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Author:はるほん
とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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107

山姫抄

山姫抄加藤元/講談社 by G-Toolsその山には伝説がある。一つは、既に朽ちた筈の桜が咲くという幽霊桜。そして足を踏み入れた女は山神に魅入られ二度と其処から出られぬという「山姫伝説」だ。伝記風怪異としては鉄板ネタ系な上にトリック的な要素もほとんど無い。シンプルな話に最後まで緊張感があったのは話の運び方が上手いのだろう。一花(いちか)は、子供の頃から見える幻覚に追われ水商売などを転々としてきた。そんな生活... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00B1N5C5S/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yZZE4PT8L._SL160_.jpg" border="0" alt="山姫抄 (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00B1N5C5S/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">山姫抄</a><br />加藤元/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />その山には伝説がある。<br />一つは、既に朽ちた筈の桜が咲くという幽霊桜。<br />そして<br />足を踏み入れた女は山神に魅入られ<br />二度と其処から出られぬという「山姫伝説」だ。<br /><br />伝記風怪異としては鉄板ネタ系な上に<br />トリック的な要素もほとんど無い。<br />シンプルな話に最後まで緊張感があったのは<br />話の運び方が上手いのだろう。<br /><br />一花(いちか)は、子供の頃から見える幻覚に追われ<br />水商売などを転々としてきた。<br />そんな生活に疲れを感じ、言われるままに男の田舎に住むことにした。<br />男は既婚だったが、逃げた妻とはもうすぐ離婚が成立するという。<br /><br />男のことも、まだよく知らない。<br />ふと民間伝説の本と元妻の手記を見つけたことから<br />布の端からじんわり水が沁みていくように<br />ゆっくりと真相の輪郭線が浮かび上がってくる。<br /><br />この「じんわり感」のスピードがいい。<br />一花の視点からしか情報が得られない為<br />真相が明らかになっていく加速度と<br />身に迫る危険度がリアルな均衡を保っている。<br /><br />伝記ホラーと言うよりは<br />サスペンスホラーの方が相応しいかもしれない。<br />幻覚と男が与える危うさが、一花を通じて五感に迫る。<br />むしろ伝記部分がなくても問題ないくらいだ。<br />って、あれっ?(´・ω・`)<br /><br />いや、確かにサクサク読んだのだ。<br />意外性やどんでん返しのような衝撃はないのに<br />人物や話運びの読ませ方が上手い。<br />カレーで言うと(なぜカレーで言う)<br />旨かったのでぺろりと平らげてしまったのが<br />食後のコーヒーを飲みながらよくよく考えてみると<br />そう言や伝記という具が入っていたのか、という感じだろうか。<br /><br />人間描写だけで十分美味しい。<br />というか、男のもつ得体のしれなさだとか<br />それに流される一花の冷静さを読んでいると<br />こちらが著者の路線なのではないかなと感じた。<br /><br />他に著作があれば、もう一冊拝読しようと思った。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />ふと思ったんだが<br />小説では殺人鬼って女性も男性もあるけど<br />映画の女性殺人鬼って少ないような気がする。<br /><br />いや、無いわけじゃないのだけど<br />絵的にサスペンスやSFチックな感じに仕上がっていて<br />ホラーにはならないというか。<br />ジェイソンの女版が咄嗟に思いつかない、とでも言おうか。<br /><br />やはり映画とかは絵面的に<br />怪力やグロい姿というのが必要不可欠で<br />女優さんがやりたがらないのだろうか。<br />ああ、そういえば初代「リング」の貞子は<br />顔が出るシーンのみ、男性が睫毛を抜いて代役したとか聞いた。<br />(※本当かどうか調べようと思ったけど<br />  PC画面から貞子出てきたら嫌なのでやりません。すいません)<br /><br />まあ確かに、男性殺人鬼が怪力に物を言わせても<br />「きゃあああこわあああああい」ってカンジかもしれないが<br />筋肉隆々の女性殺人鬼が出てきたら<br />ポップコーン3メートルは吹き出しそうだよね。うん。<br /><br />思いついただけで意味はありません。
106

扉守 潮ノ道の旅人

扉守 潮ノ道の旅人光原 百合/文藝春秋 by G-Tools瀬戸内海に面した町を舞台にした、7編の短編集。初めての作家さんだったのだが、光原さんは広島の御出身で町は尾道がモデルだとあとがきに書かれている。尾道は「山の尾の道」が由来で大宝山・摩尼山・瑠璃山にぐるりと囲まれ尾根沿いの坂道が通っているからだとされる。(※本書では白珠山・黒曜山・瑠璃山の「潮ノ道三山」となっている)他にも司馬先生の「みおの道」(※みお=水... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167838079/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Eh4MIliPL._SL160_.jpg" border="0" alt="扉守 潮ノ道の旅人 (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167838079/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">扉守 潮ノ道の旅人</a><br />光原 百合/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />瀬戸内海に面した町を舞台にした、7編の短編集。<br />初めての作家さんだったのだが、光原さんは広島の御出身で<br />町は尾道がモデルだとあとがきに書かれている。<br /><br />尾道は「山の尾の道」が由来で<br />大宝山・摩尼山・瑠璃山にぐるりと囲まれ<br />尾根沿いの坂道が通っているからだとされる。<br />(※本書では白珠山・黒曜山・瑠璃山の「潮ノ道三山」となっている)<br />他にも司馬先生の「みおの道」(※みお=水脈)という説もある。<br /><br />どちらにしろ、山々と海の狭間にあるこの町は<br />現実とそうでない場所の狭間でもあるらしい。<br /><br />「帰去来の井戸」<br /> 坂道にある小さな居酒屋を営む叔母を手伝う由布。<br /> 井戸の水を飲むと「必ずここへ帰ってこられる」という伝説が。<br />「天の声、地の声」<br /> 「その土地の声を聴く」と言う不思議な劇団ファンの美咲は<br /> 団員にオバケが出ると噂の古い洋館の話をしてきかせる。<br />「扉守」<br /> 坂道にある雑貨屋に出くわした雪乃。<br /> 少々奇妙なその雑貨屋は、実はこの町の「扉守」でもある。<br />「桜絵師」<br /> 時折ふらりと町に訪れる絵師。<br /> 「自然をそのままに映す」絵に、早希は酷く心惹かれる。<br />「写想家」<br /> 「美しい光を映す」写真家。なぜかオネエ言葉。<br /> ストレスを溜めた祥子に、写真モデルを依頼する。<br />「旅の編み人」<br /> 旅をしながら「編み物」を請け負う女性。<br /> その編み物が、彼女の鞄から抜け出すのを見た友香は…。<br />「ピアニシモより小さな祈り」<br /> 人々を魅了する幻のピアニストと調律師が<br /> 静音の家にある「決して鳴らないピアノ」に興味を抱く。<br /><br />共通しているのは潮ノ道という町と<br />話に必ず、了斎という住職が絡んでいるところだ。<br />その理由は最後まで語られないのだが<br />鬼太郎で言うと、目玉のオヤジ的な位置にある。<br />町の「不思議」を排除するのではなく、共存する感じなのがいい。<br /><br />それぞれの話は楽しんで読めたのだが<br />全体としては、少々中途半端な印象も受けた。<br />一話目の海沿いの片田舎という空気が<br />話を追うごとにライトな感じに変わっていくので<br />共通項があるが為に、却ってまとまりの無さを感じると言うか。<br /><br />「帰去来~」と「桜~」の雰囲気は現代の童話のようでもあるし、<br />「扉守」「写想家」なら「セルベル雑貨堂の事件手帖」(笑)的な<br />連載ライトノベルにもなれそうだ。<br />了斎自体は好々爺でよいキャラなのだが<br />童話には少々あくが強いし、ライトノベルには年齢が高過ぎる。(失礼な)<br /><br />最後に了斎の話でまとめてあれば、また印象は違ったかもしれない。<br />ほのぼの風味の怪異話は割と好きなだけに<br />全体のちぐはぐさが少々残念だったが、<br />単純に短編集と考えれば、さらりと読める良本。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />現代の童話的怪異しては<br />現時点では「蟲師」の世界観が一番好きだ。<br /><br /><table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063142558/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/21WJ9A2A3CL._SL160_.jpg" border="0" alt="蟲師 (1) アフタヌーンKC (255)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063142558/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">蟲師 (1)</a><br />漆原 友紀/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />「蟲」という、独特の生態を持った虫のような生き物。<br />この世では見えないそれが見える「蟲師」。<br />蟲を寄せてしまう体質に、ひとところに住めないギンコが<br />蟲師として放浪する世界を描いている。<br /><br />1つ1つの怪異にきちんと「蟲」という理由付けがされているところ、<br />ギンコのスタンスが「解決するヒーロー」ではなく<br />ただ蟲の生態を受け入れる「語り部」であることなど<br />丁寧に作られた話の設定が、読んでいて非常に心地いい。<br /><br />今回の本の雰囲気が蟲師に少し似ていたので<br />ちょっとコミカルさが目についてしまったのかなと反省。<br /><br />他の本や自分の期待と切り離して読む修行しなきゃなー。<br />
105

WJ 2月11日号

ONE PIECE。え、パンクハザード編終結か?伏線は続くよ何処までも…。今回の気になるポイントは、錦えもんとモモの助の「訳あり」とローの計画のターゲットがカイドウだと判明したことか。この二つは繋がっていそうな予感。錦えもん親子の台詞からどうも「自分達だけが助かった罪悪感」もしくは「仲間の苦しみへの心配」のようなものが感じられる。だとすれば当然、ワノ国が何らかの危機に晒されている可能性が考えられ中国系植物の... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/img/20121231104712c1a.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-52.fc2.com/h/a/r/harubooook/20121231104712c1a.jpg" alt="wj" border="0" width="110" height="160" /></a></td></tr></table><br /><br />ONE PIECE。<br />え、パンクハザード編終結か?<br />伏線は続くよ何処までも…。<br /><br />今回の気になるポイントは、錦えもんとモモの助の「訳あり」と<br />ローの計画のターゲットがカイドウだと判明したことか。<br />この二つは繋がっていそうな予感。<br /><br />錦えもん親子の台詞からどうも<br />「自分達だけが助かった罪悪感」もしくは<br />「仲間の苦しみへの心配」のようなものが感じられる。<br />だとすれば当然、ワノ国が何らかの危機に晒されている可能性が考えられ<br />中国系植物の名前を持つカイドウが関連しても不思議はない。<br /><br />海兵と海賊の宴に思いっきり和んだ。(´∀`*)ホ<br />このままの流れでワノ国を目指すのだろうか。<br />パンクハザードに戻るのと子供達を送るのとで全員ではないだろうが<br />とりあえず刀馬鹿のたしぎは行きたいだろう。(笑)<br />スモーカーが同行する理由はないが<br />こちらへ向かっているっぽいドフラの出方と<br />前号のシルエットの人物次第では、その必然性が出来るかもしれない。<br /><br />何よりワンピに日本史くっついたら、自分としては楽しすぎて死ぬ。<br />リューマという剣士の存在もあることから<br />幕末あたりの日本になぞらえたものになるんじゃないかと期待。<br />例えば佐幕派のボスが海賊で、錦えもん親子が尊王側なら<br />海賊を毛嫌いする理由も見えてくる気が。<br /><br />モモノ助がドフラの陰に怯えていた描写もあったし<br />既にこの二人は顔見知りなのではないか。<br />「百獣のカイドウ」という異名からも<br />人造悪魔の実との関連を妄想しないではいられない。<br />いや、べコムズを飼っているビッグマムも気になるけど。<br /><br />嗚呼、伏線は続くよ何処までも…。<br /><br />付け足し:先週書いた「海軍(世界政府?)がワンピースを阻止する理由」<br />空白の100年に悪しき所業が隠されている他に<br />海軍は海軍なりに正義があるんじゃないか。<br />「月が繋がる」という可能性を前提としてだが<br />それって地球が壊滅状態に陥る懸念もあるのではないか。<br />月と地球って絶妙なバランスでこの位置に保たれているんであって<br />どちらが欠けてもどえらい事になるしね。<br /><hr size="1" /><br />NARUTO。<br />毎週キチンと読んでるつもりなんだが<br />ナルトが「チャクラの器用な変換」が出来るようになった経緯が<br />未だに呑み込めてない。<br />えっと、どこか10ページくらい読み飛ばしたのだろうか。<br /><br />人柱力全員に出来るなら、とっくに他国が注目しているだろう。<br />ならばナルトだからできるという事になる。<br />それはかつて四代目がナルトに<br />「九尾の陽チャクラ」のみを封印したからと思われるが<br />いい加減にチャクラの陰陽に関して語るべきじゃなかろうか。<br /><br />自分が説明をする仕事をしている所為もあり<br />こういう順番が気になって仕方ない。<br />ナルト修行の時に、説明を何故に遮ったんだヤマト隊長。<br />それが両親の願いだったというなら<br />親子愛の章の時に、何でここに触れなかったし。<br /><br />ナルトの肩、治った?<br />これ、何のためにハズれたんだろう。<br />医療忍者ヒロインの地位すら、ヒナタに奪われたのかサクラ…。<br /><br />いろいろ考えてたら最後のコマで<br />大蛇丸様の肩幅が予想外に広くて吹っ飛んだ。(|||゚Д゚)<br />場所はどうやらうちはの集落臭いのだが<br />そんなことより大蛇丸の肩が(略)<br /><hr size="1" /><br />ブリーチ:うん?これが卯の花隊長の卍解?<br />     鏡花水月に近いのか?それとも本当の蘇生能力なのか?<br />超能力:猫の愛らしさに平伏さないとか、人間じゃないぞ斉木。<br />ジョーカー:新章は魔女の話。<br />      ここが長期連載になるかの踏ん張りどころだぞー。<br />暗殺教室:おお、新キャラ登場か。<br />    家紋(?)がなんか月の盲信者みたいな感じだが。<br />銀魂:桂のキャラはいいよなあ。ギャグと人情家なのが入ってて。<br />クロガネ:やはり終わったか。最初は面白かったんだけどな。<br /><br />今回はここまで。<br />
  • Date : 2013-01-29 (Tue)
  • Category : WJ
104

長宗我部

長宗我部長宗我部 友親/文藝春秋 by G-Tools帯で山本一力氏が「末裔でなければ書けぬ史実の数々」と紹介されていたのでなんとなく気になってしまい購入。歴史人物の末裔と言われて思い浮かぶのはまず一番にやはり皇族、そして徳川家だろうか。他にも島津、伊達、織田、明智など枚挙に暇がない。自分の小学校時代にも、楠正成の末裔とやらがいて「嘘つけ!」と周囲に責められて泣いていたのを見た記憶がある。真偽のほどは分からな... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167838206/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/414DVWS9aTL._SL160_.jpg" border="0" alt="長宗我部 (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167838206/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">長宗我部</a><br />長宗我部 友親/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />帯で山本一力氏が<br />「末裔でなければ書けぬ史実の数々」と紹介されていたので<br />なんとなく気になってしまい購入。<br /><br />歴史人物の末裔と言われて思い浮かぶのは<br />まず一番にやはり皇族、そして徳川家だろうか。<br />他にも島津、伊達、織田、明智など枚挙に暇がない。<br />自分の小学校時代にも、楠正成の末裔とやらがいて<br />「嘘つけ!」と周囲に責められて泣いていたのを見た記憶がある。<br /><br />真偽のほどは分からないが、当然可能性はある。<br />昔の武将などは子が10人以上いたこともあるのだし<br />それぞれが養子に行って子を為せば、<br />嫡流でなくとも、それらはすべて子孫と言える。<br />逆に考えれば、血の繋がらない子孫もいる事にもなるが。<br /><br />自分が疑問に思っていたのは<br />末裔とは何をもって立証されるのだろうと言う点だ。<br />また「確証はない」とされる子孫も時々聞くが<br />系譜はどういう状況で消えてしまうのだろう、と。<br /><br />著者の長宗我部友親氏は<br />かの長宗我部元親の弟・親房の直系であるらしい。<br />感覚的には「歴史上の人物の甥」みたいな感じだろうか。<br /><br />長宗我部は、飛鳥時代の渡来人を源流とした一族で<br />群雄割拠の戦国時代には、四国を統一している。<br />元親は全国区に名乗りをあげる前に秀吉に先を越され、臣下に下る。<br />その子・盛親は大坂の陣で秀吉側についていたので<br />乱暴な言い方だが、戦国史では「負け組」に入る。<br /><br />その辺の歴史が詳しく載っているという印象で<br />特に目新しいことは書いていなかった。<br />が、子孫の目から見ても源流となる秦河勝と<br />元親は誇らしい先祖であるらしいのだが<br />盛親には少々不甲斐なさを感じていらっしゃるようで(笑)<br />単純に歴史の1ページとして見る我々とは違うのだな、と感じた。<br /><br />まあ、自分も昨日まで滋賀フィーバー確変中だったので<br />人の事は言えないのだが(笑)。<br /><br />家康の時代になり、長宗我部は領地と苗字を召し上げられる<br />元親の末弟・親房は、苗字を島と名を改め<br />土佐を与えられた山内一豊に仕える。<br />この三代目の方が提出した「履歴書」が現存していることから<br />著者が長宗我部の末裔と証明される。<br /><br />成程。<br />無論紙のことだから、保存できなかったものも多くあるだろうし<br />時代背景によっては、消された事実もあるだろうが<br />やはり本や書というものは歴史の証人なのだ。<br />未来には、PCに入ったHDDのデータ復元という仕事が<br />証人になる日も来るのかもしれない。<br /><br />幕府崩壊後、この島家12代目が系図を整理して<br />当時の宮内庁に提出し、長宗我部の名字が復活したという顛末らしい。<br />成程成程。<br />歴史上から消えてしまう系譜というのは、このような形もあるのだ。<br />個人的な疑問が解決して、ちょっとスッキリした。<br /><br />ちなみに土佐山内は上士下士(上の位の侍・下の位の侍)の<br />身分区別が厳しかったことでも有名だが<br />先代の残党でもある長宗我部は、当然下位の身分であった。<br />この下位の者達が後世、討幕派に繋がる。<br />徳川に地位を追われたものが徳川を潰すのだから<br />まさに歴史の因果応報と言うところだろうか。<br /><br />いずれ長宗我部元親の歴史小説を読むつもりなので<br />その予習として良本だったと思う。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />あとがきに歴史家・磯田道史氏と著者の対談があったのだが<br />歴史ゲームや漫画に少しだけ触れられていた。<br /><br />ゲーム会社には時々地元などから<br />「ウチの土地の武将はあんなに弱くない」とか<br />「ビームなんか出さない」とクレームが来ることがあるらしい。(笑)<br />自分としては、年齢が無茶苦茶なのが少々気になる程度で<br />ビジュアルは気にしたことはなかった。<br />著者の意見は書かれていなかったが<br />子孫と言われる人はやはり不愉快なのだろうか、気になるところ。<br /><br />以前に京都にある新撰組の屯所に行った時も<br />ガイドさんが「ゲームやドラマの影響は大きいです」と仰っていた。<br />さすがに「ビームで戦ったんですよね」と言う人はいないが<br />一般の観光客よりの細かいことを聞いたりされるらしい。<br /><br />勉強熱心なんですねと笑っておられたが<br />多分違うと思いつつ、自分も微笑んでおいた。(微笑)<br />
103

湖賊の風 その2

湖賊の風高橋 直樹/講談社 by G-Tools一晩寝かせて、郷土愛を落ち着かせた次第。(そんな程度なのか)湖賊の風 その1の背景を踏まえた上で、さて本書。堅田は一枚岩ではない。船道(ふなと=船乗り)衆と全人(まとうど=商工人)は互いに相容れぬ者として隔てがある。それは天台宗・延暦寺に上納金を払う前者と浄土真宗の寺が束ねる後者の、宗教的な隔てでもある。その中でも漁師達は、チャリンコと呼ばれ軽んじられている。主... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062748185/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5170GWTKEZL._SL160_.jpg" border="0" alt="湖賊の風 (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062748185/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">湖賊の風</a><br />高橋 直樹/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />一晩寝かせて、郷土愛を落ち着かせた次第。(そんな程度なのか)<br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-102.html" target="_blank" title="湖賊の風 その1">湖賊の風 その1</a>の背景を踏まえた上で、さて本書。<br /><br />堅田は一枚岩ではない。<br />船道(ふなと=船乗り)衆と全人(まとうど=商工人)は<br />互いに相容れぬ者として隔てがある。<br />それは天台宗・延暦寺に上納金を払う前者と<br />浄土真宗の寺が束ねる後者の、宗教的な隔てでもある。<br /><br />その中でも漁師達は、チャリンコと呼ばれ軽んじられている。<br />主人公・銀鱗(うろくず)は<br />誰より風を読むことに長けた天性の才をもつ男だが<br />磯臭い漁師の集落を厭って脱奔し<br />海賊紛いの船道衆の金品を奪い、銭を稼いでいた。<br /><br />一方、延暦寺は銀鱗を利用して<br />蓮如を尊ぶ全人衆ともども船道衆をも潰し<br />琵琶湖水路の利権までをも奪おうと企む。<br />次第、堅田衆は協力を余儀なくされる。<br /><br />どうでもいいが、堅田という地名が<br />自分の中で放禁レベルのローカルさなので<br />書いていてどうにも落ち着かないのだが。<br /><br />この主人公がいい。<br />人も神仏も信じない銀鱗は、どの勢力図にも属さない。<br />湖では、風と己の力だけが全てなのだ。<br />己の力のみで生きること。<br />これを仏教では「自力」と言う。<br /><br />対して、神仏の力を信じること<br />人によって生かされていることを「他力」という。<br />主人公はまさにこの2つの象徴である。<br />銀鱗は言う。<br />「おれは、湖の大将になる」<br /><br />脳内変換:「琵琶湖王にオレはなるっ!」(どんっっ!)<br />地元民の悲しさで、琵琶湖が付くとなんでもスケールが下がる。<br />JRびわ湖線、びわ湖放送、びわ湖虫、びわこ銀行、琵琶湖温泉…<br />いいシーンだったのに、つい涙腺じゃなくて腹筋が緩んだ。<br /><br />銀鱗だからこそ、湖が誰のものでもないと理解しているのだ。<br />利権という視点よりもっと高い場所から<br />彼は湖そのものを自由にするために、王となろうと言うのだ。<br />「沖島へ行け!この世の全てをそこに置いてきた…!」<br />郷土愛が再発しそうなので、この辺で締める。<br /><br />勇猛な武将の話ではない。<br />抹香臭い宗教話でもない。<br />ましてやローカル地域の宣伝話ではない。(←)<br /><br />だがこの時代に「自由」に生きようとしたその志は<br />何より猛々しく、また尊い姿と映った。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />書き終わったので、滋賀の話をする。(せんでええ)<br /><br />都道府県魅力度ランキングというのがある。<br />2012年の滋賀は、前年度より1ランクアップの37位。<br />順位から上昇度まで全部地味すぎて、コメントも付けがたいわ。<br /><br />なんでだよ。滋賀魅力あるよ滋賀。<br />琵琶湖とか琵琶湖とか、あと琵琶湖とか。<br />(原因が琵琶湖しかないと分かってるなら言わなくてよかろう…)<br />ひこにゃんが全国区にのしあがったのは吃驚したが<br />あれは東の産物であって、西ではないのだもの。(ぎりっ)<br />※琵琶湖の西と東には、暗くて深い溝がある・笑<br /><br />滋賀県民あるある。<br />・修行僧でもないのに、比叡山に遠足で何十回と登った。<br /> でも琵琶湖は眺めるものであって、泳ぐものでは無い。<br />・BBCはびわ湖放送だ。<br />・滋賀は琵琶湖によって東西に分断され<br /> 積雪量によって南北に寸断され、東西よりさらに深い闇がある。<br />(多府県から見ると目糞鼻糞)<br />・新聞を開くと、必ず今日の水位をチェックする。<br /> マイナスが続くとなんだかブルーになる。<br />・免許を取った初心者の夢は琵琶湖一周。自分も行った。<br />・砂漠の蜃気楼のごとく、行けども行けども平和堂が出没。<br /> ※平和堂:滋賀を牛耳るスーパーマーケット組織<br />・観光スポットを聞かれると狼狽え、名物を聞かれると言葉を失う。<br /> なので「滋賀いいとこだね」って言われると感激する。<br /><br />京阪地区の人間に滋賀の悪口を言われると<br />滋賀作(←滋賀県人であることの謙譲語。多府県は言うな)は<br />「琵琶湖の水止めるぞ!」と脅すと言われるが、事実である。<br />自分も何度も言ったから。<br /><br />無論、そんな権限はないのだが。
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湖賊の風 その1

湖賊の風高橋 直樹/講談社 by G-Tools※注:今回は個人的にマニアックでローカル色強め。先日、戦国繚乱でご紹介した高橋直樹氏の作品をもういっちょ。時代は室町、近江の国・堅田が舞台である。何処だよソレと言われそうだが、自分はよく知っている。地 元 だ か ら だ 。 (笑)住んでいたのは、本書にも出てくる延暦寺の門前町・坂本で車で20分くらいだったからテリトリーにあった。表題の「湖賊(湖族)」は吉川英治... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062748185/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5170GWTKEZL._SL160_.jpg" border="0" alt="湖賊の風 (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062748185/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">湖賊の風</a><br />高橋 直樹/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />※注:今回は個人的にマニアックでローカル色強め。<br /><br />先日、<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-99.html" target="_blank" title="戦国繚乱">戦国繚乱</a>でご紹介した高橋直樹氏の作品をもういっちょ。<br />時代は室町、近江の国・堅田が舞台である。<br /><br />何処だよソレと言われそうだが、自分はよく知っている。<br />地 元 だ か ら だ 。 (笑)<br />住んでいたのは、本書にも出てくる延暦寺の門前町・坂本で<br />車で20分くらいだったからテリトリーにあった。<br /><br />表題の「湖賊(湖族)」は吉川英治先生の造語で<br />本来は「堅田衆」なのだが、聞いての通りセンスがないので<br />町おこし的に「湖族」が使われることが多い。<br />字面の通り、琵琶湖の水路を取り仕切る集団であるが<br />少々盗賊っぽいオイタもした事からのネーミングらしい。<br /><br />「そうか、地元で有名なのか」などと思ってはいけない。<br />多 分 市 民 の 半 分 く ら い は 知 ら な い 。<br />ってか、滋賀県に有名なものなど無い。<br />昔は比叡山と琵琶湖がウリだと思ってたのだが<br />多府県には京都所領だと思われてると知って愕然とした。<br />高橋氏のマニアックな慧眼を心からリスペクトしたい。(涙)<br /><br />先に時代背景から。<br />室町時代は、琵琶湖水路は政治・経済的にも重要な位置にあり<br />辺り一帯で延暦寺が絶大な力を持っていた頃である。<br />北から運ばれる船荷を陸路に上げる要所であった堅田は<br />延暦寺に上納金を払う形で、地方自治のような体裁を築いている。<br /><br />滋 賀 が 重 要 な 場 所 だ っ た ん で す ね 。<br />(大事なのそこじゃない)<br /><br />ここで延暦寺と堅田の微妙な均衡が崩れる。<br />原因は延暦寺の天台宗と、新しく派生した宗派の対立だ。<br />天台宗を学んだ法然が浄土宗を、その弟子・親鸞が浄土真宗を生み<br />この時代は蓮如がその教えを継ぎ、弾圧されている。<br />堅田は湖畔に浄土真宗の寺があり<br />こちらに身を寄せた蓮如の威光で、門徒数は膨れ上がった。<br /><br />滋 賀 注 目 さ れ て る よ 滋 賀 。<br />(大事じゃないけど二度言います)<br /><br />ちなみにこの寺は、今もある。<br />観光名所と湖族資料館も近くにあるが<br />周囲はそれだけの為に来るような景観なので<br />万一訪れるような事があったら、ゆっくりしていってね!<br /><br />この時代の宗教は面白い。<br />天台宗はどちらかというと「学問」としての要素が高く<br />延暦寺は最高学府でもあった。<br />それを民衆向けにやさしく説いたものが浄土宗の流れで<br />学や身分が無くとも救われるという考えに<br />民衆たちは熱狂し、傾倒した。<br /><br />要するに浄土宗の流れは「会いに行けるアイドル」なのだ。<br />蓮如は前●敦子さんだと思えばいい。(よくねぇよ)<br />気安く話したり、握手なんかもされたりして<br />民衆は感激してファンになり、お布施を寺に納める。<br />商法はさておき、延暦寺としてはこの人気っぷりは見逃せない。<br /><br />ならば堅田を攻め落とせば<br />蓮如を追い出し、更に水路をも手に入れることが出来る。<br />こうして堅田は僧兵の攻撃を受け<br />琵琶湖中央部に浮かぶ沖島へ撤退することになる。<br />堅田衆は団結し、自治を取り返すために立ち上がる。<br /><br />地元民にはスケールが1/30くらいに縮小されるものの<br />堅田と沖島を挟む聖戦とか<br />な ん か 滋 賀 か っ こ よ く ね ?<br />そうでもないですか。そうですか。<br /><br />さてここまでが歴史の概要で、まだ本作の話に触れていない。<br />郷土愛の血が騒いで簡潔に書けないので<br />以降、明日に続けてよろしいだろうか。<br /><br />いや、続ける気満々なんだけどね。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />わざわざ琵琶湖で船に乗り換えなくとも<br />ずっと陸路を行けばいいじゃないと思われそうだが<br />当時は(割と今でも)ぐるりと山に囲まれており<br />大きな荷や軍勢が通ることが出来なかったのだ。<br /><br />結局は江戸時代初期に海路が発達し<br />交通水路としての琵琶湖の地位は衰退してしまうのだが<br />今も東と西を結ぶ国道1号線やJR東海道線、<br />北陸自動車道、名神高速道路の主要道路が通っており<br />滋 賀 は 行 っ た こ と な い け ど 通 っ た <br />みたいな素通り県としては上位にある。<br /><br />時々車窓から、滋賀の事も思い出してあげてください。(´・ω・`)
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ほんとうは怖い沖縄

ほんとうは怖い沖縄仲村 清司/新潮社 by G-Tools先祖崇拝の強い沖縄ではニライカナイ(=海の彼方にある別天地)や台所に祀るヒヌカン(=火ヌ神)の神器やユタと呼ばれる巫女のような存在など内地には見られない風習や自然信仰が見られる。と書いていたので、沖縄の知人にメールで聞いてみたが(疑り深いんか)ヒヌカンは置いていないし、ユタも会った事がないという。嘘だと言う意味ではなく、ヒヌカンは土地の人の風習でありユ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410116343X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51y7DSt8afL._SL160_.jpg" border="0" alt="ほんとうは怖い沖縄 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410116343X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">ほんとうは怖い沖縄</a><br />仲村 清司/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />先祖崇拝の強い沖縄では<br />ニライカナイ(=海の彼方にある別天地)や<br />台所に祀るヒヌカン(=火ヌ神)の神器や<br />ユタと呼ばれる巫女のような存在など<br />内地には見られない風習や自然信仰が見られる。<br /><br />と書いていたので、沖縄の知人にメールで聞いてみたが(疑り深いんか)<br />ヒヌカンは置いていないし、ユタも会った事がないという。<br />嘘だと言う意味ではなく、ヒヌカンは土地の人の風習であり<br />ユタも「余所者」が会えるものではないのだと言う。<br />知人はもう十数年も住んでいるのだが<br />それでも境界線があるのだと、却って感心した。<br /><br />幽霊・妖怪、はたまた祟りや神の存在など<br />この世の「常ならぬもの」をどう思うかと言われれば<br />取り敢えず、怪奇現象番組とかはヤラセ臭いと思う。(笑)<br /><br />実際、「見える人」は友人にいるが<br />こちらが聞かなければ、特に自分から語ったりはしない。<br />多少困ることはあるらしいが、「怪異」だとは思っていない。<br />なんというか、非常に「自然」なのである。<br /><br />故に自分の中で、それに近付ける人や場所には<br />畏れというか、無垢な自然さのようなものが在る印象がある。<br />なので子供の頃には見えるというのは納得できるし<br />心霊スポットなどと言われて人が大挙する場所は<br />向こうさんも出たくないだろうと思う。<br /><br />逆に四方を海に囲まれた自然崇拝の強い土地なら<br />多少の不可思議があっても不思議はないように思う。<br />土地の者だけが信じる風習と言う結界と<br />その純粋さ故に尚更、信憑性がある気がする。<br />著者自身が「幽霊なんかいるかい」と言う考えなので<br />現実的かつ土地への礼節を踏まえた上で<br />「沖縄の不可思議」を紹介しているのがよかった。<br /><br />途中までは。<br /><br />戦跡の章から、心霊スポットの話になってしまったのだ。<br />それはそれで嫌いではないし<br />沖縄が激戦区であった歴史にも敬意は感じられる。<br />タイトルからその手の話でもいい筈なのだが<br />自分としては上古時代のような神聖さを求めていたので<br />ソレジャナイ感が残ってしまった。<br /><br />おもてたんとちゃう、って事で<br /><br />個人評価:★★★<br /><br />沖縄人の書いたあとがきの方が面白く感じたのは内緒だ。(小声)<br /><hr size="1" /><br />ずっと以前にテレビで<br />礼文島最北部に住む夫婦のドキュメンタリー番組があった。<br />冬は陸の孤島になるその場所で、御主人が漁をして暮らしている。<br /><br />そこにはニシン漁で栄えた頃に作られたのであろう<br />豊漁と無事を願う小さな祭壇があり<br />一人なった今も御主人がそれを清め、手を合わせていた。<br /><br />こんな場所にも神様はいるのだと、涙が出そうになった。<br />もとより唯一とする神がいない日本だからこそ<br />信じたい場所にそれは存在するのだろう。<br />自分は特に信仰する宗教はないが<br />何かを信じる心というのは綺麗なものだと思う。<br /><br />神や霊はいるとかいないとかより<br />それを信じられる人や場所がいるという事に感銘を受ける。<br />なので日本に在りながら異国でもある、琉球や蝦夷の文化に興味がある。<br />要は今回も、自分が勝手に期待しただけなのだが<br />エッセイ風味の内容がやや物足りなかった。
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算法少女

算法少女遠藤 寛子/筑摩書房 by G-Tools「算法少女」とは、実際に江戸時代に作られた和算書で「女のコにだってできちゃう☆数学」みたいな意味らしい。編者・壺中隠者の名と共に「章子」という女性の名が共同執筆者として書かれているのは、この時代に唯一だと言う。御尊父が数学者で、原本に親しみを抱いていた遠藤さんが史実に基づき、和算好きの「あき」という少女がこの時代に女性名義の書を出すに至った経緯を少年少女向けの... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090134/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51E2R1NKZ0L._SL160_.jpg" border="0" alt="算法少女 (ちくま学芸文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090134/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">算法少女</a><br />遠藤 寛子/筑摩書房<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />「算法少女」とは、実際に江戸時代に作られた和算書で<br />「女のコにだってできちゃう☆数学」みたいな意味らしい。<br />編者・壺中隠者の名と共に「章子」という女性の名が<br />共同執筆者として書かれているのは、この時代に唯一だと言う。<br /><br />御尊父が数学者で、原本に親しみを抱いていた遠藤さんが<br />史実に基づき、和算好きの「あき」という少女が<br />この時代に女性名義の書を出すに至った経緯を<br />少年少女向けの読本にして出版されたと言うことだ。<br /><br />挿し絵に加えてやさしい説明文が用いられているが<br />和算というものが本のテーマへと繋げられ<br />教科書を読んだような読後感は、大人が読んでも気持ちがいい。<br /><br />掲載するには少し長いかもしれないが<br />算数の教科書にこういうコラムがあってもいいと思う。<br />一時、円周率が3.14から3になったとかいう学習指導があったが<br />これを読めば0.14の計算苦(?)や<br />方程式の丸暗記にも意味が見いだせるのではないだろうか。<br /><br />「こんなもの覚えて将来何の役に立つんだ」と<br />自分も若い頃に思ったような気がするが、小一時間ほど説教してやりたい。<br />お前がちゃんと勉強していれば今頃は…(八つ当たり)<br />いやいや、こうして毎日本を読んでいると<br />あの頃の知識がベースにあるから楽しめるのだと、心から思う。<br /><br />勉強は義務ではなく、与えられた権利だと思う歳にならないと<br />そのありがたみには気が付けないものだ。<br />未来ある少年少女は勿論、手遅れの大人達も(笑)一読したい。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />自分勝手資料。URLはリンクしてないので、コピペのこと。<br /><br />●原本「算法少女」<br />今は国会図書館のデジタルライブラリーで原本を閲覧出来る。<br />http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3508165<br />国会図書館は600万以上の蔵書量があり<br />いずれ保存数も限界になるとも聞くが<br />時を超えて本が残されていると言うのは、ちょっと感動である。<br /><br />本に出てくる「算法少女之評」という批判本も読める。<br />いや、見られると言うべきか。<br />少なくとも自分は全く読めなかったが。(大笑)<br /><br />●一関市博物館<br />http://www.museum.city.ichinoseki.iwate.jp/icm/06events/index02.html<br />こちらでは「和算に挑戦」というコーナーがあり<br />レベル別の問題と和算の説明がある。<br />解答は書いてあるが、我こそはと思う人は是非。<br /><br />●算木<br />この時代の計算機で、興味があって調べてみたが<br />足し算と引き算は分かるものの、掛け算から何が何やら(笑)。<br />「算木で三次方程式を解く」(pdf)<br />http://mathsoc.jp/publication/tushin/1101/nishimori.pdf<br />方程式まで解けるとか、レベルが高すぎて訳が分からん…。<br /><br />●和算繋がりで<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-1.html" target="_blank" title="天地明察">天地明察</a>を併せて読むと楽しい。<br />
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戦国繚乱

戦国繚乱高橋 直樹/文藝春秋 by G-Tools天下覇者の争いに名を連ねた武将達が間違いないヒット映画のような面白さだとしたらそれを軍師や片腕として支えた者たちはB級映画のようなややマニアックな面白味がある。ならば本作はミニシアター級であうか。惜しくもB級にもなれなかった戦国時代の小話が3本まとめて読めるというお得さと自分だけの映画を見つけたような小さな感動がある。安っぽいという意味ではない。面白かったのだ。... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167629046/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51RWRH6JVBL._SL160_.jpg" border="0" alt="戦国繚乱 (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167629046/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">戦国繚乱</a><br />高橋 直樹/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />天下覇者の争いに名を連ねた武将達が<br />間違いないヒット映画のような面白さだとしたら<br />それを軍師や片腕として支えた者たちは<br />B級映画のようなややマニアックな面白味がある。<br /><br />ならば本作はミニシアター級であうか。<br />惜しくもB級にもなれなかった戦国時代の小話が<br />3本まとめて読めるというお得さと<br />自分だけの映画を見つけたような小さな感動がある。<br /><br />安っぽいという意味ではない。<br />面白かったのだ。地味に。(笑)<br /><br />一作目は、城井氏最後の当主・朝房(弥三郎)の話だ。<br />これだけだと「誰だよソレ」感が半端ないが<br />秀吉の命で黒田官兵衛(如水の方が有名だろうか)が<br />九州遠征の際に滅ぼした一族の名であり、<br />まさにB級の陰に隠れた悲劇である。<br /><br />来年の大河は、黒田官兵衛だと聞いた。<br />恐らく不遇の人として描かれる事になると思われるが<br />天才軍師とは、逆にとれば謀略家なのだ。<br />歴史では九州遠征には官兵衛の名だけがあり<br />そこに弑された氏族の血涙までは、残らない。<br /><br />二作目は、大友五郎義鎮。<br />キリシタン大名で微妙な知名度(笑)の大友宗麟であり<br />廃嫡されそうになった際に実父を暗殺する話で<br />いわゆる「二階崩れの変」だ。<br /><br />そういえば、この人物もよく分からない。<br />キリシタンとして戦国に生きることを懊悩したという話も聞くが<br />どちらかというと悪評の方が印象にあったのだが<br />これを読んで初めて宗麟に対し、同情に近い意識を持った。<br />自分の中では、これが一番面白かった。<br /><br />三作目は謙信亡後、嫡子争いをした景虎(三郎)と<br />景勝(喜平次)の「御館(おたて)の乱」だ。<br />どちらかというと世間では<br />謙信から名をもらった景虎が贔屓されている気がするが<br />敢えて景勝側の話となっているところがいい。<br /><br />だが軍神とまで言われた謙信の子らは、正直ぱっとせず<br />歴史でも「没落した」くらいの記述でおさめられている。<br />戦国の世に消えていった物語には<br />こんな煩悶があったのかもしれないと、ふと感じ入る。<br /><br />全体としては、小説と言うより教科書のような<br />史実を一気に列挙している部分も多いのだが<br />内容が結構濃いので仕方ないのだろう。<br /><br />戦国史に興味のある方には、なかなかに興味深い1冊かと。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />去年、数年ぶりに一年間大河ドラマを見続けたのだが<br />毎週同じ時間にテレビを見るのに疲れてしまい、今年は見られない。(笑)<br />でも来年は官兵衛かー。どうしようかなー。<br />今年の一月に来年の一月のことを悩むとか、鬼が爆笑するな。<br /><br />大友宗麟と言えば、それに仕えた立花宗茂も<br />いつか大河になってもおかしくない御仁だと言われる。<br />うん、それなら見てみたいかも。<br /><br />今こそ地味が熱い!(←嘘ですよ)
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WJ 2月4日号

土曜ジャンプに休刊と続き、なんかすげー久しぶり。。ジャンプ出ないと月曜が分からんで困る。(お粗末な)ONE PIECEフランキー将軍の勇姿への賞賛と軽蔑の眼差しの中(笑)バッファローから気になるワードがぽろり。続くウソップとナミの華麗な遠吠えに思わずスルーしそうになるのを、戻って二度見。「ジョーカーはお前の為にまだハートの席を…!」ワンピでトランプが気になるというのはここでも書いたのだが今一度深呼吸して、整... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/img/20121231104712c1a.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-52.fc2.com/h/a/r/harubooook/20121231104712c1a.jpg" alt="wj" border="0" width="110" height="160" /></a></td></tr></table><br /><br />土曜ジャンプに休刊と続き、なんかすげー久しぶり。。<br />ジャンプ出ないと月曜が分からんで困る。(お粗末な)<br /><br />ONE PIECE<br />フランキー将軍の勇姿への賞賛と軽蔑の眼差しの中(笑)<br />バッファローから気になるワードがぽろり。<br />続くウソップとナミの華麗な遠吠えに<br />思わずスルーしそうになるのを、戻って二度見。<br />「ジョーカーはお前の為にまだハートの席を…!」<br /><br />ワンピでトランプが気になるというのはここでも書いたのだが<br />今一度深呼吸して、整理してみよう。<br />歳とると素敵展開で動悸息切れ眩暈がする。(お粗末2)<br /><br />トランプの53枚をいちいち出すとは思えない。<br />カードの特性という意味で出そうなのは<br />ジョーカー・キング・クイーン・ジャック、A(エース)<br />更にスート(柄)のスペード・ハート・クローバー・ダイヤだ。<br />単純計算で総勢9名の人物が考えられる。<br /><br />ただ「元スペード海賊団のエース」のような<br />(※エースが関連あるかどうかはまだ不明)<br />数とスートの組み合わせである可能性もゼロではないので<br />最低5~9名としておこう。<br /><br />自分はキングとクイーンが人ではなく<br />それぞれアラバスタ王国としらほしの能力の暗喩ではと考えたのだが<br />ちょっと自信がなくなってきた。(笑)<br />まぁ、間違いも後でなんか役に立つかもしれないので<br />そう考えた経緯をメモしとく。<br /><br />この作品の流れを、別側面から考える。<br />海賊側はワンピースを発見すること=海賊王の名声と捉えているが<br />海軍側はもっと現実レベルで「悪しきこと」と考えているようだ。<br />有力な海賊を七武海として取り込み<br />いわば形振り構わないくらいに、これを阻止しようとしている。<br /><br />ワンピースとは何か。<br />この「ひとつながりの財宝」は<br />サンジの「オールブルー」とも大きく関係があるように思う。<br /><br />ワンピース世界の地図は、グランドラインとレッドラインによって<br />リバースマウンテンを除き、4つの海に分断されている。<br />そのリバースマウンテンの背後には、おそらくラフテルがある。<br />ここまでの航海に出てきた「プルトン」「ポセイドン」を使えば<br />海流を合流させることが可能となるのではないか?<br />と言うより、そもそもその目的を課せられているのではないだろうか?<br /><br />そう思うと「アイランドクジラ」の自傷行為は<br />もとよりレッドラインを破壊しようとしているのではとも思うのだが<br />トンでもなく長くなるので、今は別にしとく。<br /><br />単にオールブルーを作るための手段ではないと思うので<br />最終的に「誰が」「何のために」そんなものを作ったのかという話だ。<br />まだ考えるのに材料不足ではあるものの<br />資源不足で地球に下りたというビルカの民が(※エネルの表紙連載から)<br />「海」を欲しがったのではなかろうか、と考える。<br /><br />まだ未登場の兵器「ウラヌス」は<br />地球と月をつなぐ「何か」ではなかろうか。<br />四つの海と星を繋ぐそれこそが、「ワンピース」なのではないか?<br />…とまあ、こんなことを考えていた訳で。<br /><br />それを阻止する為に海軍が必要な持ち札を<br />ジョーカー(兵器としての悪魔の実の大量生産)<br />キング(=ブルトン)、クイーン(=ポセイドン)<br />ジャック(=ウラヌス?司令塔?)、エース(=海賊王?Dの一族????)<br />のように暗喩してるのかなあと思ったんだが。<br />スートはその幹部席みたいなモンかな。<br /><br />何で海軍が阻止する必要があるのかとか<br />宇宙人とDの一族の関わりとかは<br />来週号で進展がなかったら書こうと思う。<br /><hr size="1" /><br />NARUTO。<br /><br />表紙絵を久し振りに見た気が。<br />やっぱ巻頭カラーは力入ってるね!カッコイイ!!<br />モブヒロインもちゃんといるし。<br />さすがにサスケの前立ては、団扇つける訳にはいかないか。(笑)<br /><br />チラ見せで大蛇丸&サスケの心の旅。<br />場所は木の葉だと思っていいのかな。<br />行先は木の葉の相談役か、南賀ノ神社あたりかねえ。<br /><br />チャクラの受け渡し…。<br />この漫画の唯一の戦闘リミットがなくなったので<br />安心して読んでってね!ってコトでいいのかな。(笑)<br />いやうん、まぁ、いいならいいんだけど。<br /><br /><s>珍しく</s>主人公がいいこと言った。<br />自分が傷つかないよう、(幻術で)作った仲間なんか本物じゃない。<br />本物の仲間を胸においておくことに意味がある。<br />そうだ、その通りだとも。<br />エ ド テ ン や 蘇 り ネ タ が な け れ ば<br />本 当 に い い 台 詞 な の に ( 涙 ) 。<br /><br />順番がよく分からんのです。<br />ナルトの言葉を生かすには、エドテンは後出しで<br />生前と現在を結び付けられない傀儡とした方が、説得力あると思うんだ。<br />四代目とクシナにしたって、可愛そうだが<br />「もう会えないけれど、愛されていたと信じられる」<br />が、ナルトにとって「本当の両親」なのだと思う。<br />どんな術にしろ、実物に会えた時点で<br />名言を何処か説得力のないものにしている気がする。<br /><br />それはそうと、このチャクラの受け渡しというのは<br />サスケ-ナルト間において<br />「うちはと千住の力の合体ができる」フラグなんかなと思ったり。<br />微妙に千柱=ナルトという図式も納得できてないんだけど<br />今のうちに飲み込んでおいた方がいいんかな。<br /><br />ごくん。(丸のみ)<br /><hr size="1" /><br />ブリーチ:うん、もう後読みたいのこれだけだ(笑)<br />    卯の花隊長こええええ…。<br />食戟:なぜ脱ぐ。(笑)<br />ハイキュー:いいねー、まっとうな試合で。<br />      頼むから人間離れした必殺技とか使わないで。<br />読み切り:話は面白い。もし連載になったら<br />     コイン一枚分の年数がもう少し減ると見た。(笑)<br />銀魂:空知さんはこーゆー訳のわからんモノ語らせると天才だな。<br /><br />後は割愛ー。<br />
  • Date : 2013-01-22 (Tue)
  • Category : WJ
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私にふさわしいホテル

私にふさわしいホテル柚木 麻子/扶桑社 by G-Tools柚木さんの著作は、知人から教えてもらった。手持ちの本はまだ文庫化待ちのものがほとんどなのだが自分の中で注目株の作家さんだ。今回はちょっとした御縁で珍しくまだ文庫化していない著書を読む機会に恵まれた。ここでも紹介したモンスターや殺人鬼フジコなど女性の恐るべき一面にぞっとさせられる話はよくある。四谷怪談やミザリーなども、その類だろう。確かに男性よりも女性... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594066836/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DG8JhX%2B4L._SL160_.jpg" border="0" alt="私にふさわしいホテル" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594066836/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">私にふさわしいホテル</a><br />柚木 麻子/扶桑社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />柚木さんの著作は、知人から教えてもらった。<br />手持ちの本はまだ文庫化待ちのものがほとんどなのだが<br />自分の中で注目株の作家さんだ。<br />今回はちょっとした御縁で珍しく<br />まだ文庫化していない著書を読む機会に恵まれた。<br /><br />ここでも紹介した<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-20.html" target="_blank" title="モンスター">モンスター</a>や<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-58.html" target="_blank" title="殺人鬼フジコ">殺人鬼フジコ</a>など<br />女性の恐るべき一面にぞっとさせられる話はよくある。<br />四谷怪談やミザリーなども、その類だろう。<br />確かに男性よりも女性の方がハマリ役な印象があり<br />話も面白く読んだので不満はないのだが<br />常からこの「女性は怖い」というイメージの由来が疑問だった。<br /><br />単純な犯罪件数の比率としては、男性の方が高い。<br />だが凶悪犯罪がその手で行われたとして<br />女性の方が陰惨に印象づけられるのではなかろうか。<br />まあそれは心理学や生物学的からの検証や<br />歴史的な背景などが多々あるだろうし<br />自分もちゃんとした解答を求めている訳ではないのだが。<br /><br />要するに女性がしたたかで計算高く、何処か愚かであるという偏見を<br />スカッと読める作品はないのかと思っていたのだが<br />この本で、思わず膝を打った次第である。<br /><br />加代子は新人賞をとったばかりの作家のたまごだ。<br />が、その賞は出来レースのタレントと同時受賞で<br />加代子にはまったく日が当たらず<br />次作を書くも、出版社に見向きもされない。<br /><br />加代子の努力は涙ぐましい。<br />が、その方向はやや常軌を逸している。<br />大御所作家に近づいて原稿を阻害し、代原枠を空けようとしたり<br />正体を隠すためにダイエットをしたり<br />同じ苗字の美少女新人作家を嫉んだり<br />自分の本を盗まない万引き犯に腹を立てたり<br />その思考はまさにしたたかで計算高く、そして愚かだ。<br /><br />が、それに見合うだけの執念と行動力は<br />「つまらない偏見」で片付けるには余りあるものがある。<br />夢見る乙女が窓辺に俯く白百合の花ではなく<br />30メートルの根を張わせる雑草のごとくある様は、むしろ痛快だ。<br /><br />帯の文句は「ユズキ、直木賞諦めたってよ」(笑)。<br />確かに実在の出版社や作家や賞になぞらえたそれは<br />一定の範囲内で問題作かもしれない。<br />「作者と作品を同一化するのは素人の読み方」と書かれているのも<br />自分を含め、世間の書評ブログをドキリとさせる。<br /><br />が、なりふり構わない加代子とこの本がどうにもシンクロしてしまい<br />何時か柚木さんが賞を取った暁には<br />いろいろと胡散臭い想像をしてしまいそうだ。(笑)<br />否、むしろ期待とも言うべき思いを込めて拍手喝采。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><br />本の中で一昨日書いた<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-95.html" target="_blank" title="銀の匙">銀の匙</a>がちょっと出てきたので<br />勝手に御縁を感じてにまっとした。<br /><hr size="1" /><br />これ読んで、そう言えば書評って<br />小説家さんの目や耳に入る可能性もあるのか、と改めて思ったり。<br /><br />まぁ、ブログやっといて言うのもなんだけど<br />書評なんて人の好みで上下左右してしまうものなので<br />参考にはできても真実ではない。<br />それだけに、同じ本や作家さんが好きな人に会えたら嬉しいし<br />同じ感想を持つ人なら、ソウルメイトくらいの奇跡に思える。<br /><br />書評と言うと上から目線っぽいけど<br />自分が楽しいからやってるだけなんだよねぇ。<br />本を読んで、(・∀・)イイ!!とか(´ε`;)ウーン…とか思うのに<br />何故自分がそう感じたかが分かると、二度楽しい。<br /><br />なのでただ好き嫌いだけでなく<br />ブログでは理由を書くように心がけてるつもりなんだが<br />見た感じ、ただの小五月蠅い人っぽい。(苦笑)
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夜行観覧車

夜行観覧車湊 かなえ/双葉社 by G-Tools湊さんの「告白」を読んだときは母の愛情と言うギリギリ最低ラインの倫理と子供の無責任さのギリギリ許容ラインが絶妙で、何より六面体をそれぞれの面を1つずつ見せて次章の興味を引き出すチラリズムな運びが上手いと感じた。高級住宅街の中で一番小さい家と揶揄される遠藤家は受験に失敗して以来、乱暴な口を聞く娘と憧れのマイホームを手に入れた事を励みに耐える母とただ大人しい父の三... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575515523/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51K7OKuWiyL._SL160_.jpg" border="0" alt="夜行観覧車 (双葉文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575515523/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">夜行観覧車</a><br />湊 かなえ/双葉社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />湊さんの「告白」を読んだときは<br />母の愛情と言うギリギリ最低ラインの倫理と<br />子供の無責任さのギリギリ許容ラインが絶妙で、<br />何より六面体をそれぞれの面を1つずつ見せて<br />次章の興味を引き出すチラリズムな運びが上手いと感じた。<br /><br />高級住宅街の中で一番小さい家と揶揄される遠藤家は<br />受験に失敗して以来、乱暴な口を聞く娘と<br />憧れのマイホームを手に入れた事を励みに耐える母と<br />ただ大人しい父の三人家族。<br /><br />向かいの高橋家は、洒落たデザインの家に<br />有名私立女子中学に通う姉と<br />進学校に通うスポーツマンでイケメンの弟、<br />家庭的な母と医者の父の他に<br />関西に暮らしている医大生の兄という五人家族。<br /><br />ありがちな家族と、理想を絵にかいたような家族。<br />そして遠藤家の隣人・さと子が、ちらちらと両家をうかがっている。<br /><br />ある日、喧噪の絶えない遠藤家でなく<br />高橋家の父親が、頭から血を流して救急車で運ばれるという事件が起こる。<br />口論の末に撲殺したという母親の自白に<br />3つの家の視点から事件の真相に迫るという流れだ。<br /><br />ううん、何と言うのだろう。<br />今回は「告白」にあったような「正誤の境界線」を問うものではなく <br />「人の駄目さの加減のデッドライン」を見ている印象があった。<br /><br />保身のために事無かれな選択をしてしまうことや<br />ふと他人に対して生まれる嫌悪は<br />恐らく全ての人間が経験する「悪意」である。<br />たとえば遠藤家の娘の高慢さは「悪事」ではあるが<br />思春期と家庭内と言う条件下なら、許容範囲内の悪意とも取れる。<br /><br />それを見過ごした母親と、関わりたくなかった父親。<br />どこか遠藤家を見下していた高橋家の子供たち。<br />それらを監視することを自分に課していた隣人。<br />その「悪意と悪事のギリギリさ」はよく描かれていると思うのだが<br />いずれにも高尚な正義が見当たらず<br />「伏線」というよりは「野次馬根性」で話を追ったようで<br />どうにもスッキリしない読後感が残った。<br /><br />まあいちいちヒット作と比べてはいけないのだが<br />あのギリギリさの均衡が見事だっただけに<br />ちょっと糸が撓(たわ)んだようで残念だった。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />毎週決まった時間にテレビ見る習慣がないので<br />これがテレビドラマになってるのも全然知らんかった。<br />(たった今、帯見て気が付いた)<br /><br />えー、でもコレあんまりドラマに向かないんじゃないかなあ。<br />それぞれの家族の視点だけじゃ話がたるんじゃうし<br />絵面的に見せ場ってのが微妙に無くね?<br />と思ったら、少々ストーリーに手を加えてあるんだな。<br />オリジナルで刑事役が出てくるようなので<br />「謎を解く」ように話を持ってくカンジなんかねえ。<br /><br />でもそうすると湊さんの小説の持ち味と関係なく<br />ただのサスペンスドラマになる気がすんだけど…。
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銀の匙

銀の匙中 勘助/岩波書店 by G-Toolsなにも漫画の方の新刊発売になった翌日にこれを選ばなくてもよかろうに。(笑)無論、荒川さんの「銀の匙」も購入済みであるが。本読みなら、大抵の人間がその名を知っているだろう。夏目漱石にその文才を見い出されてデビュー作となった「銀の匙」は今も岩波文庫のベストセラーとして読み継がれている。これを最初に読んだ時は正直なところ、魅力がよく理解できなかった。まぁその頃は今より文... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003105117/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5136JR5RNSL._SL160_.jpg" border="0" alt="銀の匙 (岩波文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003105117/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">銀の匙</a><br />中 勘助/岩波書店<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />なにも漫画の方の新刊発売になった翌日に<br />これを選ばなくてもよかろうに。(笑)<br />無論、荒川さんの「銀の匙」も購入済みであるが。<br /><br />本読みなら、大抵の人間がその名を知っているだろう。<br />夏目漱石にその文才を見い出されてデビュー作となった「銀の匙」は<br />今も岩波文庫のベストセラーとして読み継がれている。<br /><br />これを最初に読んだ時は<br />正直なところ、魅力がよく理解できなかった。<br />まぁその頃は今より文章経験値が低く<br />ストーリーという部分しか重視できなかったのが原因で<br />後に再読して、成程と納得したのだが。<br /><br />本作は「私」が主人公の一人称視点で<br />母の産後の肥立ちが悪く、伯母に育てられた幼児時代と<br />その影響を受けた少年時代の前後の二編から成る。<br />中勘助の自伝的小説ともいわれるが<br />ただの自伝ではなく、虚弱で知恵の発達も遅れ<br />人見知りの激しい神経質な子供から見た世界が<br />非常に繊細に描写されているのが、漱石に評価されたと言われる。<br /><br />確かに、面白い文章だ。<br />こむつかしい漢字があるかと思うと<br />やたら平仮名や子供っぽい語彙が使われている文章全体が<br />この「私」の性格を見事に表している。<br />ストーリー構成はあまり無く、随筆にも近い印象だが<br />無秩序な興味の列挙がまた子供の視点らしく、<br />中勘助の感性と観察力が人並みでないことが感じられる。<br /><br />以降、書評から少々話がそれるかもしれない。<br /><br />彼の別面を知るのに、本人著の「夏目先生と私」と「犬」<br />富岡多恵子著「中勘助の恋」がある。<br />(※本当はこちらを書きたかったのだが、手元に無い)<br />「銀の匙」の印象で読むと、相当驚かされる。<br /><br />要は二面性とロリータの気がうにゅうにゅと言うワケだが<br />この確固たる偏執(?)の上に、繊細な子供視点があったのかもしれない。<br />別にそんな闇の扉を開けなくても楽しめるのだが(笑)<br />自分はむしろそれを知って再読し<br />中勘助が非凡な才の持ち主だと納得できた気がしたので。<br /><br />漱石の慧眼とも言える本作だが<br />ふと、難しい性格であったと言われる漱石だからこそ<br />「私」の描写の繊細さに気付いたのではないかとも思う。<br />同時に、中勘助という個人の理解者でもあったのではないか。<br /><br />そう考えると、中勘助の自伝要素に<br />漱石の人間臭さもそこにあるような気がして<br />明治文学の面白さを垣間見るような心地がするのだ。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />漫画の方の「銀の匙」新刊もよかった!<br />またまた魅力的な新キャラ登場で、ますます面白い。<br />でも女性キャラはダントツでタマコ推し。<br /><br />アニメになるそうで、こちらも楽しみ!
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かずら野

かずら野乙川 優三郎/新潮社 by G-Tools桑の葉が透けて若葉のように見える陽の濃さであった冒頭文である。この一文に、目が潰れそうなほどの強い陽射しと鮮やかに濃い天空と湧き上がる白い雲が、瞼に映る。乙川氏の文章は、なんと言ってもこの繊細さだ。雨に濡れそぼつ草木の重み 温い水の透明度落葉が地に触れる微かな音 空気の静かさ氏の作品を読んでいるとそんな気配の無さまでもが凛と感じられるようで騒がしい外界と遮断さ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101192227/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/514ZHVQ775L._SL160_.jpg" border="0" alt="かずら野 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101192227/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">かずら野</a><br />乙川 優三郎/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><blockquote><p>桑の葉が透けて<br />若葉のように見える陽の濃さであった</p></blockquote><br /><br />冒頭文である。<br />この一文に、目が潰れそうなほどの強い陽射しと<br />鮮やかに濃い天空と湧き上がる白い雲が、瞼に映る。<br /><br />乙川氏の文章は、なんと言ってもこの繊細さだ。<br />雨に濡れそぼつ草木の重み 温い水の透明度<br />落葉が地に触れる微かな音 空気の静かさ<br />氏の作品を読んでいると<br />そんな気配の無さまでもが凛と感じられるようで<br />騒がしい外界と遮断されたかのように美しい。<br /><br />窮乏した武家に生まれた菊子は<br />知らされずして、商家の主人に妾として身を売られる。<br />絶望した菊子の目の前で、主人は絶命する。<br />跡取り息子・富治の手によって。<br /><br />富治と共に故郷を捨て、流されるように夫婦となる。<br />その地で生きていこうとする菊子の決意も虚しく<br />堪え性のない富治の為に、またその地を追われる。<br /><br />橋田寿賀子のドラマのように続く不幸の輪廻に<br />もうやめて!菊子のライフはもう0よ!<br />と叫びつつ、繊細な文章で綴られる寂寥感にもほうとなる。<br />容赦ない程の人の弱さと生の美しさ。<br />だが、これこそが乙川氏が描く世界の醍醐味なのである。<br /><br />心に残る作品とは、イコール心を揺すぶられた作品であろう。<br />それは笑いであったり涙であったりと様々だが<br />爽やかな読後感を生むハッピーエンドより<br />不幸な結末は存外、印象に刻まれてしまうのではないかと思う。<br />「心残り」と言った方が正しいかもしれない。<br /><br />だが勿論、不幸なだけでは読後感が悪いだけで<br />むしろ以降は手に取りたくなくなってしまう。<br />隠し味が一匙あってこそ、「また読みたい」と思えるのだ。<br /><br />流浪するその運命が行きついた場所で<br />菊子が吐き出した言葉の意味は、読者には計り知れない。<br />だがそれは確かに、小さな「心残り」を胸に生む。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />著書もそれなりに持っているので<br />以前から一冊書こうと思ってはいたのだが<br />すべてが美しい文章と心に刻まれるラスト過ぎて<br />「どれが一番」というのが決め難い。<br /><br />自分が一時にハマって続けて読んでしまった所為かもしれないが<br />「どれもいい」とも言えるし、「どれでもいい」とも言えるのだ。<br />その中で比較的記憶にあったので、今回の「かずら野」か<br />「喜知次」か「五年の梅」にするかで迷った。<br /><br />平均値が高いのが氏の文章の欠点と言えば欠点かもしれないので<br />大人買いをしてまとめて読むよりも、<br />味わいを深める為、間をおいて読む方がオススメである。<br />
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公開処刑人 森のくまさん【ネタバレ少々】

公開処刑人 森のくまさん堀内 公太郎/宝島社by G-Tools2012年の「このミステリーがすごい!大賞」の隠し玉作品。 そもそも「このミス」受賞作品を読んでないのに なぜ裏道から入るかな、自分。 童謡になぞらえたタイトルと 血糊さえ無ければ絵本にもなりそうな表紙。 帯文句は「童謡を歌いながらアイツがやってくる!」。 いかにも意外性を狙ってますという宣言が潔かったので購入。 さて本筋。 買春・レイプ・ストーカー・いじめ... <table cellpadding="5" border="0"><tbody><tr><td valign="top"><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800200768/haruhon-22/ref=nosim/"><img border="0" alt="公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ciovsAxpL._SL160_.jpg" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800200768/haruhon-22/ref=nosim/">公開処刑人 森のくまさん</a><br/>堀内 公太郎/宝島社<br/><br/><br/><br/><br/><br/><br/><font size="-2">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a></font></font></td></tr></tbody></table><br /><br />2012年の「このミステリーがすごい!大賞」の隠し玉作品。 <br />そもそも「このミス」受賞作品を読んでないのに <br />なぜ裏道から入るかな、自分。 <br /><br />童謡になぞらえたタイトルと <br />血糊さえ無ければ絵本にもなりそうな表紙。 <br />帯文句は「童謡を歌いながらアイツがやってくる!」。 <br />いかにも意外性を狙ってますという宣言が潔かったので購入。 <br /><br />さて本筋。 <br />買春・レイプ・ストーカー・いじめ・たかりなど <br />公にはされない事件や悪人を処刑する「森のくまさん」。 <br />某掲示板に実名と共に晒された告発に <br />処刑を終えた「お知らせ」を書き込むという大胆不敵さに <br />ネットでは「神」ともいえる存在だ。 <br /><br />なんだろう。 <br />うっすらオチが見えた気がしたが、幻覚か。 <br /><br />無論、警察の面目は丸潰れだ。 <br />捜査1課の健介の疲れた様子を、恋人・ひよりも心配している <br />健介の妹・菜々美の恋人・正則はT大生で <br />将来警察官僚になる夢があり、健介に憧れている。 <br /><br />一方、いじめから自殺を図る少女に、ある存在が語りかける。<br />「そいつを殺してやればいい」<br />「たとえ法律を犯そうとも、それが世の中の為になるなら<br /> 喜んで汚れ役になる」<br /><br />「森のくまさん」が某少年漫画の<br />ノートに悪人の名前を書き込む人と完全一致している事といい<br />本当に歌いながら処刑する無駄に高いエンターテイメント技術も<br />掲示板にクソ野郎だクソ判決だと書き込むお茶目さも<br />ハッキリ言って、品がない。<br /><br />悪人には、悪人の品格が必要だ。<br />出てきた瞬間のされることが決定しているチンピラレベルから<br />時には主人公を圧倒するほどの<br />完璧な知性を備えた大物でなければならない事もある。<br />正直「森のくまさん」は出てきた時から<br />最後に悪事が露見して、中二を開花させるタイプだなと<br />と思いつつ読んでいたので、ある意味裏切られなかったのだが。<br /><br />読みやすいかどうかで言えば、読みやすい作品だった。<br />伏線を回収し、引き付けたものと違う結末を出すことを<br />ミステリーのセオリーと言うのなら<br />多分ほぼクリアしているのではないかと思われる。<br />が、意外性を看板にしたタイトルに比べ<br />登場人物達の魅力が負けているように感じた。<br /><br />まあタイトルにどんな期待するかはそれぞれなので<br />あくまで勝手な自分主観なのだが<br />意外性に意外性を重ねると、実はフツーになるのかも知れない。<br /><br />個人評価:★★<br /><hr size="1" /><br />「森のくまさん」はアメリカの童謡で<br />現在知られているのは、内容も大幅に変えて和訳されたものである。<br /><br />日本では逃げろと言う割に追いかけてきて<br />イヤリングを落としたドジっ娘と一緒に歌うという<br />なんだかよく分からない世界になっているが<br />原曲ではちゃんとクマに襲われて逃げているのだ。<br />ちゃんと現実見ろ、日本人。(笑)<br /><br />小さい頃、熊の生々しい特番を見た所為で<br />自分の中では熊はまごうことなき猛獣であり<br />プーさんやりらっくまですら油断できない存在だ。<br />いや、中の人はオッサンらしいけど。<br /><br />なのに北海道でクマ牧場に行ったとき、<br />あまりにサービス精神旺盛でフレンドリーな熊達に<br />その信念が崩れそうになった。<br />だってそんな両手ぶんぶん振られたら<br />餌とか無我夢中で買い与えちまうじゃないか馬鹿ぁ!!<br /><br />アイツらも絶対後ろにチャックついてる。(震え声)
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閉鎖病棟 ほか

閉鎖病棟帚木 蓬生/新潮社 by G-Tools昨日の国銅で、帚木氏の読みを間違えていた。(※訂正済)よくよく読まずに出勤してしまい、帰宅してから気が付いたのだがわざわざカッコ付で違う読み方を書いていた。馬鹿過ぎる。正しくは、ははきぎ・ほうせい氏だ。著名とはいえ、名前を間違うとは失礼なことをしてしまったので今日も氏の著作のご紹介をする。自分が持っているのはほぼ医療小説で偏っているのだが「閉鎖病棟」「安楽病棟」... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101288070/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/515YVMB0NXL._SL160_.jpg" border="0" alt="閉鎖病棟 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101288070/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">閉鎖病棟</a><br />帚木 蓬生/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />昨日の<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-91.html" target="_blank" title="国銅">国銅</a>で、帚木氏の読みを間違えていた。(※訂正済)<br />よくよく読まずに出勤してしまい、帰宅してから気が付いたのだが<br />わざわざカッコ付で違う読み方を書いていた。馬鹿過ぎる。<br /><br />正しくは、ははきぎ・ほうせい氏だ。<br />著名とはいえ、名前を間違うとは失礼なことをしてしまったので<br />今日も氏の著作のご紹介をする。<br /><br />自分が持っているのはほぼ医療小説で偏っているのだが<br />「閉鎖病棟」「安楽病棟」「風化病棟」「臓器農場」がある。<br />それぞれ医師ならではの視点で問題提起がなされていながら<br />ストーリーも十分に読みごたえがある。<br /><br />「閉鎖病棟」はタイトルとは逆に、精神病院の開放病棟の話だ。<br />要は自由な外出や面会が許されているか否かの違いだが<br />最初に3人の人間の話が別々に冒頭としてあり<br />数年後、開放病棟に居るという流れになっている。<br /><br />主役は、そのいずれでもないチュウさんと呼ばれる患者で<br />比較的不自由なく、外出もしながら病院生活を送っている。<br />チュウさんは恐らく、一般社会の秩序と<br />患者達の秩序の両方の世界を見ることが出来るのだろう。<br />内側から見たその世界は、読み手にも伝わってくるような気がする。<br /><br />「安楽病棟」は痴呆病棟であり<br />やはりこれも冒頭が入院する患者数人の話からはじまり<br />主役は看護師の女性となっている。<br />その日常と死を通して、「尊厳死」を扱った作品となっている。<br />「風化病棟」は医師という素材そのものの短編集で<br />「臓器農場」は、少々医療ホラー要素を持ったミステリー作品である。<br /><br />この「閉鎖病棟」のタイトルで思い出したのだが<br />随分前に、何処かの遊園地のアトラクションで<br />ホラーの意味で用いたことが問題となり<br />アトラクション名を変更したというニュースを読んだ覚えがある。<br /><br />が確かに病院と言う場所は、治療の場だと理解していながら<br />何やら怪奇の温床のようなイメージも持ち合わせている。<br />そういう意味では、「臓器農場」は<br />氏が世間の期待に応えた作品と言えるかも知れないが<br />あくまでホラー要素は病院側にあり、患者や病にあるのではない。<br /><br />すべての作品を通して帚木氏は<br />患者や病を否定もしない代わりに、肯定もしない。<br />ただこういう日常があるのだと、淡々と有りのままを綴っている。<br /><br />外科・内科・小児科・産婦人科・神経科と<br />それぞれの医師が持つ矜持や願いは違うだろう。<br />関係者ではないので憶測だが<br />精神科が抱える一つに、偏見や差別の壁があるのではないだろうか。<br /><br />それは、どうしても生まれるだろうと思う。<br />患者には患者の秩序があり<br />それを乱した側が悪だとされるシステムを理解していなければ<br />ただ恐怖の対象と映ってしまう。<br />先のニュース記事は、そのような偏見の一片とも見れる。<br /><br />作品は、倫理的な正しさを強要する訳ではない。<br />だがそんな描写だからこそ<br />「正しく知って欲しい」とそう語っているような気がした。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />帯にはいろいろ書いてあるものの(笑)<br />泣けるとかそういう意味での感動は、自分にはなかった。<br />だが確かに、読んだ後にちょっと考えさせられるものが多い。<br /><br />身近なところではやはり痴呆だが<br />本にもあったが、本当に症状の出方というのは千差万別だ。<br />ウチのじーさんは現在進行中なのだが<br />自分は初孫で、一時は会いたい会いたいと言われて<br />顔を見せに行ったら、以来ぷっつりと言わなくなった。<br />満足したのか、なんか違うと思われたのか。(笑)<br /><br />亡くなったばーちゃんは、いろいろと隠す癖があり<br />入れ歯を仏壇にしまったり手紙を冷蔵庫にいれたりしていたが<br />今思えば、なんか秩序があったのだね。きっと。<br /><br />痴呆は「ありがとう」という言葉を奪うとあった。<br />それは妙に、心の中に引っ掛かった。<br />「ありがとう」はマジックワードだとも言うが<br />何度聞いても不快ではないという意味だけではなく<br />聞こえないと闇を生む言葉でもあるのかもしれないね。<br />
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国銅 上・下

国銅〈上〉帚木 蓬生/新潮社 by G-Tools帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)氏と読む。現役精神科医の小説というのに興味を惹かれ「閉鎖病棟」を購読したのが、氏の本を読んだ最初だと思う。自分が門外漢だからかもしれないが医療小説は専門知識臭さというか、ハッキリ言うとインテリっぽさが味だと思っていたのだが氏の小説は、普通に娯楽小説として楽しめた。無論、舞台が精神病院という特殊な場所で医師としての経験が素地にあるか... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410128816X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51MHDSN6GNL._SL160_.jpg" border="0" alt="国銅〈上〉 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410128816X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">国銅〈上〉</a><br />帚木 蓬生/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)氏と読む。<br />現役精神科医の小説というのに興味を惹かれ<br />「閉鎖病棟」を購読したのが、氏の本を読んだ最初だと思う。<br /><br />自分が門外漢だからかもしれないが<br />医療小説は専門知識臭さというか、ハッキリ言うと<br />インテリっぽさが味だと思っていたのだが<br />氏の小説は、普通に娯楽小説として楽しめた。<br />無論、舞台が精神病院という特殊な場所で<br />医師としての経験が素地にあるからだとしても<br />ストーリー構成も十分に面白かった。<br /><br />医師で医療小説を書いた人は他にもいる。<br />が、歴史小説を書かれた人は、珍しいのではないだろうか。<br /><br />頃は奈良の大仏造立が発布された時代<br />有数の銅産出国であった長門(※今の山口県あたり)で<br />人足として役についていた国人(くにと)という男の物語だ。<br />役とは、税金として一定期間力仕事に従事することを言う。<br /><br />最初は「掘場」という石を切り出す役についていた国人は<br />死んだ兄の代わりに石を熱加工する「釜場」へと移り、<br />更にたたらを踏む「吹場」へと抜擢される。<br />一方、村には岩壁に仏を掘る僧がおり<br />国人に彼から文字と薬草の知識、そして行基上人の存在を教えられる。<br /><br />苦役や大仏造立に駆り出された人足達は、他にもあったろう。<br />だがその多くは恐らく、重労働に耐えるだけで<br />自分が何をしているかも分からぬ分業の一端であったに違いない。<br />だが国人だけは、銅が生まれる過程すべてに立ち会い<br />その意味を知って携わっているのだ。<br /><br />大仏造立の詔に、長門から15人の人足が都へと連れていかれる。<br />だがそれはまさに「連れていかれる」だけで<br />復路はただ放り出されるだけのものだった。<br />再び長門の地を踏むまではと、国人は大仏を見上げる。<br />今は都の何処からでも見られる大仏の姿は<br />同時に建立されている仏殿に、やがて覆い隠されてしまうのだ。<br /><br />個人的に銅の産出にも興味があったので<br />歴史小説としても楽しく読めたのだが<br />医師が描いた小説と言う点でも興味深いものがあった。<br />薬草と言うアイテムが出てくるものの<br />国人の周囲の人間たちは、呆気ないほどに多く死んでいく。<br /><br />それは確かに史実に近いのであろうし<br />むしろ医療という現場にいるに人間だからこそ<br />奇跡という手段を軽々しく扱えないのかもしれないとも感じた。<br /><br />大仏という素材を扱いながらも、仏教臭さは薄い。<br />その分、銅をはじめとした民衆の生活が生き生きとして見える。<br />特に食べ物の描写が、無駄に旨そうである。(笑)<br />贅沢ではないが、自然と共に在ったその時代がよく感じられる。<br /><br />今でこそ気軽な観光名所にもなっている奈良の大仏だが<br />当時、仏教は貴族のステイタスのようなものであり<br />民衆には何処か現実感のない、幻に近いものでもあった。<br />その温度差が、仏教臭さの薄さからも伝わってくる。<br /><br />歴史と言う浪漫として、もう少し夢があってもいい気がしなくもないが(笑)<br />これはこれで面白いアプローチだと思う。<br />何より、1つの時代を書ききるというのは偉業である。<br /><br />更に帚木氏は戦争ものや、絵本の原作も手掛けているらしい。<br />なんとも引き出しの多い方である。<br />こちらもいずれ読んでみたいものだ。<br /><br />個人評価:★★★★
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増補新版 霊柩車の誕生

増補新版 霊柩車の誕生 井上章一/朝日新聞出版 by G-Tools旧年中、何かの番組で霊柩車の特集(?)があり日本でも限られたメーカーが作る特注品で地域によってデザインが違うと言うようなことをやっていた。その絢爛豪華な内装なども紹介されており外側はともかく、内側は誰が見るんだろうと不思議に思いつつ結局最後まで見てしまった。(笑)なかなか奥深い世界なのだなと思っていたところ本屋でこれを見つけて、即買いしてしま... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022617470/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JMpehpt1L._SL160_.jpg" border="0" alt="増補新版 霊柩車の誕生 (朝日文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022617470/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">増補新版 霊柩車の誕生 </a><br />井上章一/朝日新聞出版<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />旧年中、何かの番組で霊柩車の特集(?)があり<br />日本でも限られたメーカーが作る特注品で<br />地域によってデザインが違うと言うようなことをやっていた。<br /><br />その絢爛豪華な内装なども紹介されており<br />外側はともかく、内側は誰が見るんだろうと不思議に思いつつ<br />結局最後まで見てしまった。(笑)<br />なかなか奥深い世界なのだなと思っていたところ<br />本屋でこれを見つけて、即買いしてしまった。<br /><br />実家が葬祭を重要視する地方にあったので<br />小さい頃は、霊柩車が家に横付けされる葬式も記憶にある。<br />が、そう言えば最近はトンと見ていない。<br />東京に来たからかと思っていたが、そうではないらしい。<br /><br />本書は霊柩車なぜあのような形をしているかと言う疑問を<br />葬儀の歴史と共に紐解こうと言うものだ。<br /><br />最初の章では、霊柩車のデザインに関して述べている。<br />例の屋根のついたそれを「宮型霊柩車」と呼ぶのだが<br />神社仏閣などの和風建築が由来しており<br />「平安宮型」「平等院鳳凰堂型」「陽明門」などがあるらしい。<br /><br />その細かい違いに関しては説明がなく<br />検索もかけてみたが、ほとんど情報が得られない。<br />だが葬儀屋のサイトを巡っている時点で<br />思いの他テンションが高くなっている自分がいる。<br /><br />さて、ここからが本題である。<br />霊柩車の歴史など、今まで考えたことも無かったが<br />よくよく考えれば車と言う時点で、比較的新しい文化である筈だ。<br />確かに霊柩車が世に出たのは大正時代なのだが<br />そこに至るまでの経緯を辿ると、なんと江戸時代が背景になっている。<br /><br />江戸時代は身分制度と言う抑止があり<br />葬儀はひっそりしたものでなくてはならなかった。<br />これが維新への世で、葬儀を一転させることになる。<br />なんとこれが、廃止された大名行列とも関連があるのだが<br />自分が思わず膝を打ったとだけお伝えしておく。<br /><br />そうして時代は大正へと変わり<br />近代化と世界大戦の中にある日本から、葬儀の様式はまた一新する。<br />霊柩車が誕生したのは、この時だ。<br />あの豪奢な車がこの世に出た理由は、派手さ故ではない。<br />なんと経費削減の為と知り、思わず胸が震えた。<br />我が生涯で霊柩車で歓喜したのは、実にこれが初めてだ。<br /><br />正直、霊柩車のあの独特な存在感には<br />伝統よりはけばけばしさを感じ得ないでいたが<br />これを読んだ今、奇妙な愛着すら湧いている。<br />今はその数も減少しつつあると聞くと<br />何か居ても立っても居られないような狂おしさすらある。<br />これは恋か。否、変か。<br /><br />これを読めば貴方も、街中で霊柩車を見かけたら<br />「ああ、神宮寺宮型四方破風大龍造りだね」などと<br />爽やかに微笑むことが出来るだろう。<br />周囲に崇拝されるか、ドン引きされるかは不明だが。<br /><br />余りに面白かったので、書評が長くなってしまった。(笑)<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />宮型霊柩車についていろいろ調べてみたら(人生初検索)<br />車自体の値段としては、1000~2000万程かかるらしい。<br />なので手配料金も、それなりにする。<br /><br />よくある黒塗り金ピカの仏壇のようなものと<br />白木で作られたシンプルタイプがあり、後者の方が高い。<br />基本料金+距離計算が一般的のようだが<br />そもそも遺体を運搬すること自体に法律があり<br />特殊車両でなければ違反と言う形になるらしい。<br />葬儀料金はただ無駄に高いだけではないのだな。ふむ。<br /><br />そうそう!葬式に鳩を飛ばす風習があったと書いていたが<br />見たよ!確かに小さい頃1回だけ見た!<br />鳩が衝撃過ぎて、誰の葬式か覚えてないけど見た!<br />すごい驚いたので、田舎でも珍しかったんだろうな。<br /><br />本に出てきた長谷川幸延氏の「冠婚葬祭」が読みたいが<br />アマゾンで検索しても出てこない。<br />絶版になっているのだろうか?<br /><br />なんだこの滾る葬儀熱は。(笑)
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神様のカルテ2

神様のカルテ2夏川 草介/小学館 by G-Tools1を含めてざっと内容説明。内科医・栗原一止(いちと)の一人称視点で進められる医療人間ドラマ。その妙な口調は、夏目漱石を敬愛するが故らしい。1日24時間・365日対応の本庄病院でその理念を掲げる大狸先生や古狐先生や(※あだ名)学生時代からの腐れ縁である外科医・砂山、そして細君と呼ぶ愛らしい妻・ハルと共に栗原は過酷な日々に奔走し、また立ち止まりながら、確実に歩いていく... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094087869/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51CC6jAhAIL._SL160_.jpg" border="0" alt="神様のカルテ2 (小学館文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094087869/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">神様のカルテ2</a><br />夏川 草介/小学館<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />1を含めてざっと内容説明。<br />内科医・栗原一止(いちと)の一人称視点で進められる医療人間ドラマ。<br />その妙な口調は、夏目漱石を敬愛するが故らしい。<br /><br />1日24時間・365日対応の本庄病院で<br />その理念を掲げる大狸先生や古狐先生や(※あだ名)<br />学生時代からの腐れ縁である外科医・砂山、<br />そして細君と呼ぶ愛らしい妻・ハルと共に<br />栗原は過酷な日々に奔走し、また立ち止まりながら、確実に歩いていく。<br /><br />1はこの設定と登場人物の紹介、そして<br />栗原に地方病院から大学病院へ行く話が持ち上がるも<br />研究よりも現場を選ぶという話になっている。<br /><br />2では学生時代の友人・血液内科の進藤が赴任してくる。<br />が昔と違い、進藤の本庄病院での評判はすこぶる悪い。<br />必要以上の勤務をしようとしないのだ。<br />「医師だからと、激務を強いられる生活は人間らしくない」と。<br />そんな慢性の医師不足の状況の中、古狐先生が倒れるのだが…。<br /><br />この作品は、評価がまっぷたつに分かれるらしい。<br />自分としては、映画化されたことも一因ではないかと考える。<br /><br />そちらは見ていないので、本当に勝手な想像なのだが<br />人気タレントと女優の配役というのは<br />本読みからすると、作品の世界観が二の次にされる印象があり<br />違うところで賞賛が独り歩きしている気がしてしまう。<br /><br />映画ファンの方には違う意見もあろうが<br />少なくとも話題になる分、本読みからの評価が厳しくなるという<br />現実はあるような気がする。<br />無意識に自分も、辛め視点になっているのかもしれないと<br />意識しながら書こうと思う。(笑)<br /><br />実を言えば、2つだけ不満がある。<br /><br />1つは漱石風の口調と、カラフルでポップな現代的表紙絵。<br />これは出版社側も少し考えればいいのにと思ってしまった。<br />どうしたって、森見登美彦氏を彷彿とさせてしまう。<br />いかにも「ツッコんでください」的な親切設計にしなくていいのに。(笑)<br /><br />2つ目は文体。<br />漱石の模倣と言われると、それらしい旧漢字が物足りない。<br />勿論出版規約もあるのだろうし<br />話題書籍というのは、普段読まない人が本を読むいい機会なので<br />読みやすさが大事なのは、頭では理解しているのだが。<br /><br />この2点を除いては、悪い作品だとは思わない。<br />医療小説ではなく、人間ドラマを書かれているのだと思うので<br />「不幸中の幸い」ならぬ<br />「どん底の不幸中のちょっと出来過ぎた幸い」を書くのは<br />小説として間違っていないし、十分に伝えられている。<br />遠まわしに嫌味を言っているのではなく(笑)、そう思うのだ。<br /><br />身内に、癌治療を受けた者がいる。<br />発病して化学療法を受けたものの、再発して二度目の治療を受けた。<br />本人曰く、「もう次は頑張りたくない」と思える辛さであったと言う。<br /><br />正直なところ、患者は自分や身内の為に「頑張る」のだ。<br />だが医者は、患者の為に頑張らなくてはならない。<br />命に係わる大病でもしない限り<br />患者は医者に「感謝する」ことは、実は少ないのではないかと思う。<br />自分も今は歯医者くらいしか行っていないが<br />診療後の礼は挨拶であって、感謝ではない気がする。<br /><br />この本のように、医師達に心から感謝する人がいるのだと、<br />また栗原が患者に謝意を強いているわけでなく<br />同僚や身内の何気ない励ましを糧に<br />過酷な労働を受け入れているのかもしれないと思えば<br />次から心を込めて礼を述べてみようという気にもなると言うものだ。<br /><br />それは理想かもしれない。<br />だが理想無くして、希望は持てない。<br />人間ドラマの温度微調整くらいはアリであろう。<br /><br />だがやはり実写化は、安易にやらないで欲しいと思うが。(苦笑)<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />昨日、ワンピースの映画をみてきた。<br />どうしようかと思ったが、やっぱり千巻欲しかったので。(笑)<br /><br />千巻は0巻と違い、設定画集のみ。<br />「あくまで子供が楽しむ映画なので」という走り書きに感動したが<br />よく考えたら、なら何故にブランド服と提携してあるのか…。<br /><br />大人の世界って。
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球体の蛇

球体の蛇道尾 秀介/角川書店 by G-Tools前作「光媒の花」を読んだ時も、おやと思った。(※文庫しか買わないので、出版順が異なるかもしれない)道尾氏の作風が、少々変わってきているようだ。ここで道尾氏作品を紹介したのは向日葵の咲かない夏のみだが最初にこれで悔しいくらい騙されてしまい(笑)以降に出た文庫本は一応揃えている。が、ミステリーとして追いかけていたのではなく文章が肌に合ったとでも言うべきか。「読み易... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041006198/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Zxq4-BMKL._SL160_.jpg" border="0" alt="球体の蛇 (角川文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041006198/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">球体の蛇</a><br />道尾 秀介/角川書店<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />前作「光媒の花」を読んだ時も、おやと思った。<br />(※文庫しか買わないので、出版順が異なるかもしれない)<br />道尾氏の作風が、少々変わってきているようだ。<br /><br />ここで道尾氏作品を紹介したのは<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-41.html" target="_blank" title="向日葵の咲かない夏">向日葵の咲かない夏</a>のみだが<br />最初にこれで悔しいくらい騙されてしまい(笑)<br />以降に出た文庫本は一応揃えている。<br /><br />が、ミステリーとして追いかけていたのではなく<br />文章が肌に合ったとでも言うべきか。<br />「読み易さ」と言うのとは少し違う。<br />妙な言い方かもしれないが、「読んでいて邪魔なものが無い」のだ。<br /><br />物凄くどうでもいい余談をするが、<br />「!」(感嘆符)がどうにも気になる作家さんがいる。<br />会話ならまだしも地文に沢山並んでいると<br />そのテンションを読みながら、自分のテンションが下がるのが分かる。<br /><br />他にも設定を確認するのに前ページを読み返したり<br />表現が単調で何となく読み流したり<br />逆に考え込んでふと読むのが止まるというのも含め<br />読書スピードを阻むものがたまにある。<br />まあそれは自発的なもので、快でも不快でも無いのだが<br />道尾氏は気が付くと、もうページ終盤になっている事がよくある。<br /><br />時に薄気味悪いシーンや緊迫感のある場面は<br />無駄のない描写のお蔭で一気に読めるので、面白さも2倍になる。<br />余談が長くなったが、そんな訳で<br />道尾作品は「肌に合う」ように感じていた。<br /><br />それが前作から、ちょっと目を留めてしまうようになった。<br />表現が美しいのだ。<br />余韻を含む語彙が多くなったとでも言うのだろうか。<br />それは無論良い事なのだが<br />今まで一気に読んできただけに、それは非常な変化として映った。<br /><br />本文に話を移そう。<br />17歳のトモは両親の離婚以来、<br />幼馴染のナオの父子家庭に居候している。<br />母親と姉のサヨは、7年前にある事故で亡くなった。<br /><br />そうして、少しばかりサヨに顔立ちの似た智子と知り合う。<br />智子に惹かれるが故に、トモは小さな嘘を吐く。<br />だがその嘘がまた、他の些細な嘘を呼ぶ。<br />「嘘」と「真実」の連鎖は、どんな結末を呼ぶのだろうか?<br /><br />ネタバレしない程度に説明すると、こんな感じか。(笑)<br />だがこれをミステリーと呼ぶには<br />ほったらかしでそのままの伏線が相当に残る。<br />だが今までも、道尾作品は謎を解決することでなく<br />人間というミステリーの謎そのものを描いてきたようにも思う。<br /><br />もとより道尾氏は、「美しくない部分」をも書くことで<br />独自の「ミステリー」を書いてきた。<br />今回を含め、ここ数作品は「醜くも美しい」と言う何かを<br />氏自身が探している途中にあるような印象を受けた。<br /><br />個人評価:★★★<br />
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文庫 銃・病原菌・鉄(下)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下)1万3000年にわたる人類史の謎ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰/草思社 by G-Tools下巻も400ページ程で、2部構成・全8章。「文字」「発明」「国家」言う文化に関してとオーストラリア・中国・アフリカなどの各国の文化の推移を作者の見解で述べている。下巻を読み終えての印象。……えっと、銃と鉄は?(´・ω・`)タイトルから、この三要素が中心に語られると思っていたのだがどうやらこれは抽象的な意味で... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794218796/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Fk5D8n68L._SL160_.jpg" border="0" alt="文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794218796/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">文庫 銃・病原菌・鉄 (下)<br />1万3000年にわたる人類史の謎</a><br />ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰<br />/草思社<br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />下巻も400ページ程で、2部構成・全8章。<br />「文字」「発明」「国家」言う文化に関してと<br />オーストラリア・中国・アフリカなどの各国の文化の推移を<br />作者の見解で述べている。<br /><br />下巻を読み終えての印象。<br />……えっと、銃と鉄は?(´・ω・`)<br />タイトルから、この三要素が中心に語られると思っていたのだが<br />どうやらこれは抽象的な意味であったらしい。<br />この為、ちょっと上巻の内容を含んでしまうのだが<br />ここで作者の理論を改めて簡単にまとめる。<br /><br />7000万年前に、人類の祖が誕生する。<br />人類は糧を求めて移動するという狩猟生活により<br />アフリカから地続きの大陸を経て、やがて北米やポリネシアにも広がる。<br />やがてその中から農耕生活を始めて食糧を備蓄し<br />その地に定住する民族が現れるようになる。<br /><br />定住生活は、文化を生む。<br />農耕具をはじめとする生活用品・家畜から<br />輸送方法や文字を考案し、更には国家というシステムをも作り出す。<br />家畜が「病原菌」を発生させることは、既に上巻の書評で述べた。<br />文明はやがて「鉄」の価値を理解し<br />遠い未来に「銃」の発明へと繋がっていく。<br /><br />著作のテーマは「文明の格差がどうして生まれたか」だが<br />民族の優劣に全く無関係であると、作者が繰り返し述べている。<br />ターニングポイントは、土地に自生する植物や<br />野生動物が農耕や家畜に向いていたか、という点のみだ。<br />つまりは生物・地質・地形・気候などのあらゆる点で<br />ラッキーな民族が「銃・病原菌・鉄」を手にしたに過ぎないのだ。<br /><br />差別問題にも一石を投じた結論には、異論はない。<br />生物地学的見解は非常に面白く、満足した<br />なので以下は、個人的な残念感だと思って聞き流してほしい。<br /><br />タイトルである。<br />最近に<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-80.html" target="_blank" title="尻啖え孫市">尻啖え孫市</a>を読み直した所為かもしれないが(笑)<br />鉄や銃についての詳細を期待していた為<br />概念で終わったことで、少々肩透かしを食らった。<br />まぁそれは勝手に思い込んだ方が悪いのであり<br />本としてはキャッチーでいいタイトルだと言う事なのだが。<br /><br />勝手な妄想だが、やはり氏は<br />実際のプレゼンテーションの方が得意なのではないかと思った<br />シマウマが家畜に出来ない理由など関連話を入れたり<br />テーマやポイントを繰り返すあたり、話術が巧みな印象を受ける。<br />故に文章で読むと、やや冗長に思えなくもない。<br />翻訳本という規制もあるから、日本語の印象という話だが。<br /><br />内容は文句なく素晴らしい。<br />古今東西、シマウマに乗った王子様がいないのは<br />見てくれの所為ではなかったのだと理解した。(見当違い)<br />ただ笑い飯風に言うと「おもてたんとちゃう」ってだけである。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />モノを食べる時によく思うのだが<br />これ最初に食べた人間って、何考えて口に入れたんだろうとか。<br />納豆とか、腐るのがたまたま発酵してできたに違いない。<br />で、もう一回作ってみて腹壊したとか、絶対あったと思う。<br />(※煮豆を藁で保温した際に偶然発酵したという説もある)<br /><br />日本は、どちらかというと食材に恵まれない国だ。<br />だからこそ「食べ物」になったモノは多いと思われる。<br />生魚やタコやイカもそのひとつだろうし<br />ゴボウ食った外人捕虜が戦後の裁判で<br />「木の根を食わされた」と訴えたのも有名な話だ。<br /><br />あと、生海苔食べられるの日本人だけだそうで<br />外人が食ったら消化不良起こすらしい。<br />日本人だけが、長い歳月で消化酵素を持ってるんだとか。<br />もし日本が生物学的に農耕や家畜の豊かな国だったら<br />朝食から海苔も納豆も消えてたのかもしれない。<br />ホント、文化は歴史そのものなのだねぇ。<br /><br />しかし美食の国フランスは、なんで最初にカタツムリ食おうとしたのか…。
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文庫 銃・病原菌・鉄(上)

文庫 銃・病原菌・鉄(上)1万3000年にわたる人類史の謎ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰/草思社 by G-Tools数年前に話題になった本を今更に読む。気にはなっていたものの翻訳本を読むのがどうにも苦手で、手が出せないでいた。上巻を読み終えての印象。なんとも饒舌な文章だ。上巻は400ページほどを、3部構成・全12章に分けてあるのだが海外トピックスによくある「34の方法」「53の方法」に近いものを感じる。自分としては数が小... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794218788/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HrBdJzcOL._SL160_.jpg" border="0" alt="文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794218788/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">文庫 銃・病原菌・鉄(上)<br />1万3000年にわたる人類史の謎</a><br />ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰<br />/草思社<br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />数年前に話題になった本を今更に読む。<br />気にはなっていたものの<br />翻訳本を読むのがどうにも苦手で、手が出せないでいた。<br /><br />上巻を読み終えての印象。<br />なんとも饒舌な文章だ。<br />上巻は400ページほどを、3部構成・全12章に分けてあるのだが<br />海外トピックスによくある「34の方法」「53の方法」に近いものを感じる。<br />自分としては数が小さい方がまとまってる気がするんだが<br />向こうの人は沢山ある方が有益な気がするんだろうか。<br /><br />序文とプロローグが60ページほどあり(饒舌・笑)<br />まずはこの本のテーマが述べてある。<br />いわゆる「白人と現地民」のような格差社会が<br />生まれた理由を歴史的に検証するという<br />なかなかに興味深い切り口から始まる。<br /><br />「銃・病原菌・鉄」というタイトルは<br />白人が植民地を支配せしめた三大要因であるという。<br />面白いのは、「何故」白人がそれらを先に入手したかという視点だ。<br /><br />人類の祖先誕生は、アフリカだとされる。<br />文明の発生には、エジプトやチグリス川流域などがある。<br />なのにその民がそれらに先に到達し<br />白人を支配するという図式にならなかったのか?<br />言われてみれば、確かにそうだ。<br /><br />それを考察するために、時代は1万3000年をさかのぼる。<br />7000万年前にアフリカで人類の祖先が誕生して以来<br />気の遠くなるような時を経て<br />アメリカ大陸にもヒトが住み始めた頃である。<br />ここが「支配と支配されるもの」分岐点だと、著者は語る。<br /><br />ポイントは、農耕である。<br />狩猟民族から農耕民族に変わるという事が<br />文明にどれだけの影響を及ぼすかという作者の理論が<br />ほぼ10章を使って展開されている。<br /><br />話は農耕だけでなく、品種改良や家畜にも及んでいる為<br />全体のまとめ先がちょっと遠いのだが(笑)<br />世界史の冒頭ともいえるこの時代が<br />後世に影響を与えるものだったのかも知れないと考えると<br />改めて目を見張る思いである。<br /><br />面白いと思ったのは、文明が進む速度である。<br />先日<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-84.html" target="_blank" title="洗面器でヤギごはん">洗面器でヤギごはん</a>を紹介した際に<br />南北縦断と西東横断コースが出てきたが、まさにあれだ。<br />文明は西から東へは早く進むが、北から南へは遅くなるのだそうだ。<br />単に気候や地形的な問題なのだが、成程、納得である。<br /><br />他にもポリネシア諸島における実験で(検証というべきか)<br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-71.html" target="_blank" title="国マニア">国マニア</a>で周辺の国々の話が出ていたので<br />島で文明にはっきり差があるという結果が、非常に興味深かった。<br />なんとなく読んだ本が、点と線で繋がるのは楽しい。<br /><br />上巻ではタイトルから「病原菌」について触れている。<br />家畜を飼う事によって発生する病原菌は<br />やがて長い年月を経て、その民族に抗体を作る。<br />植民地でもっとも多くの原住民を殺戮したのは<br />銃でも鉄器でもなく、この「病原菌」なのだ。<br />確かに、文明を手に入れた故の「武器」と言える。<br /><br />本のテーマとしては4・10章を読めば意味は掴める気がするが<br />9章の「家畜に向き不向きの動物」など関連話も面白く<br />内容は非常に読みごたえがある。<br />が、1つの検証にいろんな例示を持ってくるのが<br />分かりやすくもあると同時に、少々冗長な印象が無くもない。<br /><br />取り敢えずは、楽しみに下巻を読もう。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />十二国記の新刊が、夏にいよいよ出るらしい!<br />ってんで新潮社のサイトに行こうとしたら、いっぱいで見れない。<br />みんな待ってたんだねえ…。(シミジミ)<br /><br />ところで「魔性の子」が<br />新潮社版で加筆してあるって知らなかったよ!<br />しかしその為に買うっつーのもなあ…。
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天使の歌声

天使の歌声北川 歩実/東京創元社 by G-Tools本屋で手に取って、最初の数行を読んでみる。なんとなく違和感があって、買わずに家で確認してみるとちゃっかり本棚に同じ本があった。(笑)危なかった。何が危ないって、数行読んだ時点で「持ってる」と確信できないくらいほぼ印象に残っていなかったことだ。何故それだけ記憶になかったのか、確かめるのに再読。6つの推理短編集。話は繋がっていないが、共通しているのは脱サラ後、... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488453023/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51p3tQ7LI2L._SL160_.jpg" border="0" alt="天使の歌声 (創元推理文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488453023/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">天使の歌声</a><br />北川 歩実/東京創元社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />本屋で手に取って、最初の数行を読んでみる。<br />なんとなく違和感があって、買わずに家で確認してみると<br />ちゃっかり本棚に同じ本があった。(笑)<br /><br />危なかった。<br />何が危ないって、数行読んだ時点で「持ってる」と確信できないくらい<br />ほぼ印象に残っていなかったことだ。<br />何故それだけ記憶になかったのか、確かめるのに再読。<br /><br />6つの推理短編集。<br />話は繋がっていないが、共通しているのは<br />脱サラ後、探偵事務所に再就職した嶺原という男が謎解きをする。<br />転職の理由も語られず、キャラの説明もほぼ無い。<br />つまりは探偵小説(キャラありきのストーリーという意味で)ではなく<br />事件自体をメインとする推理小説という事になるのだろうか。<br /><br />デスクワークを主として雇われるも<br />実際は人手不足で調査員も兼ねているいう説明なのだが<br />ガンガン依頼主の元へ出向いている。<br />調査と言っても、証拠集めをしているようなシーンはほぼ皆無で<br />証言を聞いているうちに、するりと確信をつくような形で事件を解決する。<br />出張はしているが、いわゆる安楽椅子探偵に近い。<br /><br />再読して、すっかり忘却していた理由が分かった気がする。<br />有体に言うと、楽しくない。<br />設定やトリックが良くないという意味ではなく<br />なんだか推理小説を読んだ気がしないのである。<br /><br />「絆の向こう側」という臓器移植と家族の関係を書いたそれは<br />ちょっとした医療ミステリーとしてもいける設定だ。<br />更に表題の「天使の歌声」では<br />言葉は喋れないのに自然に近い音を発声する少年が<br />インコを通じてのみ言葉を真似るという不思議な設定が出てくる。<br /><br />が、短編というページ数に収める為なのか<br />それともこの作者の技法なのか<br />登場人物のキャラに関しては何故かほぼ触れられない。<br />ただ証言の中で動いているだけで、印象が薄い。<br />お蔭で短かい話だと言うのに、人物関係が分からなくなってしまう。<br /><br />おまけに証言のみで話が進むので<br />こちらが一緒に推理をするゆとりが与えられない。<br />下手をすると嶺原が依頼主に状況を聞いてる内に、そのまま解決してしまう。<br />オチ自体にはどんでん返しもあるのだが、それも証言によるものなので<br />こちらは本当に「読んでるだけ」なのだ。<br /><br />いやまぁ、読書は確かに受け身であるものなのだが<br />これほど抑揚なく推理小説を読んだのも、ちょっと珍しい。<br />話を覚えていなかった理由は、どうやらこれであったらしい。<br /><br />著作をこれしか読んでいないので評価し難いが<br />気になって調べてみたところ<br />著者が完全な覆面作家で全く情報が無く<br />本の見返しにも略歴は載せられていない。<br />著作にキャラが見えないのは、本人がキャラを隠しているからなのか?(笑)<br /><br />他にも医療ミステリーを含んだ作品があるようで<br />ラインナップはとても気になるのだが<br />次の本を手に取るかはちょっと迷うところ。<br /><br />個人評価:★★<br /><hr size="1" /><br />調べたついでに。<br />覆面作家には覆面作家の理由があるらしい。<br /><br />・実は知名度のある作家であり、既作品から先入観を持たれないため<br />・インパクトを与える為<br />・副業禁止などの社会的都合上、プロフィールが出せない<br />・プライバシーの都合上、プロフィールが出せない<br />・出版社員は規定で自社から原稿料が払われない為の措置<br /><br />などなど、他にもあるようだがこんな感じ。<br />たまたまさっきネットのニュースを見ていたら<br />今回の芥川賞候補に覆面作家さんがいるとか。<br />こういう方々は、授与しても式典は欠席する程の徹底ぶりらしい。<br /><br />人の口に戸は立てられぬと言うが、案外立つもんなんだねえ。<br />まあこちらとしては、本さえ面白ければいいんだけど。<br />
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洗面器でヤギごはん

洗面器でヤギごはん石田 ゆうすけ/幻冬舎 by G-Tools2013年に読みたい本リストから、さっそく一冊読了。帰省前に立ち寄った本屋で、たまたま遭遇。幸先良し。本書は7年半をかけて、自転車で世界縦横断した旅行記だ。アラスカを出発し、そのまま北米から南米を縦断した後ロンドンに飛んでアフリカの喜望峰を目指す。そうしてまたロンドンに戻り、アジア大陸を横断するという思わず溜息が出そうな行程だ。だがこの旅行記が他のそれ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344418867/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41T037XhKoL._SL160_.jpg" border="0" alt="洗面器でヤギごはん (幻冬舎文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344418867/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">洗面器でヤギごはん</a><br />石田 ゆうすけ/幻冬舎<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-81.html" target="_blank" title="2013年に読みたい本リスト">2013年に読みたい本リスト</a>から、さっそく一冊読了。<br />帰省前に立ち寄った本屋で、たまたま遭遇。幸先良し。<br /><br />本書は7年半をかけて、自転車で世界縦横断した旅行記だ。<br />アラスカを出発し、そのまま北米から南米を縦断した後<br />ロンドンに飛んでアフリカの喜望峰を目指す。<br />そうしてまたロンドンに戻り、アジア大陸を横断するという<br />思わず溜息が出そうな行程だ。<br /><br />だがこの旅行記が他のそれと違うのは、<br />インパクトのあるタイトルは通り、視点を「食」に絞ってある点だ。<br />故に7年半・9万5000キロという途方もない行軍が<br />350ページの中に勿体ない程アッサリと詰まっており<br />つるりと喉を通ってしまう。<br /><br />治安や言語の壁を越え<br />時には寄生虫や生水とも戦う作者の芸人根性(笑)とは裏腹に<br />その視点は細やかで、食べ物の描写は繊細である。<br />「美味い」「不味い」という形容詞を使わずに<br />その色と匂いまでも伝わってきそうな程に鮮やかに<br />時には汚らしく、読者の五感に訴えかけてくるのである。<br /><br />「食」によって土地に触れるというその方法は<br />単純に見えて深いと思う。<br />ふと、「産土(うぶすな)」という言葉を思い出した。<br />産土とは、土地の守り神のことだ。<br /><br />昔、マクドナ●ドでバイトをしていたことがある。<br />マニュアル通りに作るから、万国共通の味になる筈だが<br />アメリカに旅行時に食べた味が違うのに驚いた。<br />ほっくり芋の味がして、冷めても美味い。<br />多分だが、ポテトが違うのだ。<br />アメリカの気候と土壌で育ったポテトだから、あの味になるのだろう。<br /><br />某友人がパリのマックシェイクが美味かったと絶賛していたが<br />成程、本当だったのかもしれない。<br />話の例えが貧乏臭くて申し訳ないが(笑)<br />旅行先で食べるものが美味いのは、気分の所為だけでなく<br />その土地の土壌が、水が、空気が作った作物から<br />すべてを体内に取り込むからなのかもしれない。<br /><br />印象深かったのは、ヨーロッパからウズベキスタンに入るくだりだ。<br />それまで異国文化に溢れていた食べ物に、「うどん」が出てくるのだ。<br />無論、日本のうどんとは違うし、日本はまだ遠い。<br />だが歳月と距離を経て、触れた「アジアの片鱗」に<br />作者の胸が熱くなるさまに、こちらまで感極まりそうになる。<br /><br />文章力の所為だけではない。<br />その細やかな視点を通して、見たこともないその国に<br />作者の感じた感動までご相伴にあずかることができる。<br /><br />この本を出す前にも、他に旅行記を出されているらしい。<br />ぜひこちらも読んでみたいと思った。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />帰省中、連日スキヤキやらしゃぶしゃぶやら<br />普段食べつけないものを食べていた。<br /><br />海外に行っても、日本食が恋しくなるタイプではないし<br />東京に来て味付けが濃いのもその内に慣れたのに<br />何やら今回は胃がすっかり疲れてしまい<br />帰ってから飯と味噌汁と漬物ばかりを食い続け<br />やっとこさ調子が戻ってきた。<br /><br />成程、自分の身体を作っている「何か」は<br />どうも料金メーター制であるらしく<br />一定金額を越すとハングアップしてしまうようだ。<br /><br />むぅ、便利なのか不便なのか…。<br /><hr size="1" /><br />>拍手コメントいただいた方<br />おひさしぶりです(笑)。<br />女牢にはいる話!そうそう、あれとかは本当に<br />藤沢先生だなあって感じしますよね!<br /><br />おお、「よろずや~」はまだ未読です。<br />今度読んでみます!<br /><br />拍手いただいた方も、ありがとうございました。
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WJ1月29日号

ONE PIECEどうやらドフラはベガバンクに向かうモヨウ。一緒に解明されそうなドフラの能力も自分としては、天然悪魔の実能力者なのか開発した人工悪魔の実能力者なのかが気になるトコロ。今回は、悪魔の実が人工製造できる過程を勝手に考えたい。ベガバンク編で、スマイリーがキャンデーを食べて死んだあと近くにあった山盛りリンゴから1つだけ悪魔の実になったかのような描写があった。流れ的にこれが「サラサラの実」である可能... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/img/20121231104712c1a.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-52.fc2.com/h/a/r/harubooook/20121231104712c1a.jpg" alt="wj" border="0" width="110" height="160" /></a></td></tr></table><br /><br />ONE PIECE<br /><br />どうやらドフラはベガバンクに向かうモヨウ。<br />一緒に解明されそうなドフラの能力も<br />自分としては、天然悪魔の実能力者なのか<br />開発した人工悪魔の実能力者なのかが気になるトコロ。<br />今回は、悪魔の実が人工製造できる過程を勝手に考えたい。<br /><br />ベガバンク編で、スマイリーがキャンデーを食べて死んだあと<br />近くにあった山盛りリンゴから1つだけ<br />悪魔の実になったかのような描写があった。<br />流れ的にこれが「サラサラの実」である可能性が高く思える。<br /><br />ベガバンクは「悪魔の実の伝達条件」を解明したとされる。<br />「製造法」ではないのだ。<br />原作者からも「同世代に同じ能力者は出ない」と公式にあるから<br />悪魔の実とは、なんらかの状況下で消えると<br />あらたに生まれてくるという性質を持つのではないだろうか。<br />よりましが死ぬと違う個体に憑依する悪魔のように。<br /><br />だとすれば、本来好き勝手に取り付く悪魔を<br />狙って憑依させるのが「SAD」のように思えるのだが<br />シーザーは「SADがドフラの工場でSMILEに変わる」と公言している。<br />そうなるとスマイリーが死んだ際に出現した実は<br />「SAD」であり、まだ「SMILE」ではないということになる。<br /><br />この「SAD」も、通常なら何かの略語に思えるが<br />個人的にワンピ世界に英語の略文字というのも、何かピンとこない。<br />(まあそうであっても不自然ではないのだけど)<br />これはそのまま「SAD」(=泣き顔)であり<br />それが「SMILE」(=笑顔)に変わって初めて、完成品なのかもしれない。<br />だがおそらく、これができるのはゾオン系のみであり<br />パラミシアやロギアは当てはまらないのだと思う。<br /><br />動物の分類をするのに「-zoa」という接尾語(?)があるらしい。<br />ゾオン系の能力が生き物を通して伝達するということから<br />この名前がついたのでないか、と勝手に推測する。<br />ちなみに「Paramecium」はゾウリムシのことであるが<br />ひょっとしてパラミシア能力には分裂や合体という伝達方法があるという<br />そういう意味なのではないだろうか。<br /><br />黒ひげがグラグラの能力を奪えたのは<br />この仕組みを知っているからではないだろうか?<br /><br />さて、ロギアは該当する元ネタが不明なのだが<br />個人的に臭いと思ってるのは「log」だ。<br />ネットでもログという言葉があるが、遺伝子配列にも出てくる。<br />「受け継がれる意志」という作品中のキーワードもある事から<br />伝達する条件が遺伝要素を含む、きわめて狭き門なのではないか。<br />以上、果実になるのが自然の前提として<br />あくまで「人工伝達」としての条件という話である。<br /><br />だがなんにしろ、エースの能力もまた<br />何らかの条件で再生する可能性があるのではないか。<br />だがスマイリーも死の直後に実が生み出され<br />白ひげも死後に能力を奪われたことから<br />エースの死に一番近い場所にいたルフィに、どうしても期待してしまう。<br /><br />「俺は絶対に死なない」<br />このエースの言葉は、別の意味で真実なのではないか。<br /><br />ロジャーが処刑台の上で笑ったのは<br />エースの泣き顔が最後に笑顔に変わったのは<br />Dの一族の遺伝子が与えた使命なのではないのかと<br />勝手にそんなことを考えてみたりする。<br /><hr size="1" /><br />NARUTO<br /><br />原作のヒロインはどうやら、ヒナタに決定したらしい。(笑)<br />ヒナタ好きだから構わないんだけど<br />ふとサクラって盛大に出てきたモブだったのかと小一時間。<br /><br />今回もドキドキしますな。<br />ナルトの意志が強いのか緩いのかが微妙で。<br />両親の死をもって未来を託されたというのは<br />ナルトが自身で誇り、言い返すべき言葉であるような気がする。<br />でなきゃ両親再会はなんだったのってコトになるし<br />同じく死をもって生かされたカカシに対しても<br />やっと踏み込める設定にできると思うのだけどなあ。<br /><br />一部では、ナルトが一人一人と向き合い<br />そのトラウマを癒してやるという図式が、理解しやすかった。<br />が、二部からその繋がりの点と点が遠すぎて<br />いきなり相手がナルトファンになってしまっているようで<br />そういうのに細かい自分としては、ちょっと気になるんである。<br />オビトが既にナルトに何か期待してるっぽいのも、当然気になる。(笑)<br /><br />今更話を蒸し返しても仕方がないが<br />カカシはあまりに今まで、謎のキャラであり過ぎた。<br />今でこそ立場のないカカシだが<br />本来、四代目や火影の重要性や写輪眼をナルトに語るのに<br />これ以上の適任者はいなかった筈だ。<br /><br />上手くすれば、蘇りなんて裏技を使わなくても行けたと思うし<br />思い出したように火影になると言い出すナルトにも<br />いいスパイスになったろうし<br />またトビが直接うちはの歴史を語ってくれるという<br />親切設定にしなくてもよかった筈だ。(苦笑)<br /><br />ま、やっちゃったことはヨシとして(よくはないが)<br />戦争の終結には「イザナギ」と「イザナミ」が関与して来そうな予感。<br />「無限月読」って要は、でっかいイザナギなんじゃないかしら。<br />ならイザナミでその過ちに気付かせるという事も可能かと。<br />もしくはオビト本人が実は<br />イザナミに掛けて欲しがっているのかも知れんが。<br /><br />まあでも、自分としてはイザナギもイザナミも<br />分かりにくい上に間違った術のように思ってるので<br />予想が外れた方がいいんだけどね。<br /><br />愚痴の多い感想ですいません。<br /><hr size="1" /><br />長くなったので、後は簡単に。<br /><br />とりあえず恋愛漫画が「ニセコイ」1本になって<br />落ち着いて読めるようになった。(笑)<br />今のところいいペースの「ハイキュー」<br />ペース上げ中の「ハングリージョーカー」<br />流れと無関係な(笑)「斉木楠雄のΨ難」は良し。<br />「暗殺教室」は必要以上の引き延ばしができない話っぽいので<br />多少横道にそれても、まあ読める。<br /><br />伊達先輩と剣道は、そろそろアレかねえ。<br />伊達先輩は仕方ないかなーと思うんだけど<br />(惜しいという意味で残念な漫画だと思う)<br />剣道は結構好きだったんだけど、やっぱ地味なんかなー。<br /><br />大石先生の読み切りは、やや空回りした感。
  • Date : 2013-01-05 (Sat)
  • Category : WJ
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獄医立花登手控えシリーズ

新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)藤沢 周平/講談社 by G-Tools帰省よりこちらに戻ったので早速その間に読んでいたシリーズまとめ。この話を読んだとき、設定が面白いと思った。江戸捕り物を扱う作品は珍しくないが囚われた後の悲喜こもごもを描くと言うのは他に例が無いような気がする。杉田玄白らの解体新書が出た頃の江戸。医学を志す登は、江戸で町医者を営む叔父の家へ居候する。が、叔母は始末屋で人使いが荒く娘・おち... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062735865/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51D8MHBD4HL._SL160_.jpg" border="0" alt="新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一) (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062735865/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)</a><br />藤沢 周平/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />帰省よりこちらに戻ったので<br />早速その間に読んでいたシリーズまとめ。<br /><br />この話を読んだとき、設定が面白いと思った。<br />江戸捕り物を扱う作品は珍しくないが<br />囚われた後の悲喜こもごもを描くと言うのは<br />他に例が無いような気がする。<br /><br />杉田玄白らの解体新書が出た頃の江戸。<br />医学を志す登は、江戸で町医者を営む叔父の家へ居候する。<br />が、叔母は始末屋で人使いが荒く<br />娘・おちえもはすっぱで生意気この上ない。<br />女性上位の家で、叔父もすっかり立場がない。<br /><br />貧乏人相手の古臭い医術だけでは生計を立てられず<br />叔父は伝馬町で獄医も務めていた。<br />獄医とは牢屋専属の宿直医師のことだが<br />酒好きで体にもガタが来ている叔父の代わりに<br />登はその代役をこなす羽目になる。<br /><br />さて当時の牢屋だが、簡略図が最初のページに記されている。<br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/img/Photo0289.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-52.fc2.com/h/a/r/harubooook/Photo0289.jpg" alt="Photo0289.jpg" border="0" width="500" height="210" /></a><br /><br />ぱっと見に家一軒分くらいの間取りに見えるのだが<br />実際はかなり大きく、総勢300~400人にもなる囚人が押し込められ<br />それを100人程度の役人で監視・総括していた。<br /><br />だが当時の牢は「服役囚」のみに限らず<br />「重要参考人」をも押し込める場でもあった。<br />身分によって入牢場所も決まっている訳だから<br />理論上は「わざと入って」から「出る」ことも可能となる。<br />これがこの小説のポイントの1つでもある。<br /><br />更に刑役や刑罰の管理は役人の仕事だが<br />牢の中は牢名主と言われる囚人が直接仕切っており<br />囚人が増え過ぎると、勝手に制裁を加えて「人減らし」もしたと言う。<br />なので牢に入るものは、牢名主に「袖の下」を渡す。<br />(※罪人は家族があれば、金や食べ物を差し入れてもらえる)<br />それらの金は見回り役などへの「袖の下」になる。<br />「金は天下の回り物」とはよく言ったものだ。<br /><br />牢獄なのだから当然だが、環境は劣悪だ。<br />実際には、獄医もまともに仕事をしたとは言えないと聞く。<br />だが囚人を診る登の実直さに<br />彼らはふと、その心情を吐露するのである。<br />「……先生、ここだけの話なんだがよ」と。<br /><br />江戸捕り物は勧善懲悪、<br />後味スッキリの爽快感こそがウリである。<br />登の大立ち回りやおちえとの関係など<br />江戸物の基本はちゃんと押さえてはあるものの<br />罪業が定められた者達には<br />無念や諦観、僅かばかりの祈りと願いがあるだけだ。<br /><br />それに誠心誠意応えてやろうとする登だが<br />後味は、決して良いとは言えない。<br />だがその不幸の中に仄かな光明が<br />確かに照らしたかのような一瞬を垣間見る。<br /><br />医師として大成するというありそうな時代物ではなく<br />敢えてささやか過ぎる幸福と人間模様を描いた寂寥感は<br />さすが藤沢先生と感じ入る。<br /><br />シリーズは「春秋の檻」「風雪の檻」<br />「愛憎の檻」「人間の檻」の全四巻。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />いつも新幹線は京都駅から乗るのだが<br />毎回土産屋を見るたびに<br />八つ橋の柔軟さが半端ねぇ。<br /><br />バナナやラムネや芋を包むのにはもう慣れたが<br />ラスクやらキャラメルやらチョコやら<br />毎年飽くなき進化を続けているんである。<br />てなワケで職場には、キットカット・八つ橋味を買ってみた。<br /><br />あと自分用に「焼きあづき」という<br />小豆入りクッキーを買ってみたのだが、これがなかなか旨い。<br />もしゃもしゃ食いながらパッケージを見てみたら<br />中身は北海道の小豆のみを使用しているらしい。<br /><br />京都って不思議。
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新装版 尻啖え孫市

新装版 尻啖え孫市(上)司馬 遼太郎/講談社 by G-Toolsあけましておめでとうございます。とは言え、実は旧年の予約投稿なのだが国盗り物語を読んだら、ついこちらも紹介したくなったので。個人的に司馬祭絶賛開催中。雑賀衆は言わずと知れた戦国の鉄砲集団でありその首領とも言うべき雑賀孫市の物語だがこの人物はほとんど謎に包まれており一説には、首領が孫市の名を受け継いで複数人いるともされる。戦国物にちらほらと出てはくる... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062758148/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51%2B37Mtfe-L._SL160_.jpg" border="0" alt="新装版 尻啖え孫市(上) (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062758148/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">新装版 尻啖え孫市(上)</a><br />司馬 遼太郎/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />あけましておめでとうございます。<br />とは言え、実は旧年の予約投稿なのだが<br />国盗り物語を読んだら、ついこちらも紹介したくなったので。<br />個人的に司馬祭絶賛開催中。<br /><br />雑賀衆は言わずと知れた戦国の鉄砲集団であり<br />その首領とも言うべき雑賀孫市の物語だが<br />この人物はほとんど謎に包まれており<br />一説には、首領が孫市の名を受け継いで複数人いるともされる。<br /><br />戦国物にちらほらと出てはくるものの<br />正体不明の謎の集団として出てくることが多く<br />それならと司馬先生が勝手に顔をつけたのが(笑)、この著作だ。<br />故に、史実とは異なることを先に断わっておく。<br /><br />時は、信長が天下にその名を上げ始めた頃。<br />岐阜の城下にふらりと孫市が現れたと聞き、藤吉郎(秀吉)は驚く。<br />戦国の世において、雑賀を引き入れれば勝利と言われ<br />どの大名も喉から手が出る程に欲しがる「武器」なのだ。<br /><br />どの大名にも肩入れせず、ただ金と気分で動く雑賀孫市が<br />岐阜に現れた理由はただ一つ、「女」である。<br />好色な孫市は岡惚れした女を求め、たまたま岐阜に来たに過ぎない。<br /><br />本文中に司馬先生の閑話が入っており、読者から<br />「孫市をそんな女好きにしてもらっては困る」と言われたらしい。<br />確かに、結構なエロ親父に仕立ててある。(笑)<br />だがこの戦国の状況と雑賀衆と孫市の関係を作るのに<br />なかなかどうして、面白い設定だと思うのだが。<br /><br />ともあれ女を手に入れられなかった事で<br />信長は、と言うより藤吉郎は孫市の敵になる。<br />更にその理想の女は、本願寺・浄土真宗の信者だと判明する。<br /><br />ちょっと状況説明<br />親鸞が起こした浄土真宗は、当時の一世を風靡した宗教である。<br />と、言っても差支えない気がする。<br />要はその頃の庶民が持っていた世界観を一転させ<br />思わず傾倒するほどのインパクトがあったのだ。<br /><br />それ故、その人数と団結力は凄まじい。<br />信長の天下統一の前に最後に立ちはだかったのも<br />まさにこの「宗教」であった。<br />権力者としては、独自の頂点を崇められては困る訳だが<br />勝っても所領が増えるわけではなく<br />ひたすら時間と金を浪費するだけなのだ。<br /><br />孫市も信心は持たぬものの、女のために本願寺側へつく。<br />そもそもは雑賀に信徒が多いからというのが史実のようだが<br />そうなるとかなり抹香臭い話になりそうだ。<br />人間臭さという意味では、好色孫市は面白い。<br />故に、戦で孫市と宗教を重ねたのは個人的に惜しい。<br /><br />雑賀は元々1つの集落に住む集団ではなく<br />幾つかに分かれてまとまっていたとされ<br />信長についたものもあれば、秀吉についたものもあり<br />ある意味、アレンジし放題とも言える。<br /><br />大御所なので、ちょっと辛めの点数にする。(何様)<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />新年薀蓄一発目。<br /><br />種子島に鉄砲が伝来した事は、歴史の授業でも聞き及びかと思う。<br />数はたった二丁で、破格のぼったくり価格であったと言う。<br />だが日本の軍事が変わることを思えば、相場だったのかも知れない。<br />二丁のうち1つは雑賀の手に渡り<br />そこで生産と狙撃術の研究が進んだらしい。<br /><br />そもそも水軍として発達した軍事国であったのだろうが<br />当時、日本では弾薬の原材料が取れなかった為<br />海外貿易(密輸?)が行える海沿いの国が有利であったと聞く。<br />堺の町は、信長に要所として押さえられていたからだ。<br /><br />とかく信長は、考え方は斬新だが<br />万事「押さえつける」か、さもなくば「潰す」という思考だったのだろう。<br />宗教にしても然り、秀吉は逆に保護することで監視下に置くのだが<br />家康はもっと凄い。<br />東西に本願寺を分け、対立させることで団結をさせなかった。<br />これはかなりの功を奏し、なんと幕末まで<br />東本願寺は佐幕、西本願寺が尊王となって影響している。<br /><br />歴史もの読むと、ついつい次も関連本にしたくなるなあ。<br />もう一冊司馬先生か、それとも親鸞か新撰組<br />あ、ガラシャ夫人でもいいな。<br /><br />さておき、今年もいい本が沢山読めますよう。
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