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【青空文庫】鼻

鼻
芥川 竜之介





by G-Tools


※お世話になっている書評コミュニティで
 青空文庫文学の企画をやっていたのに参加したもの。
※この書評には相当な偏見と妄想が入り込んでいます。

初めて芥川作品を読んだのは小学校か中学のころで
多分「鼻/杜子春」だったと思う。
中でも表題の「鼻」が妙に心に残り、何度も読んだ覚えがある。

禅智内供という僧侶が、異様に長い鼻を持っているという話だ。
とりあえず長い。すごく長い。
5~6寸という単位は当時では理解できなかったが
味噌汁を飲むと鼻が浸かってしまう為
弟子が差し向かいで板に鼻を載せて控えていると言うのだから酷い。

お鼻係である。
学校のように当番制だったのかは書かれていないが
毎朝夕これを強いられるなど、明らかに苦行である。
腕はダルいし腹は減るし、何より絵面が面白い。
会社の上司が明らかにヅラをつけているのに
指摘できない物狂おしさに近い。

鼻/弟子視点ver.などがあったら
内供より余程の葛藤が見られるのではないかと思うが
主役は弟子ではなく、あくまで鼻なのだ。(内供じゃないのか)

内供も実は、鼻のことを相当に気にしている。
耳が長かったとされる劉備玄徳の伝説を聞いても
鼻ではないので心が休まらないのである。
耳鼻科よりカウンセリングを受けるべき傷心っぷりだが
そんな折、鼻の治療法が判明するのだ。

それは最先端の高等医療でもなく、霊感商法でもない。
鼻を茹でて、踏むだけである。
なのに一度の食事に置き換えるだけで痩せるダイエットより胡散臭い。
だが、内供はやるのだ。
クチコミもない情報のモニターになる内供の心意気、天晴である。
しかしやっぱり、主役は鼻なのである。

茹でた鼻から、脂が出る。
その長さ四分というから、約1センチだ。
更に後年のある美容品の登場で
自分は「鼻」へあれほど執着した意味を見出すのである。

な ん と い う ビ オ レ 鼻 パ ッ ク 。
シートにびっしりと並ぶ角栓のイメージ写真に
うげげと思いながら目が離せない。
身体から排出される汚物に、何故か付きまとう爽快感。

本作の結末に、世論では「人は不幸を同情するが
不幸から免れた者を妬むという残虐さを持ち合わせる」などという
高尚な評価が付いているのだが
もう自分には鼻パック文学にしか思えない。

ヒトのDNAに組み込まれた深い衝動と因縁を
芥川はその目で見抜いていたのではあるまいか。
梱包材のプチプチを「さあ潰せ」と渡されたかのように
鼻のくだりで気持ち悪くもスッキリ読後感を得てしまうのである。

ひょっとしたら鼻パックがこの世に出たのも
まわりまわって芥川作品が発端になっているのかも知れない。
鼻パック文学、恐るべし。(誰も恐れてない)

個人評価:★★★★


青空文庫で無料で読めるので、興味のある人はどうじょ。
この言い草では、むしろ興味を削いでいるかもしれないが。

昔は「文学」という言葉に色々気圧されていたが
大人になってから読むと文学作品は面白い。
いずれ今の視点で書評も書いてみたいなーと思ってたので
またやるかも知れません。

念のため弁明しときますが、芥川作品は好きですから。
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