている筈だが、内容は3割未満といったところか。

「イインダヨー、グリーンダヨー」というCMが昔あったが
「イインダヨー、グレーダヨー」という感じだろうか。
うん、よく分からない?
だからそこがイインダヨー。

個人評価:★★★★


百鼠と言っても、百色あった訳ではない。
八百万みたいなもんで、沢山あるという言い回しである。

鼠色             :#949495
丼鼠(どぶねずみ)      :#595455
濃鼠(こいねず)       :#4f455c
源氏鼠(げんじねず)     :#888084
素鼠(すねずみ)       :#9fa0a0
銀鼠(ぎんねず)       :#afafb0
絹鼠(きぬねず)       :#dddcd6
白鼠(しろねず)       :#dcdddd
白梅鼠(しらうめねず)    :#c099a0
梅鼠(うめねず)       :#dddcd6
薄梅鼠(うすうめねず)    :#dcd6d9
牡丹鼠(ぼたんねず)     :#d3ccd6

一部ではあるが、並べてみると実に美しい。
ホントに日本人って繊細というかヲタクというか。

そういえば色と言えば、数年アメリカに住んでた人が
向こうの人は「白」と「生成っぽい」紙の区別がつかないと言っていた。
つかない、というより多分
「大まかには一緒でしょ!」というお国柄な気がする。
虹の色がアメリカでは6色、日本では7色という違いみたいなもんで。

いいよね、ヲタク国日本。
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