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黄金旅風

黄金旅風 (小学館文庫)黄金旅風
飯嶋 和一/小学館





by G-Tools


序章を読んで吃驚した。
なんと徳川家康の名前があるではないか。
ど、どどどどどうしたんだ飯嶋氏。
重箱の隅からすごいメジャーなオカズに路線変更したのか。(震え声)

と思ったら、1章から思いっきり重箱の隅に戻った。
ああ、安心した。ε-(´∀`*)ホッ

江戸初期、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に二人の大馬鹿者が生まれた。
「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたその二人は
やがて、権力に蹂躙される長崎の人々の、光り輝く守護神となった。
海神に愛でられし者たちの熱き奔流のような生涯。


希釈カルピスのように程よく薄まったあらすじだが
毎度ながら飯島氏の話は中身が濃い。
要は鎖国に突入する頃の日本の話で
その大きな背景であるキリスト教と貿易に迫ったのものである。

なので鎖国の知識があった方が読みやすい。
鎖という厳めしい字面ではあるが
日本は完全な引きこもり国家だった訳ではない。
江戸時代初期までは
・南蛮貿易(来日した外国人と交易すること)
・朱印船貿易(幕府の許可を得た船で出港し交易すること)
が行われていた。

これが徳川幕府から
南蛮貿易→長崎と平戸のみ→出島のみ(最終的にオランダのみ)
朱印船貿易→入出港は長崎のみ→指定大名・武家のみに限定
     →奉書(老中許可)も必要→ほぼ渡航禁止
となった規制状態を鎖国という。
実際は鎖国中も、アイヌ・朝鮮・オランダ・琉球との交易が行われている。

要するに幕府は
①外様大名に不要な富を持たせない
②キリスト教を持ち込ませない
この条件を満たしていればよかった訳で
ポルトガルやスペインと違い
禁布教にOKしてくれるオランダはお得意さんだったのだ。

むしろ本当に「完全な鎖国」をしていたとしたら
経済・文明面で日本は破綻していただろう。
そのギリギリラインが幕末だったのだと言える。
以上、今回の補足はこんな感じ。

「金谷町の放蕩息子」とは
長崎代官・末次平蔵の息子である平左衛門のことだ。
同時に野心高き貿易商でもあった平蔵が
オランダと確執を起こしたのが元で変死を遂げ
そりが合わずに勘当同然だった平左衛門が跡目を継ぐ。

「平戸町の悪童」とは
長崎の火消し組頭・平戸才介のことだ。
平左衛門とは共にセミナリオに通い
そうして揃って退学させられた悪童仲間である。
平左衛門に跡目を継ぐようにすすめたのが、才介だ。

二人の目には既に見えていたのだ。
徳川という頂点を象る国が信仰を禁じたことで
いずれ海の自由をも奪う日が来ることを。
彼らに共通していたのは
水平線の向こうの果てない世界へと続くこの長崎の港を
己たちの手で守るという強い意志だ。

平蔵という食前酒に
躍動感に満ちた才介の火消しオードブル
家光へ代替わりする幕府の流れと長崎奉行の暗躍
それに日本や海外事情をたっぷり添えても
満漢全席並のフルコースは、まだ半分も食べ終えない。

更に二人と同じくセミナリオの卒業生で
平田真三郎という鋳物師の挿話が出てくる。
もう平左衛門の代官奮闘記だけでもお腹一杯なのに
一体ドレがメイン料理なんだよ!
ああ畜生!美味いけどさ!!(´~`)モグモグ

やっと残り1章というところまで来ても
飯嶋氏の過剰接待は止まらない。
もうそろそろ和やかにデザートじゃねって時に
まさか加藤清正の子孫が出るとか思わないだろ!
いや確かに繋がってるけど!美味いけど!(´~`)モグモグ

うん、面白いのである。
飯嶋氏の本は物凄く面白いのだが
歴史本とみるか小説とみるかで、評価は割れるかも知れない。
1つの時代を書ききることと
1つの話を書ききることは、果たして同義だろうかと。

歴史本と見れば、堪らないマニアックな題材の特盛りが
ネギ多めでつゆだくだくに入っている。
同時にマニアな素材を選んだのだから仕方ないのだが
小説としての結末は、膨大なページの割に少々痛快さに欠けてしまう。
まぁ、これぞ飯島丼だという納得もあるので
別に欠点とも思えないのだが。
氏が短編集を出したら是非読んでみたいが
今の本の厚みを見ると、出るとは思えない。(笑)

あと1冊あるけど、取り敢えず連読はここで一旦ストップ。
ちょっと寝かせてから、また読むことにする。

個人評価:★★★★


加藤清正の子孫とは、その子忠廣のまた子供の光正のことで
当時12歳くらいだったらしいのだが、遊び心で
前田・伊達・島津・上杉・佐竹などの強豪大名に
徳川打倒を呼びかける手紙を書いたとされる。

諸説紛紛で本当なのか微妙なのはさておき
何 そ れ 面 白 そ う 読 み た い 。

光正君、無双ゲームのシナリオライターになればよかったのに。
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