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はるほん

Author:はるほん
とりあえず毎日本を読んでいるので、そろそろ脳内と本棚を整理してみようというココロミ。

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しゃばけシリーズ

しゃばけ畠中 恵/新潮社 by G-Tools畠中さんの作品はある程度買って読み今は最終的にこのシリーズのみ追いかけている。先日(文庫本の)新刊を買い、シリーズは計9作となった。シリーズまとめての総評なので、ざっと経緯だけ。以前から一度まとめを書きたいと思っていたので、自分の為の覚書。1「しゃばけ」 主人公・一太郎が大店の一人息子で病弱だという環境と        妖怪が見えるという力について書かれた名刺代わ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410146121X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61Y1VYW74NL._SL160_.jpg" border="0" alt="しゃばけ (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410146121X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">しゃばけ</a><br />畠中 恵/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />畠中さんの作品はある程度買って読み<br />今は最終的にこのシリーズのみ追いかけている。<br />先日(文庫本の)新刊を買い、シリーズは計9作となった。<br /><br />シリーズまとめての総評なので、ざっと経緯だけ。<br />以前から一度まとめを書きたいと思っていたので、自分の為の覚書。<br /><br />1「しゃばけ」 主人公・一太郎が大店の一人息子で病弱だという環境と<br />        妖怪が見えるという力について書かれた名刺代わりの作品。<br />        大妖の仁吉と佐助がガードマン兼お世話係という設定。<br />       ※主要登場人物:祖母の大妖怪・おぎん、腹違いの兄・松乃介<br />        幼馴染の菓子職人・栄太郎、岡っ引きの親分、お祓い住職・寛朝。<br />       ※主要妖怪(?):懐サイズで十数匹(?)いるらしい鳴家(やなり)、<br />        一太郎の留守番代わりをしてくれる屏風のぞき<br />        付喪神の鈴彦姫・お獅子、猫又おしろ、野寺坊など。<br />2「ぬしさまへ」<br />3「ねこのばば」<br />4「おまけのこ」この3作は短編集。<br />        基本は病弱・お人よし・妖怪思いの一太郎が<br />        妖怪と人間を巡る騒動を平和的に裁くストーリーとなっている。<br />        妖怪の見える少女、おりんと知り合う。<br />5「うそうそ」 湯治に出かけ、仁吉たちとはぐれる一太郎の話。長編。<br />        山神や姫神、天狗と知り合う。<br />6「ちんぷんかん」短編集。一太郎の冥土珍道中・兄・松乃介の縁談など<br />        冥土途中で冬吉という少年と知り合う。<br />7「いっちばん」短編集。親分の手柄話、大店同士の品評会、栄吉の奉公話など。<br />        冬吉の兄・七之助と知り合う。七之助は妖怪の存在を知っている。<br />8「ころころろ」一太郎が失明してしまうという話。長編。<br />        と言うより、仁吉と佐助の奮闘記と言うべきか。<br />        生目神という神が関わっている。<br />9「ゆんでめて」店に火事が飛び火したという設定での長編。<br />        おねと名乗る記憶喪失の女性と知り合う。<br /><br />簡単に言うと、虚弱体質のゲゲゲの鬼太郎だろうか。<br />ちゃんちゃんこや下駄のような武器はないが、ひたすら身体が弱い。<br />最初は主人公の寝たきり老人のような生活と<br />菓子と薬湯ばかり口にしているかのような食生活もどうかと思ったが<br />最近ではこのくだりが出てくると、ほっと安堵しそうになる。<br /><br />どうやらしゃばけシリーズは<br />水戸黄門かサザエさんの域に届かんとしているらしい。<br />もはや一太郎の虚弱は、作品の大きな武器である。<br />が、「定番」と「マンネリ」は諸刃の剣とも言える。<br /><br />以前から自分が全巻のまとめを作りたいと思っていたのは<br />新刊が出たときに、どうにも脳内で人物整理が出来ないからだ。<br />書き出してみると、ちゃんとそれぞれの巻で違うのだが<br />話の流れが似通っているために<br />店に常駐しているキャラ以外、やや印象が薄い。<br /><br />畠中さんは「のほほん」とした空気を書くのが上手い。<br />元祖であるしゃばけシリーズでは感じないのだが<br />他の作品でもこの「のほほん」が多用されて印象に残りにくく<br />またこの所為で、しゃばけの内容もごっちゃになってしまう。<br /><br />お節介ながら、作品同士が共倒れにならないかと思っていた折<br />今回の「ゆんでめて」はちょっと変わった仕掛けで書かれていた。<br />シリーズに何らかの転機が来ているなら、期待したい。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />昨晩「ダレン・シャン」の映画みてたんだけど<br />わ、渡辺謙が出てる!え!?<br /><br />知らなかった…。
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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ辻村 深月/講談社 by G-Tools最近、平積み台でよく見かける作家さんを好奇心から購入。暗号を思わせるタイトルから推理小説なのかと思ったがある意味そうで、ある意味そうでない。物語は、チエミという女性の「異変を感じさせる」冒頭文で始まる。以降はみずほの聞き込み調査のような章が続きそれが読み進める内に、母を殺して行方不明になったチエミを地元の女友達の証言をもとに調べているのだと理解でき... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062772248/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QWmOWqkFL._SL160_.jpg" border="0" alt="ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062772248/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ</a><br />辻村 深月/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />最近、平積み台でよく見かける作家さんを好奇心から購入。<br />暗号を思わせるタイトルから推理小説なのかと思ったが<br />ある意味そうで、ある意味そうでない。<br /><br />物語は、チエミという女性の「異変を感じさせる」冒頭文で始まる。<br />以降はみずほの聞き込み調査のような章が続き<br />それが読み進める内に、母を殺して行方不明になったチエミを<br />地元の女友達の証言をもとに調べているのだと理解できてくる。<br /><br />無論みずほは警察官でもなければ、その中に目撃者がいる訳ではない。<br />「異常に仲の良かった」チエミ親子に<br />何があったのかを知りたいと言う、個人的な思いに過ぎない。<br />何故なら、友達だからだ。<br /><br />幼いころからずっと一緒に遊んで<br />高校は別で、そして地元を出てからは披露宴に呼んだだけで<br />ほとんど連絡を取っていないけれど、「友達」だからだ。<br /><br />母殺しの事件の解決よりも、これは<br />完結しない女性同士の関係をテーマに置いた小説だ。と思う。<br />実母と娘、義母、小学校以来の女友達、職場の友達など<br />女性作家なのだから当然だが女性視点過ぎて<br />怖い話ではないのに怖いような印象すら与える。<br />リアル過ぎて。<br /><br />この手の本を読むにつけ思うのだが<br />番町皿屋敷のような怪談や、ミズリーのようなサスペンス映画にある<br />「女は怖い」という原典はなんなのだろう。<br />犯罪件数などのはっきりした裏付けがある訳でもないのに<br />確かにこれらが男性主役だと、しっくり来ない印象だけはあるのだ。<br />その解答に近いものが、この本にあるような気がした。<br /><br />女性殺人鬼などの話は、男性作家作品にもあるが<br />(※この作品は殺人鬼作品ではない)<br />ある意味そちらはセオリー通りというか、然程違和感を感じない。<br />本作品は、ただただチエミの学生時代と家庭内の様子が<br />女友達の口から語られているだけなのだが<br />内容は本当にたわいもなく、事件を匂わせる要因などは見当たらない。<br /><br />殺人は衝動的に行われた筈なのだが<br />チエミにその理由があったというのが、逆に恐ろしい。<br />その理由は一途で、たわいもない可愛らしさすら含んでいる。<br />だがストーリーに「無理」は無い。<br />辻村さんはいとも見事に、事件の謎と背景と<br />女性の持つ母性と恐ろしさを、正当に紡いでしまった。<br />凄い。素晴らしい。怖い。(笑)<br /><br />自分の周囲にこういう女性友達はいないが<br />描写された会話や間柄は、そう珍しくないものだ。<br />だからこそ何ともリアルで<br />「女は怖い」という図式の解答が<br />ファミレスや職場の給湯室のようなありふれた場所にあるのかと<br />ちょっとヒヤリとしたりもする。<br /><br />だが辻村さんの作品は、もう数冊読んでみたいと思った。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />
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ビブリア古書堂の事件手帖 ①②

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち三上 延/アスキーメディアワークス by G-Toolsビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常三上 延/アスキー・メディアワークス by G-Tools遅ればせながら、と平伏するより無い。白状すると、コチラも表紙で読まなかったパターンなのだが先日「真夜中のパン屋さん」を貸してくれた御仁が「よければコレも」と、一昨日に貸してくれた。書店に平積みになっているので気には... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048704699/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51gLuGWoTaL._SL160_.jpg" border="0" alt="ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048704699/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち</a><br />三上 延/アスキーメディアワークス<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048708244/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51a93HRP0-L._SL160_.jpg" border="0" alt="ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048708244/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常</a><br />三上 延/アスキー・メディアワークス<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><br />遅ればせながら、と平伏するより無い。<br />白状すると、コチラも表紙で読まなかったパターンなのだが<br />先日「<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-37.html" target="_blank" title="真夜中のパン屋さん">真夜中のパン屋さん</a>」を貸してくれた御仁が<br />「よければコレも」と、一昨日に貸してくれた。<br /><br />書店に平積みになっているので気にはなっていたモノの<br />ライトノベル風の空気になかなか手が出なかった。<br />こんな失敗をもう幾度と繰り返している自分を<br />小一時間ほど問い詰めたい。<br /><br />ストーリーはタイトル通り、<br />ビブリアという古書店で売買される本の騒動記だ。<br />古い本は人の手を伝って、人の手へ渡る。<br />だから本のページには話だけでなく、それを手に取った人の過去や<br />それを手離して辿り着いた経緯までもを運んでくる。<br /><br />それを読み解くのが、古書堂主人・篠川栞子だ。<br />内気で引っ込み思案で口下手なのだが<br />古書が絡んだ時だけ、理路整然と語り出す。<br />この栞子さんの性格のギャップと<br />楚々とした雰囲気に醸し出されている色気が<br />確かにライトノベルキャラっぽいが、多分読む人は気にならないと思う。<br />何故なら本を愛する人は、本読みの敵にはならないからだ。(笑)<br /><br />話に出てくる本は1巻は文学が中心だが<br />2巻は古書ながら馴染みのある現代作家がラインナップされており<br />本読み上級者でなくとも親しみやすい。<br />またその作品自体は知らなくとも<br />古書とストーリーが関連付けてあるので、理解しやすい。<br /><br />だが必要以上に関連付けない所が、個人的にいいと思った。<br />一応、本作品はライトノベルにカテゴライズされているようだが<br />教訓的な読後感が残らない「ライト」さは、逆にいい。<br />きっと著者も本好きであると同時に<br />ストーリーを作ると言う過程も大事にされてるんだろう。<br /><br />本好きの本なら、好きになってしまうに決まってるんである。<br /><br />個人評価:★★★<br /><br />司馬先生のデビュー前の随筆が読んでみたい。<br /><hr size="1" /><br />2巻までは貸してくれたのだが、3巻は自分で買えという事か。<br />おう、全巻耳揃えて買ってやらぁ!<br />ていうか、今日も別に2冊買っちゃったんだけど。<br /><br />ところで本屋で、新刊が十数冊くらい<br />不自然な場所に積み上げてあるのを見た。<br />うおお、コレが万引きの手口というアレか。<br /><br />書店員さんが、近くでさりげなく本整理をしていたので<br />ひょっとして見張ってるのかとそのまま出てきたが<br />ああいうの本当にあるんだ。初めて見た。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル<br />
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和菓子のアン

和菓子のアン坂木 司/光文社 by G-Tools赤毛のアンが、痩せっぽちで勉強が大好きな女の子なら和菓子のアンは、ぽっちゃりで食べることが大好きな女の子と言うべきか。アンは無論、外人ではない。高校を卒業したばかりの、梅本杏子(きょうこ)という日本人である。進学するでもなく、就活するでもなくなんとなくデパ地下の和菓子屋さんにバイトを決める。いわば「和菓子ミステリー小説」という、何とも風変わりな作品である。と言... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334764843/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41enQB1JhCL._SL160_.jpg" border="0" alt="和菓子のアン (光文社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334764843/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">和菓子のアン</a><br />坂木 司/光文社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />赤毛のアンが、痩せっぽちで勉強が大好きな女の子なら<br />和菓子のアンは、ぽっちゃりで食べることが大好きな女の子と言うべきか。<br /><br />アンは無論、外人ではない。<br />高校を卒業したばかりの、梅本杏子(きょうこ)という日本人である。<br />進学するでもなく、就活するでもなく<br />なんとなくデパ地下の和菓子屋さんにバイトを決める。<br /><br />いわば「和菓子ミステリー小説」という、何とも風変わりな作品である。<br />と言っても血が流れる事件は皆無で<br />餅と求肥と寒天の中には、餡子と砂糖だけではなく<br />和菓子に込められた意味合いと季節と<br />人の繋がりが隠されているというコンセプトで<br />むしろヨダレが垂れそうな事件ばかりだ。<br /><br />この「日常心理ミステリー」的な手法は<br />「切れない糸」と言う著書でも発揮されており<br />実際、どうやら主人公同士が同じ商店街にいるようだ。<br />ひょっとして商店街シリーズとして展開するのだろうか。<br />だとしたらちょっと期待したい。<br /><br />斬新なミステリー(?)故、正直なところ話の流れはやや無理がある。<br />だが坂木さんの手腕は<br />事件の山あり谷ありの伏線ではなく、日常というなだらかな伏線にあり<br />謎を解くのではなく、人を繋げるところにある<br />そういう意味で、至上のミステリーに仕上がっている。<br /><br />坂木さんの話には、「丸」を感じる。<br />正円というより、卵や大福のような手に馴染む「丸」だ。<br />スッキリというよりは、もったりとお腹に残る<br />甘味のような幸福な読後感が、今回の題材にぴったり合う。<br /><br />今の季節なら熱い茶でも用意して<br />炬燵でまったりとお楽しみいただきたい。<br />自分は通勤電車で読んでしまったが。(笑)<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />で、話とは別の感想なのだが<br />実は百貨店に勤務していたことがあるので<br />内部の様子が非常によく書かれていると思った。<br /><br />手洗いを「遠方」と書いてあったので<br />多分●●百貨店で取材されたんだろう。<br />(※隠語なので名前は割愛・百貨店によって呼び名が違う)<br />更に本書はデパ地下が舞台なので<br />自分がいた勤務先とは雰囲気が違う部分もあるが<br />開店・閉店時に全店員が挨拶に立つ「ちょっとした特別感」や<br />福袋の混雑の様子などは、非常に懐かしく読んだ。<br /><br />百貨店はただ買い物をするだけでなく<br />少しばかりエグゼクティブな空気が存在する場所でもある。<br />だから顧客側だけでなく、店員側にも<br />その客層だからこそ味わえるサービス提供の快さがあると思う。<br /><br />だがあの場所に居た武勲としては<br />今現在、新聞雑誌をしっかり紐掛けできる事くらいである。
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信長協奏曲(のぶながコンツェルト)

信長協奏曲 7 石井 あゆみ/小学館 by G-Tools昨日は仕事で煮詰まって本が読めなかったので(笑)新刊が待ち遠しい漫画の1つをご紹介。織田信長と言えば小説・漫画・映画・ドラマを問わず歴史モノでひっぱりだこ人気人物だがこの漫画のストーリーは21世紀の現代から始まる。三郎は、日本史の授業で本能寺の変の首謀者を「あいださん」と答えるオバカな高校生男子。普段から制服を着崩して上級生に睨まれるも窮屈なことが苦手で、... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091237568/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-Uh5kltLL._SL160_.jpg" border="0" alt="信長協奏曲 7 (ゲッサン少年サンデーコミックス)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091237568/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">信長協奏曲 7 </a><br />石井 あゆみ/小学館<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />昨日は仕事で煮詰まって本が読めなかったので(笑)<br />新刊が待ち遠しい漫画の1つをご紹介。<br /><br />織田信長と言えば小説・漫画・映画・ドラマを問わず<br />歴史モノでひっぱりだこ人気人物だが<br />この漫画のストーリーは21世紀の現代から始まる。<br /><br />三郎は、日本史の授業で本能寺の変の首謀者を<br />「あいださん」と答えるオバカな高校生男子。<br />普段から制服を着崩して上級生に睨まれるも<br />窮屈なことが苦手で、一向に改める様子もない。<br /><br />がある日、高いところから足を滑らせたはずみで<br />馬を走らせている男の頭上に落下してしまう。<br />その人物こそ、織田家を出奔しようとしていた信長その人だった。<br />え、馬?織田家??信長???<br />そう!三郎は戦国時代にタイプスリップしてしまったのだ!<br /><br />いやいやいや、ウィンドウを閉じてはいけない。<br />ここからなのだ。<br />信長は体が弱く、城主の重圧に耐えきれずに飛び出したのだ。<br />だが三郎の顔が自分に瓜二つであるのをみて<br />「お前が今日からワシの代わりに、信長として生きてくれ」と…<br />いやいやいやいや、Alt+F4もお待ちください。<br /><br />ベッタベタやないかい!とかツッコんではいけない。<br />コレがもう、話はシンプルで分かり易いのに<br />とても良く考えられているんである。<br /><br />7巻まで出ているので、少しあらすじに触れてしまうが<br />戦国にタイムスリップしてきたのは、信長だけではない。<br />あと2人出てくるのだが<br />コレがちゃんと微妙に出自の不明な歴史人物にあててあり<br />思わずほうほうとカンシンしてしまった。<br /><br />本物の信長は真面目一貫の人間であり<br />いわゆる「うつけ」と呼ばれた歴史上の信長は<br />全部、三郎の素行によるものという筋書きだ。<br />そうなると「三郎」という名前もこにくい演出だ。<br />ほうほうほう。<br /><br />「信長協奏曲」と言うタイトルだが<br />無論、三郎が戦国でバンドをしたりする訳ではない。<br />この意味は、本物の信長が再登場した時に分かる。<br />ほーーーう!ほうほうほう!!!<br />まったく膝を打ち過ぎて膝が割れそうだ。<br /><br />ご存知の通り、歴史上の信長は<br />本能寺にて、明智光秀の手によって死を遂げる。<br />しかし三郎は「あいださん」としか記憶していない。<br />すぐ隣に明智光秀がいるにも関わらず、だ。<br /><br />更にこの話は、豊臣秀吉のキャラがいい。<br />百姓から出世し、信長の後釜におさまったこの男の出自を<br />こう捉えるとは面白い!実に魅力的だ!<br />いやもう膝痛いって。<br /><br />多少、三郎に武将の器がありすぎな感もあるが(笑)<br />それより続きの方が気になって<br />来る本能寺の変がどうなるか、楽しみで仕方ない。<br /><br />膝が割れない内にオチを読みたいもんである。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />にしても、信長題材の作品って多いなあ。<br />いつか原哲夫先生の本も読みたいんだが。(´・ω・`)
  • Date : 2012-11-26 (Mon)
  • Category : 漫画
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ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ森見 登美彦/角川書店 by G-Tools新刊2冊目読了。読み終わって、うーんと考えてしまった。森見氏の作品には二つあると思う。あの独特の文体で「平凡」を面白く装飾する作品と逆に平凡な文体で「独特」の世界を語る作品だ。多少語弊はあるかもしれないがここでは前者を「森見氏作品」、後者を「森見さん作品」と呼ぼう。自分は森見氏作品にハマったクチだが、森見さん作品も読む。冒頭で「ああ、今回はコッチ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041005612/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51tb2VddH-L._SL160_.jpg" border="0" alt="ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041005612/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">ペンギン・ハイウェイ</a><br />森見 登美彦/角川書店<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />新刊2冊目読了。<br />読み終わって、うーんと考えてしまった。<br /><br />森見氏の作品には二つあると思う。<br />あの独特の文体で「平凡」を面白く装飾する作品と<br />逆に平凡な文体で「独特」の世界を語る作品だ。<br />多少語弊はあるかもしれないが<br />ここでは前者を「森見氏作品」、後者を「森見さん作品」と呼ぼう。<br /><br />自分は森見氏作品にハマったクチだが、森見さん作品も読む。<br />冒頭で「ああ、今回はコッチか」と判断したら<br />スイッチを切り替えて楽しむ。<br /><br />今回は非モテ男ではなく、小学生が主人公だ。<br />アオヤマ君は毎日学校で勉学に励み、更に自分の研究をすすめるために<br />ウチダ君と水源を求めて歩いたり、イジメっこのスズキ君の行動を観察したり<br />宇宙の真理について考えたり、動物図鑑を調べたり、チェスをしたり<br />歯科医のお姉さんのオッパイについて考察したりと(※ただし1日30分まで)<br />まぁスケジュールがギッシリで、それは多忙な児童なのである。<br /><br />事件は、空き地に突如出没したペンギン達から始まる。<br />天から降ったか地から湧いたか、もしくはペットの不法投棄なのか<br />謎が解けぬまま、ペンギン達は搬送中のトラックから忽然と消えてしまう。<br />アオヤマ君はペンギンの謎を解き明かすべく<br />「ペンギン・ハイウェイ」と名付けた新研究にも着手する。<br /><br />だがお姉さんにオッパイはあるのに、ハマモトさんには無いのも気になるし<br />相対性理論たるシロモノにも興味がある。<br />ブラックホールとは何なんだろう。<br />更にハマモトさんの研究も手伝う羽目になるのだが<br />最近元気がないお姉さんのオッパイが小さくなるのも心配だ。<br /><br />子供らしくて、子供らしくない1人称文体。<br />森見氏作品の非モテ青年が子供になったようでもあり<br />自分のスイッチは、自動的にそちらに入ってしまった。<br />多分、これが原因なんだろう。<br /><br />物語は、まるで絵本か児童文学のように進んでいく。<br />まるで夏休みの課題図書のように爽やかに。(※オッパイ除く)<br />さすがに数十ページを残して、何時もと違うと脳が警鐘を鳴らした。<br />森見氏ではない。<br />繰り返す。コレは森見氏ではない。<br /><br />寸での所で森見さんモードにシフトチェンジし、何とか結末を読んだ。<br />それでも残念ながら、自分の中に疑問は残ってしまった。<br /><br />森見氏の文体が、好き嫌いの分かれるところだと言うのは理解している。<br />実際に知人2人にオススメしてみるも<br />1人は絶賛、1人は「沢山は読めない」という感想だった。<br />故に「森見氏作品」と「森見さん作品」の2つがあるのも<br />それはそれで良い事だと自分でも納得していた。<br /><br />勝手な憶測だが、この本は<br />森見氏の文体が苦手だった人にとっては<br />ほろ苦い甘夏のマーマレードのような爽やかな読後感を<br />森見氏の文体を愛していた人間には<br />乾燥したミカンを口に放り込んでしまったような軽い失望感を<br />与えたのではないかと、そんな風に思ったり。<br /><br />良い悪いで言えば、いい話だ。<br />最初から森見さんモードで読んでいれば、多分問題はなかった。<br />チョコとミカンの順番を間違えて食った気持ちである。<br /><br />森見氏が好きだ。次の新刊も無論買う。<br />1週間したら感想は変わるかもしれないが、直後の読後感。<br /><br />個人評価:★★<br />
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SOSの猿

SOSの猿伊坂 幸太郎/中央公論新社 by G-Tools今月買った本3冊のうち1冊、読了!何から読むか暫し迷ったがこのキャッチーなタイトルの魅惑に負けて、伊坂氏から。イタリア帰りで電気店販売員の二郎は、副業で悪魔祓いをしている。既にここでカオスなのだが(笑)引きこもりの専門男子学生に会うよう頼まれる。ふむふむとページをめくると、「猿の話」へと章が移る。だが、猿の話ではない。五十嵐はシステム会社の品質管理を担当... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122057175/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61JZ-WXJVHL._SL160_.jpg" border="0" alt="SOSの猿 (中公文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122057175/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">SOSの猿</a><br />伊坂 幸太郎/中央公論新社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />今月買った本3冊のうち1冊、読了!<br />何から読むか暫し迷ったが<br />このキャッチーなタイトルの魅惑に負けて、伊坂氏から。<br /><br />イタリア帰りで電気店販売員の二郎は、副業で悪魔祓いをしている。<br />既にここでカオスなのだが(笑)<br />引きこもりの専門男子学生に会うよう頼まれる。<br />ふむふむとページをめくると、「猿の話」へと章が移る。<br /><br />だが、猿の話ではない。<br />五十嵐はシステム会社の品質管理を担当している。<br />入力ミスで300億という損害を出した原因を調査させられる。<br />原因も何も、入力ミスが元なのだ。<br />だが五十嵐は生真面目にも、「うっかりの原因」を突き止めようとする。<br /><br />猿はドコだ。<br />否、確かに猿は出てくる。孫悟空が。<br />イヤイヤイヤ、そんな無茶苦茶な伏線<br />いくらなんでもお話になる訳ないじゃん!無理無理!!<br /><br />伊坂氏の本は、中身を読まずにそのままレジへ持っていく。<br />大丈夫、という根拠のない確信と<br />万一ハズしたらどうしよう、という少しばかりの不安を載せて。<br />そうして恐る恐る文字を拾い、ページを捲り<br />最後にやっぱり、ほっと安堵するのだ。<br />ああ、やっぱり伊坂氏だ、と。<br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-36.html" target="_blank" title="モダンタイムス">モダンタイムス</a>でも述べたが、伊坂氏の話は爽快感とキャラがいい。<br />だが何より、作品の中の伊坂氏の思考に共感を覚えるのだ。<br />それは何気ない物の見方であったり<br />ちょっとほんわかするような考え方だったり<br />鋭い人間洞察だったり社会への辛辣な意見だったり、様々だ。<br /><br />いずれも普段の生活の中に、いつもある。<br />なのに見逃してしまいそうな程の、小さな小さな呟きだ。<br />話の内容とは関係ないのに、時折それを見て泣きそうになることがある。<br />わかるなあ、と思って、泣きそうになる。<br />説明しがたいのだが、きっとこの不可思議な衝動がある限り<br />自分は伊坂氏の本を、中身を見ないでレジに持っていくんだろう。<br /><br />どうも伊坂氏の本はあまり中身を語れないのだが<br />やっぱり実際に読んでみて<br />トンデモ設定が最後にぴたっと重なる瞬間を体感して欲しい。<br /><br />ところでこの本、「SARU」という漫画とコラボしてるんだそうな。<br />機会があったら読んでみよう。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />「28日後」と「28週後」という映画を見た。<br />爆走するゾンビ(笑)というのに惹かれて見たんだけど<br />あれは正確に言うとゾンビじゃないよね。<br /><br />いやでも、不死身で俊敏なゾンビとか<br />スクリーンの向こうならいいけど、目の前だとメチャ怖ぇぇ。
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向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏道尾 秀介/新潮社 by G-Tools「この●●がすごい!」の帯文句は、本読みを本の前で立ち止まらせ苦悩させ、逡巡し、後ろ髪を引かれるような思いで立ち去り結局また戻ってきて買わせるという大変な罠である。(どうせ買うならさっさと買わんか)この本も「このミステリーがすごい!」の帯がキューピッド役になり手に取って以来、そのまま氏の文庫本を制覇することになった。たった5㎝程度の紙片だが、色々と侮れな... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101355517/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/512WIJJKDtL._SL160_.jpg" border="0" alt="向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101355517/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">向日葵の咲かない夏</a><br />道尾 秀介/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />「この●●がすごい!」の帯文句は、本読みを本の前で立ち止まらせ<br />苦悩させ、逡巡し、後ろ髪を引かれるような思いで立ち去り<br />結局また戻ってきて買わせるという大変な罠である。<br />(どうせ買うならさっさと買わんか)<br /><br />この本も「このミステリーがすごい!」の帯がキューピッド役になり<br />手に取って以来、そのまま氏の文庫本を制覇することになった。<br />たった5㎝程度の紙片だが、色々と侮れない。<br />まぁたまに「あなたはきっと騙される!」とか<br />買わせたいのかそうでないのか微妙なアオリもあるが。(笑)<br /><br />物語は小学4年生のミチオの視点から<br />同級生の首吊り遺体を発見するというショッキングな事件で始まる。<br />だが、ミチオの環境も普通ではない。<br />母親は妹・ミカばかりを可愛がり、ミチオには驚くほど冷たい。<br />だがミチオはそんな妹の面倒をよく見ながら、淡々と生活を送っている。<br /><br />だが数日後、死んだ同級生が蜘蛛となって現れる。そうして<br />「僕は自殺したんじゃない。殺されたんだ」と告げる。<br />そうしてミチオ・同級生・ミカの3人は<br />事件の真実を明かすために奔走する。<br />そうして事件は確かに、「意外な真相」を語るのだった。<br /><br />…この話、ネタバレしないで評価書きにくいな。(笑)<br />ただ「生まれ変わり」「亡霊」系のネタは本来<br />自分の中でかなり好ましくない設定の一つなのだが<br />これに関しては、結末で納得したと言っておく。<br />と言うより、そこまで疑問だったことが最後で全て氷塊した。<br />※ヒント:妹のミカちゃん<br /><br />この手の作品のオチは、多分賛否両論あるかと思う。<br />が、自分は道尾氏の作るストーリーもだが<br />「気味の悪い」具象の表現が気に入っているので<br />この「薄ら寒い」結末は気に入った。<br /><br />この作品のポイントは、ミチオの思考をどう受け止めるかだろう。<br />中途半端にミチオのことを子供らしく捉えると<br />多分この話は、途端に陳腐なものになってしまう。<br />ミチオは、道尾なのだ。<br />最後までとことん、私達を騙そうとしているのだ。<br />だから読み終えても決して、騙されてはいけない。<br /><br />少しでもミチオの語りを信じると<br />最後はまるでハッピーエンドのように受け取れるし<br />ミチオを疑ってかかるとその結末は、ぞっとするものに変わる。<br /><br />そういえば「片目の猿」だったか<br />「道尾を信じろ!道尾を信じるな!」という帯文句があったが<br />あれはなかなか秀逸なアオリだと思う。<br /><br />帯って凄いよね。(最後の感想がそれか)<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />しばらくバタバタしてて本屋行けなかったが<br />今日やっと今月の新刊を3冊ゲットした。<br /><br />読むのが楽しみである。(´∀`*)ヌフフ
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プリンセス・トヨトミ

プリンセス・トヨトミ万城目 学/文藝春秋 by G-Tools惜しい、というのが第一印象。まあ、あくまで自分好みという視点だが。映画にもなったので、多少ストーリーはネタバレ多め。東京会計検査院から補助金調査にきた調査官3人。大阪にある社団法人の存在を妙に思うが、どうにも尻尾が掴めない。一方、大阪城から少し離れた空堀商店街。女の子になりたいという大輔を戸惑いながらも受け入れている茶子は、大事な幼馴染だ。この一見... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167788020/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51jddDAU%2BBL._SL160_.jpg" border="0" alt="プリンセス・トヨトミ (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167788020/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">プリンセス・トヨトミ</a><br />万城目 学/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />惜しい、というのが第一印象。<br />まあ、あくまで自分好みという視点だが。<br />映画にもなったので、多少ストーリーはネタバレ多め。<br /><br />東京会計検査院から補助金調査にきた調査官3人。<br />大阪にある社団法人の存在を妙に思うが、どうにも尻尾が掴めない。<br />一方、大阪城から少し離れた空堀商店街。<br />女の子になりたいという大輔を<br />戸惑いながらも受け入れている茶子は、大事な幼馴染だ。<br /><br />この一見無関係な話が、大阪の歴史で繋がる。<br />件の社団法人はなんと「大阪」と言う名の国家そのものだったのだ。<br />大輔は「大阪国」の存在にも<br />そして自分が大阪国総理大臣の息子だという事実にも驚く。<br />が、知らないのも道理だ。<br />何故なら「大阪国民」である為には、ある「絶対条件」が必要だからだ。<br /><br />橋本市長の大阪都構想を遥かに超え、荒唐無稽で面白い。<br />多分コレ、映画で見た方が面白いんじゃなかろうか。<br />ていうかハッキリ言うと<br />文面からは大阪の良さがあまり伝わってない気がした。<br /><br />喋りのテンポが分かりにくい。<br />ボケツッコミの軽快さ、ひいては大阪人の特性が感じられない。<br />真面目なテーマを真面目に仕上げてしまった印象。<br />関西ならもっと、アホなことを真剣にやってほしかった。<br /><br />大阪の女性を「縁の下の力持ち」的に書かれたのも残念。<br />関西のオバチャンは、下になど居ない。(´・ω・`)キッパリ<br />天は人の上におかんを作り、おかんの下におとんを作る。<br />(↑お前の家がそうだってだけじゃないのか)<br /><br />作品のテーマはいいと思うが、関西人はオモロイでナンボだと思う。<br />ホントに個人的主観で申し訳ないが<br /><br />個人評価:★★<br /><hr size="1" /><br />今は慣れたが東京に来た当時は、言葉が違うのに発狂しそうだった。<br />自分の中では関西弁が標準語だから。<br /><br />西の人間は多かれ少なかれこういう感覚で生きている為<br />東の友人が西に遊びにきた時に<br />「コッチの人間は、駅もホテルも何故方言を使うんだ!<br /> 公共の場では標準語使えよ!」とキレていたが<br />なに言ってるかちょっと分かんなかったです。
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緘黙 五百頭病院特命ファイル

緘黙: 五百頭病院特命ファイル春日 武彦/新潮社 by G-Tools昨日は不真面目な医者の本だったので今日は真面目な医者の本。(笑)作家兼業医(?)の著書を、割と買う。普段論文などを書くからなのか、固めの文章が個人的に好みに合う。自分がマキロンと絆創膏くらいの知識しかないので医療分野の本は見るもの聞くもの新しく、面白い。「緘黙」とは、言語能力があるにも関わらず言語を発しない症例を言う。ストーリーとしては、15年... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101370869/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51kvbRMgOmL._SL160_.jpg" border="0" alt="緘黙: 五百頭病院特命ファイル (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101370869/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">緘黙: 五百頭病院特命ファイル</a><br />春日 武彦/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />昨日は不真面目な医者の本だったので<br />今日は真面目な医者の本。(笑)<br /><br />作家兼業医(?)の著書を、割と買う。<br />普段論文などを書くからなのか、固めの文章が個人的に好みに合う。<br />自分がマキロンと絆創膏くらいの知識しかないので<br />医療分野の本は見るもの聞くもの新しく、面白い。<br /><br />「緘黙」とは、言語能力があるにも関わらず言語を発しない症例を言う。<br />ストーリーとしては、15年間「緘黙」状態にある患者を<br />原因と治療法を突き止めるため、3人の医者が交代で担当をするのだが<br />津森医師…精神病に心因や家族関係という原因があると考え<br />     早急な治療はしないタイプ。<br />大辻医師…いわゆるエリートで、薬物投与や物理アプローチも<br />     積極的に試みるタイプ。<br />蟹江女医…2人の中間とも言うべき存在なのか<br />     いいと思ったものを感覚的に取り入れるタイプ。<br /><br />(´ε`;)ウーン…<br />個性をはっきりと3人の医師で分けた割に<br />キャラとしての魅力がやや薄かった印象。<br />が、精神病院と言う素材としては面白く読めた。<br />中から見た精神病院の表現が、治療の場だけでなく<br />「近隣に望む通りの不安や恐怖を提供する施設」というのは生々しい。<br />差別反対を叫ぶより、余程リアリティがある。<br /><br />精神病院といくつかの症例の紹介、<br />更に緘黙にスポットライトが当たるところまでは良かったが<br />治療が始まってから話が小さくなった印象。<br />専門故にキッチリ書いてしまったのだろうか?<br />ついでに結末もキッチリ付き過ぎてしまったような…。<br /><br />精神医療関係で働く友人がいるが<br />話を聞いていると、大変過ぎて噴出してしまう事がある。(失礼)<br />だが本人が真正面から向き合っているからこそ<br />こちらも重過ぎず、また軽過ぎず受け止めることができるのだ。<br /><br />その姿勢は、本からも伝わってくる様に思う。<br />「患者には患者の秩序がある」というくだりが、妙に心に残った。<br /><br />あくまでお話視点での個人評価:★★<br /><hr size="1" /><br />そう言いながらも自分は<br />歯医者以外はほとんど医者に行かない人間だ。<br />小さいころに人の倍くらい医者に行ったので<br />もう行かなくていいような気がしている。(ンなハズはない)<br /><br />ところでお客様の中に、歯医者の診察台に載ると<br />猛烈な睡魔に襲われる人はいらっしゃいませんか!<br />あのちゅいーんというのに歯を削られながら<br />何度か担当医の指を噛みかけて、声を掛けられて起こされた事がある。<br /><br />同意されたことが一度もないのだが…。<br />
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伊良部一郎シリーズ

イン・ザ・プール奥田 英朗/文藝春秋 by G-Tools多分彼の本路線は「邪魔」とか「無理」のような人間関係を巡るシリアス路線なんだろうと思うが個人的には、+コミカル=シニカル路線の「ララピポ」なんかの方が印象に残っている。そこに更に×コミカルな形を押し出して人間関係の皮肉部分を面白上手く隠したような伊良部シリーズが秀逸だと思うんである。伊良部総合病院の神経科担当医は、息子・伊良部一郎だ。コレが逆方向に天下一... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416771101X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41coaYg6nBL._SL160_.jpg" border="0" alt="イン・ザ・プール (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416771101X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">イン・ザ・プール</a><br />奥田 英朗/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />多分彼の本路線は「邪魔」とか「無理」のような<br />人間関係を巡るシリアス路線なんだろうと思うが<br />個人的には、+コミカル=シニカル路線の「ララピポ」<br />なんかの方が印象に残っている。<br /><br />そこに更に×コミカルな形を押し出して<br />人間関係の皮肉部分を面白上手く隠したような<br />伊良部シリーズが秀逸だと思うんである。<br /><br />伊良部総合病院の神経科担当医は、息子・伊良部一郎だ。<br />コレが逆方向に天下一品の「大病院の一人息子」で<br />デブで色白でワガママでマザコンで<br />更にはポルシェに乗っているという立派な馬鹿息子だ。<br />うむ、ドラ息子とバカ息子は真っ赤なスポーツカーに乗ってないと。(偏見)<br /><br />ロクな治療はしないし、人の話も聞かない。<br />そんなことで患者は治るのかと心配になる。<br />けれども、治るのである。<br />患者が自力で。(笑)<br />グダグダな医者におたまのような巨大な匙をブン投げながら<br />彼らは自分で自分の原点に気付くのだ。<br /><br />まあお話だからと言えばそれまでだが<br />伊良部の治療は案外、考えさせられるところがある。<br /><br />大概の人は、自分を何割か隠して生きている。<br />多分それは、自分の中にその容量があるという<br />心の健康の証でもあるのだと思う。<br />それが自分の中で隠しきれなくなったとき<br />人は、誰かに相談したり愚痴ったりするのだと思う。<br />それの最上級が「キレる」ではないだろうか。<br /><br />人を知りたければ何に対して本気で怒るかを知れ、という格言があったが<br />理解して貰えない状況こそ、人は本音を漏らすのかも知れない。<br />ただそれは、「無関心」であってはならない。<br />全く理解して貰えなければ、人は口を噤んでしまうからだ。<br /><br />伊良部は話を聞かない。<br />善良故でなく、ただヒマだから相手に付き合って<br />そうして暴走する。<br />患者が理性の容量を取り戻すほどに。<br />名医なのか、ヤブなのか?<br />いや勿論、こんな方法が心療ガイドラインにはなれないだろうが。<br /><br />そう思うと「いらっしゃーい」という病院には御法度の挨拶も<br />伊良部の意図が含まれているのかと思ったり。<br />自分の場所が其処に有ることは、自身の存在の原点だろう。<br />原点。<br />むしろ伊良部は、原点だけの医者かも知れない。<br />だから最低で、平均で、なのに最高だ。<br /><br />表紙が3冊を通して赤ん坊なのも、そんな意味があるのかも知れない。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />もし以降に続編が出るなら、伊良部の原点が読みたい。<br />(多分)溺愛する息子を、病院の地下に押し込めておいて<br />両親は将来、伊良部をどうするのか気になる。<br /><br />奥田さん、お願いします。_(_^_)_
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真夜中のパン屋さん~午前0時のレシピ

真夜中のパン屋さん大沼 紀子/ポプラ社 by G-Tools実はコレ、人に貸してもらった本。先日の「スープ・オペラ」もそう。阿川さんは読んだ事あるのでなんとも思わなかったのだが正直なところ、コレは表紙を見たとき趣味に合うかなー、と少し心配してしまった。先日の記事でジャケ買いはしないと書いたが逆に「表紙で買わなかった」というのはあると思う。ラノベ風だったり恋愛小説風にみえるものはなんとなく手に取らないことが多い... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591124797/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51odiA5qwKL._SL160_.jpg" border="0" alt="真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591124797/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">真夜中のパン屋さん</a><br />大沼 紀子/ポプラ社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />実はコレ、人に貸してもらった本。<br />先日の「スープ・オペラ」もそう。<br />阿川さんは読んだ事あるのでなんとも思わなかったのだが<br />正直なところ、コレは表紙を見たとき<br />趣味に合うかなー、と少し心配してしまった。<br /><br />先日の記事でジャケ買いはしないと書いたが<br />逆に「表紙で買わなかった」というのはあると思う。<br />ラノベ風だったり恋愛小説風にみえるものは<br />なんとなく手に取らないことが多い。<br />(※自分の読書傾向の上でのチョイスってだけです。念の為)<br />で、今回思った。<br /><br /><strong><span style="color:#ff0000"><span style="font-size:x-large;">表紙で良本を素通りしてたとか、無念。</span></span></strong><br />いや、素通りしたのは自分だが<br />出版社は安易に、読者層を限定するような表紙作らないでくれよ!<br />否、その高みを超えた者こそが本読みの勇者となりうるのか。<br /><br />話を戻そう。まだ始まってもいないが。<br />「真夜中のパン屋さん」は、なんと家族への情愛を考える本だった。<br />美味しいパンが食べたくなる本か<br />イケメンだらけのパン屋で心乱れる女子高生の初恋本かと考えていた<br />安易な自分のレベルアップ音はまだ遠い。<br /><br />希実(のぞみ)は小さい頃から親戚や知人宅に預け回されていた為<br />そんな母親の育児を「カッコウ」と呼んできた。<br />次の托卵先は、海外エリートマンの夫婦だった筈が<br />なんと男二人で深夜営業するパン屋だった。<br /><br />柔和な暮林と厳しい弘基と暮らすようになり<br />おなじ「カッコウ」の母親に育てられた小学生や<br />筋の通った変態のシナリオライター<br />そしてホームレスのオカマなどと知り合っていく。<br /><br />希実にはまだ分からない「愛情」というものの色々な側面が<br />人物たちを通して、少しずつ考えられるようになる。<br />そもそもこのパン屋が開業したのも<br />暮林が妻を亡くしたことが切っ掛けだったのだ。<br /><br />地文が1人称視点と3人称視点で混ざり気味な印象はあるが<br />話が分かり易いので、大きく混乱するところはない。<br />現在2巻まで刊行され、もうすぐ3巻が出るらしい。<br /><br />みんなちがって、みんないい。<br />金子みすゞの詩ではないが、キャラがそれぞれ上手い。<br />特に「筋の通った変態」は、話を進行させる現実的なナビゲーターとしても<br />ちゃんと使い勝手のいいキャラにしてある。<br />少々理想的過ぎる部分がなくもないが<br />話のコンセプトには合っている。<br /><br />自分がゴハン党なので、パンにはあまり惹かれなかったが<br />読めば米でなくてパンなのも納得。<br /><br />現時点での個人評価:★★★<br /><br />近いうちに2巻も読んでみる。<br /><hr size="1" /><br />閑話<br /><br />「悪の経典」が今朝のニュースになってましたな。<br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-4.html" target="_blank" title="悪の経典">ウチの記事でも書いた</a>が、殺人が軽い気持ちで繰り返されるという<br />そういう部分にショックを受けるというのは、大島さん純粋な人だと思った。<br />人間としてそういうのは大事にして欲しいし、好感も持った。<br /><br />ただお仕事としては、「この作品を嫌い」とメディアに言ってしまうのは<br />衝撃のあまりだったのだろうが、ちょっとなぁと思った。<br /><br />まあそう考えると、女優さんというお仕事も大変だよね。
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モダンタイムス 上・下巻

モダンタイムス(上)伊坂 幸太郎/講談社 by G-Tools伊坂氏の作品との出会いは「重力ピエロ」。以降ずっと新刊が出ても中身を見ずにレジに持って行ける嬉しい作家のひとりである。伊坂作品は謎解きというよりバラバラと出てくる伏線の欠片が結末に向かって1つになっていく行程が爽快だ。それがミステリーだろうと言われればそうなのだが伏線の張り方とバラし方のバランスがいいと言うか最後数ページで「スカッ」とする感覚がクセに... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062770784/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41RhoAyWfCL._SL160_.jpg" border="0" alt="モダンタイムス(上) (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062770784/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">モダンタイムス(上)</a><br />伊坂 幸太郎/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />伊坂氏の作品との出会いは「重力ピエロ」。<br />以降ずっと新刊が出ても<br />中身を見ずにレジに持って行ける嬉しい作家のひとりである。<br /><br />伊坂作品は謎解きというより<br />バラバラと出てくる伏線の欠片が<br />結末に向かって1つになっていく行程が爽快だ。<br />それがミステリーだろうと言われればそうなのだが<br />伏線の張り方とバラし方のバランスがいいと言うか<br />最後数ページで「スカッ」とする感覚がクセになる。<br /><br />何より登場人物たちが、何処か斜に構えているのがいい。<br />難事件や危機に対峙しながら<br />脳内で悠長にボケツッコミを展開しているのが<br />個人的に非常にリアリティがあって好みだ。<br />「死神の精度」の音楽好きの死神などは、伊坂氏ならではのキャラだと思う。<br /><br />語ると長いので、本作品の話に行こう。<br /><br />SEの渡辺は、意図不明なプログラムの仕様変更を請け負う。<br />その意図を解こうとして、先の責任者は行方不明になり<br />後輩も警察に追われる身となった。<br />判明したことは、1つ。そのプログラムは<br />「ある3つのキーワードで検索する者をサーチしている」のだった。<br /><br />無論これ以外にも、渡辺の妻やら<br />サイトやらニュースやら何やら伏線がてんこ盛りなのだが<br />ここで迷宮に迷うより、本作で迷子になって頂いた方がいいだろう。<br />単行本と文庫本で、作品の結末を少し変えている所為か<br />下巻ではやや説明っぽい文章が多いように感じたが<br />冒頭の伏線と茶目っ気を含んだラストは、いかにも伊坂ワールドだ。<br /><br />ところで話はここで終わらない。<br />この本を読んだらきっと「3つのキーワード」で検索したくなる筈だ。<br />自分がそうだった。(笑)<br />軽い気持ちでやってみて、驚愕した。<br />さすが伊坂氏、ここまで手をまわしていたとは…!<br /><br />是非、ご体感あれ!の個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />閑話。<br /><br />先日の「<a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-34.html" target="_blank" title="折り紙大名">折り紙大名</a>」で書いたカニやエビの折り紙だが、<br />この世には「創作折り紙」なるものがあり、実在することが判明。<br />動画見ながら作ってみた。<br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/img/20121117215715434.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-52.fc2.com/h/a/r/harubooook/20121117215715434.jpg" alt="カニ" border="0" width="300" /></a><br /><br />きぬの作ったカニは、刀を振り下ろすことを躊躇うほどに<br />生き生きとした生命力に溢れていたそうだが…。<br /><br />まぁある意味、ラジオ体操に来たカニみたいではある。
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スープ・オペラ

スープ・オペラ阿川 佐和子/新潮社 by G-Tools上手いなあ、と思う。阿川佐和子さんの文章だ。脳と言うのは不思議なモノで仕事の時は仕事のことを、悩んでる時は悩みを考えているようでいてその実、何処か頭の空洞の辺りでお昼は何食べようかと吟味していたりくだらないボケツッコミをしていたりするものだがそれが文章の中で、上手くダダ漏れている。主人公・島田ルイが三十路過ぎで独身だとか両親は不在で、叔母の「トバちゃん」... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101184534/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/419aVp1NdOL._SL160_.jpg" border="0" alt="スープ・オペラ (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101184534/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">スープ・オペラ</a><br />阿川 佐和子/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />上手いなあ、と思う。<br />阿川佐和子さんの文章だ。<br /><br />脳と言うのは不思議なモノで<br />仕事の時は仕事のことを、悩んでる時は悩みを考えているようでいて<br />その実、何処か頭の空洞の辺りで<br />お昼は何食べようかと吟味していたり<br />くだらないボケツッコミをしていたりするものだが<br />それが文章の中で、上手くダダ漏れている。<br /><br />主人公・島田ルイが三十路過ぎで独身だとか<br />両親は不在で、叔母の「トバちゃん」と2人暮らしだとか<br />そのトバちゃんが男を作って旅に出た後、<br />代わりに思いっきり年上のオッサンと、年下の青年が転がり込んできたとか<br />多分そういうストーリーは、どうでもいいのだ。<br /><br />いや、どうでもいいって言うのは語弊があるが<br />阿川さんの小説は、阿川ワールドの心地よさを楽しむものな気がする。<br />肩の力を抜いて、主人公の視点で話を追っていけばいい。<br />うん、そうかも。<br />あー、分かる分かる。<br />ソレでソレで?<br /><br />それは簡単なようで、意外と難しい。<br />キャラが性格的に押しつけがましいものであれば<br />その視点に同調はできないだろう。<br />人間関係と同じで、読み手とキャラにも仲良くなる共通項が必要だ。<br /><br />そういう意味で、小物の使い方も上手い。<br />天気と食べ物の話は無難などとよく言われるが<br />確かに小説でも食べ物というのは<br />多少インテリな描写であれ、万人が理解可能範囲にはある。<br />「桃の冷製スープ」なんて書かれた日には<br />なにソレ、そんな摩訶不思議な物が世の中にあるのかと興味津々である。<br /><br />スープは随所に出てくるが、料理小説ではない。<br />トリがらと肉屋、薄いハムカツ、庭の枇杷、<br />小説家の奥さんの鎖骨と真珠、犬の吠え声とサイレン。<br />そんなものが話の中で少しずつ重なって<br />1つの話に整えられているのが心地良い。<br /><br />「スープ・オペラ」とはそういう意味であったのかと<br />勝手に勘ぐってみたりする。<br /><br />個人評価:★★★<br /><hr size="1" /><br />閑話。<br /><br />本当はこれを読む前に、違う本を読み始めていたのだが<br />これが30ページも読まない内に、先に進めなくなってしまった。<br />読みつ戻りつしていたが、結局諦めてしまった。<br /><br />読んでないので書評にはしないが、さっぱり意味が分からない。<br />あんまり分からないので、自分の読解力がどうかしたのかと悩む。<br />借り物なので持ち主に聞いてみるも、本人はどういう話か忘れたと言う。<br /><br />完読すべきか、試しに他の著書を読んでみるべきか…。
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折り紙大名

折り紙大名矢的 竜/中央公論新社 by G-Tools「ジャケ買い」という言葉があるが本なら表紙買いとでも言うのだろうか。実際、表紙だけを見て買うことは少ないと思われる。あるとしたら、そのお方は豊潤な資金と四次元に通じる本棚をお持ちの御大尽であろう。羨ましい限りだ。だが確かに表紙は、本読みの目と財布を開くアイテムではある。斯く言う自分も、ふと表紙に惹かれて本を手に取ることはある。ただし口絵ではなく、タイトルだ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122054656/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-kEg59lqL._SL160_.jpg" border="0" alt="折り紙大名 (中公文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122054656/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">折り紙大名</a><br />矢的 竜/中央公論新社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />「ジャケ買い」という言葉があるが<br />本なら表紙買いとでも言うのだろうか。<br /><br />実際、表紙だけを見て買うことは少ないと思われる。<br />あるとしたら、そのお方は<br />豊潤な資金と四次元に通じる本棚をお持ちの御大尽であろう。<br />羨ましい限りだ。<br /><br />だが確かに表紙は、本読みの目と財布を開くアイテムではある。<br />斯く言う自分も、ふと表紙に惹かれて本を手に取ることはある。<br />ただし口絵ではなく、タイトルだ。<br />また前置きが長くなったが<br />この本はタイトルのインパクトが凄いって話である。<br /><br />「折り紙大名」と言われて、どんな話を想像しますか奥さん。(←誰よ)<br />正直なところ、自分はギャグっぽいモノか<br />もしくは口絵から、殿様と娘っこのハートフルストーリーを想像した。<br />帯には『この世には命懸けで折られる折り紙がある』とあったが<br />アテにならない煽り文句は珍しくない、とタカを括っていたが<br /><span style="color:#ff0000"><span style="font-size:x-large;"><strong>ガチだったとは思わなかった。</strong></span></span><br /><br />主人公・松平重治は実在した人物で<br />身分の低いものと交わった罪で、お家取り潰しを受けている。<br />この時代によくあったものであるのか<br />それとも無理矢理の罪状なのかは分からないが<br />この史実を生かしたストーリーとなっている。<br /><br />重治は松平家の養子であるが<br />身分と気位の高い妻に、息苦しさを感じている。<br />そんな重治の唯一の楽しみは、折り紙を折ることだった。<br />「折り方」という典礼に必要な嗜みではあるものの<br />武士らしくないその趣味に、妻はいい顔をしない。<br /><br />理解者は過信の長元坊と、当時の将軍・家綱だ。<br />特に政治から引き離された病弱な家綱が喜ぶのを見て<br />重治は一層、その心をお慰めしたいと願う。<br />そんな折、長元坊がひょんなことから<br />町娘・きぬの折った見事な折り紙を重治に渡す。<br /><br />いやもう、ドトウの折り紙人生なのだ。<br />殿様、折り紙に命掛けてなさる。<br />更に折り紙に恋までなさる。<br />それどころか、折り紙から人間まで見えなさると言う。<br />遂には命を掛けて、折り紙絶ちまでなさる。<br />なんかもうすごい。<br />折り紙のおかげで身長が3センチくらい伸びそうな勢いだ。<br /><br />蟹を折るくらいならなんとなく分かるが<br />1枚の折り紙で伊勢海老を作るとか、想像を絶する。<br />実際にできるのかどうかは知らないが<br />これも文字の世界ゆえの楽しさではないだろうか。<br /><br />最後数十ページで重治が、人間の本能と侍の理性に喘ぐ姿は<br />元ネタが折り紙とは思えないほどに壮絶だ。<br />欲を言えば、終章よりここに力を入れて結末をつけてくれたら<br />評価はもう一段か二段、上がったかもしれない。<br />だが、折り紙でここまでの話を読めるとは予想外だった。<br /><br />ていうか自分も折り紙で熱く書評を語るとは、ついぞ思ってなかったが。<br /><br />個人評価:★★★
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押入れのちよ

押入れのちよ荻原 浩/新潮社 by G-Tools人から聞いた怪談で、本当に「背筋が寒くなる」と言うのを体感したことがある。アレをもう一度体験したくて怪奇本を買い求めるのだがなかなかソコまでのシロモノには巡りあえない。それでもそのページを読んで本を持つ手に何か嫌なものが沁みだしているようなそんな感覚を味わえるとちょっと嬉しい。(ヘンタイか)「押し入れのちよ」は表題含む9編の怪異短編集。 ・お母さまのロシアのス... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410123034X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41WZ8J439yL._SL160_.jpg" border="0" alt="押入れのちよ (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410123034X/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">押入れのちよ</a><br />荻原 浩/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />人から聞いた怪談で、本当に<br />「背筋が寒くなる」と言うのを体感したことがある。<br />アレをもう一度体験したくて怪奇本を買い求めるのだが<br />なかなかソコまでのシロモノには巡りあえない。<br /><br />それでもそのページを読んで<br />本を持つ手に何か嫌なものが沁みだしているような<br />そんな感覚を味わえるとちょっと嬉しい。(ヘンタイか)<br /><br />「押し入れのちよ」は表題含む9編の怪異短編集。<br /> ・お母さまのロシアのスープ<br /> ・コール<br /> ・押入れのちよ<br /> ・老猫<br /> ・殺意のレシピ<br /> ・介護の鬼<br /> ・予期せぬ訪問者<br /> ・木下闇<br /> ・しんちゃんの自転車<br />ミスリードを誘う怪異あり<br />ちょっとほのぼのする怪異あり、くすっとくる怪異ありで<br />ホラーを求めて購入したのだが、お話としても十分楽しめた。<br /><br />やはり表題の「押し入れの~」が秀逸で<br />これだけで一冊書き下ろして欲しいと思ったくらい。<br />レベルとしては、夜中にトイレに行けないほどではないが<br />ちょっと押し入れが気になる程度の怪異。(←?)<br /><br />しかし昼間は楽しんで読んだ話も<br />夜になって明かりを落とすと、ふと気になったりするのである。<br />ひょっとして、押し入れにちよがいるのではないかと。<br />押し入れを開け、ぎゅうぎゅうに詰まった本と段ボールにホッとする。<br />うむ、我が家の押し入れに死角は無かった。<br /><br />押し入れに適度な隙間がある人向け。(笑)<br /><br />個人評価:★★★★<br /><br /><hr size="1" /><br />聞いてぞくっとした怪談。書評とは無関係なので反転。<br />↓<br /><span style="color:#ffffff">少女は教室に忘れ物をしたことを思い出して、夜の学校に忍び込む。<br />忘れ物を無事に手にして振り替えると<br />恐ろしい顔をした女が、入口の戸の前でじっと睨んでいる。<br /><br />少女は後ろの戸から逃げ出すが<br />恐ろしい顔の女がものすごいスピードで追いかけてくる。<br />学校を出るまでに追いつかれると思った少女は<br />女子トイレに飛び込んで、一番奥の個室の中から鍵をかける。<br /><br />ひたひたと足音が近づいてくる。<br />扉の下の隙間から、白い足が見えた。<br />が、すぐそこに居るというのに、何もしてこない。<br />どうやら此処には入ってこれないらしい。<br /><br />少女はしゃがみこんで、目を閉じる。<br />大丈夫 朝になれば<br />このまま夜が明ければ、きっと助かる<br />早く 早く朝になって<br /><br />長い長い時間が経って、ゆっくりと目を開ける。<br />窓から差し込む光に、夜が明けたことを知る。<br />隙間から、あの白い足は見えない。<br />助かったんだ、とそっと扉を開ける。<br /><br />少女の目の前には、白い足がだらりと浮いていた。<br /><br />※トイレの構造を想像してください。<br /> 目の前に足があるということは、顔は…?</span><br /><br />映画は視覚・聴覚の刺激=体感だが<br />本や話は想像という一段を踏んで、感覚が体に入ってくる。<br />この時間差が生む半リアルが、本を読む醍醐味だと思うんである。<br />
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カイシャデイズ

カイシャデイズ山本 幸久/文藝春秋 by G-Toolsタイトルそのままに某企業で働く社員たちの日常を連ねた短編集。内装会社「ココスペース」の規模は多分、中くらいであろう。営業チーフ・高柳から話は始まり、次話は施工管理の篠崎へ。営業社員・石渡、統括部・大屋、営業部リーダー・江沢の話を挟んで6話目は設計部の隈本話へと続く。こう書くと企業説明会の順番みたいだがこれがまたグダグダで、そのグダグダっぷりが楽しい。いや... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167801248/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51mJYRXOJvL._SL160_.jpg" border="0" alt="カイシャデイズ (文春文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167801248/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">カイシャデイズ</a><br />山本 幸久/文藝春秋<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />タイトルそのままに<br />某企業で働く社員たちの日常を連ねた短編集。<br /><br />内装会社「ココスペース」の規模は多分、中くらいであろう。<br />営業チーフ・高柳から話は始まり、次話は施工管理の篠崎へ。<br />営業社員・石渡、統括部・大屋、営業部リーダー・江沢の話を挟んで<br />6話目は設計部の隈本話へと続く。<br /><br />こう書くと企業説明会の順番みたいだが<br />これがまたグダグダで、そのグダグダっぷりが楽しい。<br />いや、全員ちゃんと仕事をしているのだが<br />会社にありがちななぁなぁ部分が上手く出ていて<br />就活前に読んだら、うっかり会社は楽しいトコだと勘違いしそうだ。(笑)<br /><br />営業→デザイン→施工という仕事の流れが<br />そのまま高柳・隈本・篠崎の3人を1枚岩にしている。<br />と言っても、企業戦士ではない。<br />ダチョウ倶楽部に近い何かがある。<br />恐らく営業部リーダーの江沢が悪役にあたるのだが<br />これが3人に邪険にされている様子は、むしろ可哀想なくらいだ。<br /><br />トリを括るのは社長・巨瀬だが、最後がいい。<br />なんだか明日も頑張って働こうかと思ってしまう。<br />ふう、危ない危ない。(←何故だ)<br />実際は描き下ろしがついているのでトリではないのだが<br />話的には巨瀬の話が最後にくるのが、一番しっくりくる。<br /><br />難を言えば、勝手な憶測だが<br />1話目を書いたときは、高柳のキャラが定まってなかったのではないか。<br />2話目以降の印象と、少しばかり違和感を感じる。<br />別に不自然な点はないのだが、なんとなくそう思った。<br /><br />ともあれ、仕事疲れが溜まった人は<br />金曜にでも読むと、ちょっと月曜の足取りが軽くなる。<br />かもしれない。<br /><br />個人評価:★★★<br /><br /><br />
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銀二貫

銀二貫高田 郁/幻冬舎 by G-Tools「みをつくし料理帖」の方もずっと読んでいるがそちらを知っている人には、問答無用でこの本を薦めている。「もうめっちゃエエ話やから!とにかくエエねん!←興奮すると関西弁が出る 松吉もエエし和助もエエし、何より善次郎があwせdrftgyふじこ」飛び込み営業も甚だしい。初めてこれを読んだとき、どうも最後数ページから鼻がムズムズしやがるぜとは思っていたのだが最後の1行で涙腺が決... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344415329/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51r1QKvmrGL._SL160_.jpg" border="0" alt="銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344415329/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">銀二貫</a><br />高田 郁/幻冬舎<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />「みをつくし料理帖」の方もずっと読んでいるが<br />そちらを知っている人には、問答無用でこの本を薦めている。<br />「もうめっちゃエエ話やから!とにかくエエねん!←興奮すると関西弁が出る<br /> 松吉もエエし和助もエエし、何より善次郎があwせdrftgyふじこ」<br />飛び込み営業も甚だしい。<br /><br />初めてこれを読んだとき、どうも最後数ページから<br />鼻がムズムズしやがるぜとは思っていたのだが<br />最後の1行で涙腺が決壊した。<br />で、今も、詳細を思い出すのに手に取ってパラパラと見ていたのだが<br />やっぱり最後の1行で目から汗が出た。<br />ええい、何度我から鼻水を噴出させたら気が済むんだ貴様。<br /><br />大阪の寒天問屋の主人・和助は<br />天満宮に寄進するためだった銀二貫の銭で<br />仇討で父を失った少年の身を預かる。<br />寄進を譲らない番頭・善次郎の反対を退け<br />和助は少年に松吉と名を与え、奉公人として雇う。<br /><br />松吉は恩に報いる為、懸命に働く。<br />また和助も寄進をするため、爪に火をともす様に日々を過ごす。<br />最初は松吉への不満が隠せない善次郎だが<br />主人や松吉と共に商売に精を出す。<br />だがそうして溜めた金は、また失われることになる。<br /><br />「みをつくし~」と同じく料理奮闘記も混じっているが<br />ここはタイトル通り「銀二貫」が主役である。<br />金の話であるのに、汚らしさが全く無い。<br />むしろこの銀二貫(時に一貫)が動く瞬間は、清らかですらある。<br /><br />もともと江戸の通貨は現在額で換算するのは難しいが<br />この本に至っては、換算する必要がない。<br />仇討を買った和助の心の大きさに<br />善次郎が最後につぶやいた言葉に<br />その金額の価値が、自然と心に沁みていく。<br /><br />文庫本でこの心の豊かさを買えたなら爆安価格である、と結んでおく。<br /><br />個人評価:★★★★★
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哄う合戦屋

哄う合戦屋北沢 秋/双葉社 by G-Toolsこの本の後に「奔(はし)る合戦屋」が出たのだが時系列的には「奔る~」が先で、「哄う~」がその後。最初は妙な順番だなーと思ったが実際読んでみて、この順番でよかったと思う。天文十八年、甲斐と越後に挟まれた中信濃。遠藤吉宏は良き領主ではあったが、戦の才がからきし無い。ふらりと現れた男が、家臣に加えてくれと願い出る。男こそは戦巧は世に聞こえるも主君を持たぬ、天才軍師・石... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575664944/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QfGD62h5L._SL160_.jpg" border="0" alt="哄う合戦屋 (双葉文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575664944/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">哄う合戦屋</a><br />北沢 秋/双葉社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />この本の後に「奔(はし)る合戦屋」が出たのだが<br />時系列的には「奔る~」が先で、「哄う~」がその後。<br />最初は妙な順番だなーと思ったが<br />実際読んでみて、この順番でよかったと思う。<br /><br />天文十八年、甲斐と越後に挟まれた中信濃。<br />遠藤吉宏は良き領主ではあったが、戦の才がからきし無い。<br />ふらりと現れた男が、家臣に加えてくれと願い出る。<br />男こそは戦巧は世に聞こえるも主君を持たぬ、天才軍師・石堂一徹であった。<br />は、どちらも作者の架空の人物である。<br />だがこの群雄割拠・下剋上の戦乱の世だからこそ<br />妙なリアリティと想像の余地があっていい。<br /><br />戦国の楽しさは、何といっても覇者の描写であろう。<br />この場合、一徹は覇者につく軍師ではあるが<br />いっそお前が天下取っちゃえよYOU!ってほどの漢前ぶり。<br />隣国に勝利を収めて喜んでいた吉弘も<br />急速に大きくなった自分の領土と<br />更に天下すら視野に入れている器の差をみて<br />次第に一徹を恐れ、また疎むようにすらなる。<br /><br />吉弘は民草を思う良き領主ではあるが、凡将なのだ。<br />そして一徹は国を切り取ることに関しては並外れた才をもつが<br />領地や施政にはからきし興味のない、あくまで「合戦屋」なのだ。<br />話は、武将物としては少々異色の結末を迎える。<br /><br />自分もこれだけを読んだのであれば、正直もう一味足りないと評したろう。<br />だがこの話の続編「奔る合戦屋」で印象が変わる。<br />一徹がフリーの合戦屋になった誕生譚で、<br />以前の主・村上義清と、甲斐の虎・武田信玄との軋轢を語る。<br />これを読んで初めて、「哄う~」の切なさが理解できる。<br />時系列は逆なのだが、敢えて作者の意図通り読んで欲しい。<br /><br />そして現在出ている「翔る合戦屋」は、「哄う~」のラストを引き継いで始まる。<br />文庫本しか買わないのでまだ読んでいないのだが、面白い書き方だ。<br />待ってる気持ちだけで評価★を追加したいくらいである。(笑)<br /><br />個人評価:★★★☆(奔る~を含んで☆1つ)
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浪人左門あやかし指南シリーズ

掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南輪渡 颯介/講談社 by G-Tools江戸時代物小説の味は、食い物・恋愛沙汰・人情話だと思う。ほんの400年ほど前のことだと言うのにこれほど様変わりして、また同時に親しみに感じるのは不思議なものだ。どれを読んでもそれなりに満足度があるのだが悪く言えば大きな差を生まないという点がなくもない。その中でも池波正太郎小説などは、この3つを満たした名作と感じるのでそれもまた大御所ならでは... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061825801/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51G0ZlNob4L._SL160_.jpg" border="0" alt="掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061825801/haruhon-22/ref=nosim/" target="_blank">掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南</a><br />輪渡 颯介/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><br />江戸時代物小説の味は、食い物・恋愛沙汰・人情話だと思う。<br />ほんの400年ほど前のことだと言うのに<br />これほど様変わりして、また同時に親しみに感じるのは不思議なものだ。<br /><br />どれを読んでもそれなりに満足度があるのだが<br />悪く言えば大きな差を生まないという点がなくもない。<br />その中でも池波正太郎小説などは、この3つを満たした名作と感じるので<br />それもまた大御所ならではなのだろうが。<br /><br />話はそれたが、第4の要素として「捕り物」があると思う。<br />3つの要素に+αとして組み込むか、どれか一つと取り換えるかは色々だが<br />要は事件解決という進行で話を進めるという形だ。<br />時代小説にミステリー風味を加えたもの考えてもいい。<br /><br />とはいえ、現代と違ってPCや電車の時刻表や新種のウィルスは出せないので<br />トリックは非常にシンプルにならざるを得ない。<br />その所為か、最近増えたなあと思うのが「怪異」である。<br />いわゆる幽霊やらの超常現象がでるものだが<br />個人的には江戸ミステリーの延長で発生したのだろうと思う。<br /><br />「浪人左門あやかし指南」はそのジャンルにあるものだが<br />要素で言うなら、酒・怪談話・師弟関係であろうか。<br />江戸時代小説のお約束がない上に<br />主人公自身が「幽霊なぞいない」と言い切っている。<br />怪談を人情話で結ぶのではなく、現実的な切り口で解決したのが<br />江戸物としては型破りで、またそこが非常に面白かった。<br /><br />酒と怪談好きの剣豪・左門だが<br />その弟子にあたる刈谷は、左門の所為でオバケが大の苦手。<br />この師弟関係が、作品の大きな魅力である。<br />時代的にずいぶんライトな上下関係な気がしなくもないが<br />現代小説で先輩後輩であったら、この面白味は半減するだろう。<br />武士の時代であるからこそ、この奔放な師匠と<br />真面目な弟子の関係がくすっとくる。<br /><br />「幽霊と言うものが出た時点で、人は思考を止めてしまう」<br />これはなかなかの格言で、ううんと唸ってしまった。<br />小説にしろ映画にしろ、確かにそういうものだと納得している自分がいる。<br />出ても不思議はないし、何が起こっても仕方がない。<br />それが出てきたら、多少の不都合は目を瞑らなくてはならない、と。<br /><br />それを自ら否定し、飄々と怪異と対峙する主人公の姿は痛快である。<br />またその出来過ぎたイケメンっぷりをフォロー(?)するために<br />刈谷が面白いほどに腰を抜かしてくれる。<br />天晴なキャラ構成だ。<br /><br />現在シリーズは「掘割で笑う女」のほかに<br />「百物語」「無縁塚」「狐憑きの娘」が出ている。<br />どれも面白い。<br /><br />今後もシリーズのの面白さを続くことを願って<br /><br />個人評価:★★★★
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屍鬼 1~5巻

屍鬼〈1〉小野 不由美/新潮社 by G-Tools十二国記の方もファンで読んでいるが(続きは何時…)小野さんの著書では「屍鬼」の方が強烈に印象に残っている。年末年始休みに読もうと思って5冊まとめ買いしたのだがあまりの面白さに途中で止めることができず正月が来る前に読み終わってしまったという思い出がある。最近は大晦日まで本屋開いててよかった…。『村は死によって包囲されている』という冒頭から小さな山村を飲み込んでい... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%8D%E9%AC%BC%E3%80%881%E3%80%89-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E4%B8%8D%E7%94%B1%E7%BE%8E/dp/410124023X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D410124023X" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DCRF5BJNL._SL160_.jpg" border="0" alt="屍鬼〈1〉 (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%8D%E9%AC%BC%E3%80%881%E3%80%89-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E4%B8%8D%E7%94%B1%E7%BE%8E/dp/410124023X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D410124023X" target="_blank">屍鬼〈1〉</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />小野 不由美/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />十二国記の方もファンで読んでいるが(続きは何時…)<br />小野さんの著書では「屍鬼」の方が強烈に印象に残っている。<br /><br />年末年始休みに読もうと思って5冊まとめ買いしたのだが<br />あまりの面白さに途中で止めることができず<br />正月が来る前に読み終わってしまったという思い出がある。<br />最近は大晦日まで本屋開いててよかった…。<br /><br />『村は死によって包囲されている』という冒頭から<br />小さな山村を飲み込んでいく死の連鎖。<br />村1つが丸ごと舞台になっているので、1巻は登場人物を追うので精一杯だ。<br />しかし登場してすぐに死んでしまったとしても、忘れてはならない。<br />後からその人間は、もう一度出てくるかも知れないからだ。<br />そう、「起き上がり」となって、だ。<br /><br />ホラーにおける最高のオチは<br />「最終的に一番怖いのは人間だ」だと何処かで聞いた気がする。<br />主人公格の1人・尾崎医師と、元子を思う。<br />片方は正義に、片方は執念によって起き上がりを排除しようとするが<br />その行動はどちらも狂気の沙汰だ。<br /><br />だが静信は、理由を問わずコミュニティに属せない者は<br />そこを追われるのが自然の摂理なのだという。<br />つまり和を乱す者は、理由を問わず殺していいのだ。<br />それは、戦争の持つ狂気にも似ている。<br /><br />最高のオチがついたかどうかは分からないが<br />ストーリーの中の生者側にも死者側にも属してない、<br />自分もその人間なのだという観点で<br />少しばかり恐ろしいことのように感じた。<br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-4.html" target="_blank" title="悪魔の経典 上・下巻">悪魔の経典 上・下巻</a>の記事でも触れたが<br />死が連続する話は、読んでる側も感覚が麻痺しがちだ。<br />だがこれは終章に至るまで、死への緊張感は緩まない。<br />その連鎖が止まったと思われたくだりで自分もほっと安堵し<br />そうして同時に、どっと疲労する。<br /><br />その心地よい疲労感と読後感を味わう為に、ハードカバー上下巻<br />もしくは文庫5巻の一括買いを是非にお薦めする。<br /><br />個人評価:★★★★★
26

藤十郎の恋・恩讐の彼方に

藤十郎の恋・恩讐の彼方に菊池 寛/新潮社 by G-Tools朝の投稿と対比させるつもりはないが(笑)、思い出したので。菊池寛作品初期短編集。今読めば極々普通の時代小説と見えるかもしれないが氏は明治生まれで、戦後まもなく没した作家である。当時では、革新的とも言えるものであったのではあるまいか。↑というのは、読後にあとがきで知ったのだが内容よりも、その文体の快さにほうとなった。文庫版は旧仮名遣いはほぼ改められ、... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%97%A4%E5%8D%81%E9%83%8E%E3%81%AE%E6%81%8B%E3%83%BB%E6%81%A9%E8%AE%90%E3%81%AE%E5%BD%BC%E6%96%B9%E3%81%AB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%8F%8A%E6%B1%A0-%E5%AF%9B/dp/410102801X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D410102801X" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41A3n%2B2cPFL._SL160_.jpg" border="0" alt="藤十郎の恋・恩讐の彼方に (新潮文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%97%A4%E5%8D%81%E9%83%8E%E3%81%AE%E6%81%8B%E3%83%BB%E6%81%A9%E8%AE%90%E3%81%AE%E5%BD%BC%E6%96%B9%E3%81%AB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%8F%8A%E6%B1%A0-%E5%AF%9B/dp/410102801X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D410102801X" target="_blank">藤十郎の恋・恩讐の彼方に</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />菊池 寛/新潮社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />朝の投稿と対比させるつもりはないが(笑)、思い出したので。<br /><br />菊池寛作品初期短編集。<br />今読めば極々普通の時代小説と見えるかもしれないが<br />氏は明治生まれで、戦後まもなく没した作家である。<br />当時では、革新的とも言えるものであったのではあるまいか。<br /><br />↑というのは、読後にあとがきで知ったのだが<br />内容よりも、その文体の快さにほうとなった。<br />文庫版は旧仮名遣いはほぼ改められ、<br />難読漢字にはルビも振ってあるので非常に読みやすい。<br />内容も無論だが、何より日本語が美しい。<br /><br />「お乳母日傘(おんばひがさ)」という字面に感じ入る。<br />今でいうなら「ドコへ行くにもベビーシッターがついてきて<br />UV対策までがっつりしてくれるってコト」となるんだろうか。<br />いやいや、ソレではその育ちの上品さまでは表せない。<br />本当に、日本語とは凄いモノだ。<br /><br />短編の主題はどれも、妬みや高慢、驕りや恋など<br />人の心にふと落ちる感傷となっている。<br />だがどれもしっくりと来て、後に余韻が残る。<br />表題の「藤十郎の恋」「恩讐の彼方に」もよい話だが<br />「ある恋の話」が個人的に好きだ。<br />今のデレツンの元祖だったら、菊池先生凄すぎる。(笑)<br /><br />今では使われない漢字表記など、目にするだけで楽しい。<br />漢字に(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァするも一興<br />日本人の心のワビサビにひたるも一興。<br /><br />兎にも角にも文壇の大御所の力を見た、という感じか。<br /><br />個人評価:★★★★
25

リアル鬼ごっこ

リアル鬼ごっこ山田 悠介/幻冬舎 by G-Toolsイマイチだった本を思い返すコーナー。(コーナーではない)基本的に、大概の本は美味しくいただく。ちょっとアレだなと感じた時は何故それが自分に合わなかったのか追及してみると再発見があったりまたこういう話だったら好みなのになとか脳内で妄想して味付けしなおしてみるのもオツである。最初の印象は良くなくてもふと雨の中で子犬を拾うアイツを見かけて気になったりメガネをはず... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E9%AC%BC%E3%81%94%E3%81%A3%E3%81%93-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-ebook/dp/B009CTU10Y%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB009CTU10Y" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/511jMqf45hL._SL160_.jpg" border="0" alt="リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E9%AC%BC%E3%81%94%E3%81%A3%E3%81%93-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-ebook/dp/B009CTU10Y%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB009CTU10Y" target="_blank">リアル鬼ごっこ</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />山田 悠介/幻冬舎<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />イマイチだった本を思い返すコーナー。(コーナーではない)<br /><br />基本的に、大概の本は美味しくいただく。<br />ちょっとアレだなと感じた時は<br />何故それが自分に合わなかったのか追及してみると再発見があったり<br />またこういう話だったら好みなのになとか<br />脳内で妄想して味付けしなおしてみるのもオツである。<br /><br />最初の印象は良くなくても<br />ふと雨の中で子犬を拾うアイツを見かけて気になったり<br />メガネをはずすと案外可愛くてドッキンとか<br />そういう展開もあるかもしれない。<br />(例えが分かりにくいうえにフラグが古い)<br /><br />まぁそんなカンジで<br />本には割と寛容な態度で臨んでいる(つもり)の自分が<br />読了後、リアルで本を床に叩きつけた唯一の本がコレである。<br />ある意味、思い出深い。<br /><br />内容に関しては、アマゾンさんのレビューを見てもらった方が面白いので<br />そちらをご参照ください。<br /><br />以降、著作は拝読していないのだが<br />いまだに本屋で著者の作品が並んでいるのをみると、狂おしい気持ちになる。<br />アレからあの人はどうしているのだろう。<br />あの頃と変わったのかしら。<br />それともあの頃のままなのかしら。<br />けれど確かめるのが怖い。<br />ゴメンなさい。もうアタシには傷つく勇気がないの。<br /><br />くだらん冗談はさておき<br />最近、著者の作品が中高生に人気だという記事を読んで<br />余計なお世話ながら気になった。<br />以降の著作を読んでないのに憶測で申し訳ないが<br />本当にあの話と文体がウケているのだとしたら、少々心配だ。<br /><br />王様が世界中の佐藤を排除するという突飛な冒頭文も<br />コチラとしてはツッコミ待ちなのかと疑いたくなるのだが<br />彼らには「昔々、あるところに爺と婆がいました」と変わらず<br />ツッコミ不要の大前提として「大丈夫、問題ない」なのだろうか。<br />いや、そんな装備で大丈夫か。<br /><br />また文法的にヘンという指摘は、自分も大いに同意するところだが<br />『記憶全然覚えてないっていうかぁ』程度の会話なら<br />ある意味、電車や街中で耳にしている気がする。<br />「フィーリング文法」とでも言おうか<br />今のコ達には、然程気にならない事なのかも知れない。<br />否、むしろ「理解しやすい」のかも知れない。<br /><br />イマドキ文法を素早く先読みし<br />時代のニーズを取り入れた著者の策なのだろうか。<br />いや、もしくはそれをいち早く見抜き<br />作品を受け入れた出版社の先見の明だとしたら、恐ろしい。<br />実は未来を見据えた前衛的作品なのか。<br />光の速さ過ぎてついていけない。<br /><br />まぁなんにしろ、自分の中で<br />ある種のトラウマを生んだ事は確か。<br /><br />震える手で個人評価:★
24

ひきこもり探偵シリーズ

青空の卵坂木 司/東京創元社 by G-Tools仔羊の巣坂木 司/東京創元社 by G-Tools動物園の鳥坂木 司/東京創元社 by G-Toolsこちらもこのシリーズを買ってから、著者の本を購入するようになったもの。引きこもり探偵・鳥井真一と、その友人の坂木司。引きこもりなので、当然現場には出てこない。鳥井はいわゆる「安楽椅子探偵」でその捜査を足でするのが坂木司という間柄だ。作者と同名のキャラを登場させる小説は、他にもある。そ... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E3%81%AE%E5%8D%B5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457010%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457010" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/519NW9TYG2L._SL160_.jpg" border="0" alt="青空の卵 (創元推理文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E3%81%AE%E5%8D%B5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457010%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457010" target="_blank">青空の卵</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />坂木 司/東京創元社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%94%E7%BE%8A%E3%81%AE%E5%B7%A3-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457029%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457029" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XXP3J6BRL._SL160_.jpg" border="0" alt="仔羊の巣 (創元推理文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E4%BB%94%E7%BE%8A%E3%81%AE%E5%B7%A3-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457029%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457029" target="_blank">仔羊の巣</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />坂木 司/東京創元社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92%E3%81%AE%E9%B3%A5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457037%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457037" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oiluRG4%2BL._SL160_.jpg" border="0" alt="動物園の鳥 (創元推理文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92%E3%81%AE%E9%B3%A5-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E6%9C%A8-%E5%8F%B8/dp/4488457037%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4488457037" target="_blank">動物園の鳥</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />坂木 司/東京創元社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />こちらもこのシリーズを買ってから、著者の本を購入するようになったもの。<br /><br />引きこもり探偵・鳥井真一と、その友人の坂木司。<br />引きこもりなので、当然現場には出てこない。<br />鳥井はいわゆる「安楽椅子探偵」で<br />その捜査を足でするのが坂木司という間柄だ。<br /><br />作者と同名のキャラを登場させる小説は、他にもある。<br />そのことは後で触れるとして<br />登場人物と周囲の関係の作り方が上手な作家さんだと感じた。<br />全三巻に渡る探偵小話は、事件の解決だけでなく<br />坂木が鳥井を外の世界に連れ出そうとする奮戦記でもある。<br />「卵」「巣」「鳥」というタイトル通り<br />キャラ内部の変化も、そこに描かれている。<br /><br />さて、作家が登場する小説について。<br />今まであまり深く考えたことがなかったのだが<br />そもそも小説というものが、書き手の内面を如実に表すと思うのだが<br />更に自分を書くというのは、どういう心理なのだろう。<br />なんとなくだが、この本を読んで<br />「登場キャラに大事に想うあまり、自分を登場させるに至った」<br />のだろうかと、ふと思った。<br /><br />変な言い方になったが、嫌な意味ではない。<br />母鳥にも近い坂木のキャラは<br />著者の思いが反映されているからこそ、温かい読後感がある。<br />本の中の「坂木司」は男性キャラだが<br />第一印象で、作者は女性だろうと思った。<br /><br />これがそのまま女性キャラとして登場していたら<br />ちょっと印象は変わったかもしれないが<br />鳥井を導きたいたいが為に、作者は本の中に入り込んだのだろう。<br />「坂木司」という友人として。<br />この話を大事に書かれていたのが、話からも伝わる。<br /><br />基本的には読了後、あとがきまでざっと目を通す方なのだが<br />今回は「最後まで」きちんと読んでよかった。<br />読まれる方にもそうオススメしたい。<br /><br />ところで、男性作家がそのまま小説に登場したり<br />女性作家が男性に転じて登場するのは読んだことがあるが<br />男性が女性キャラとして出ているものは読んだことがない。<br />果たしてあるのか?<br /><br />ていうか需要無いか。(笑)<br /><br />個人評価:★★★★
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四畳半神話大系

四畳半神話大系森見 登美彦/角川書店 by G-Toolsこれを読んだ後、森見病にかかってしまい出ていた文庫本を全部まとめて買って読んだ。本を買うときはいつも、まずは本屋の「島」の前に立ちお気に入りの作家さんが出ていれば手に取り気になるタイトルを手に取り、最初の1ページ目を読んでみて何かピンとくるものがあれば買う。後はいわゆる「平積み」をぐるっと回って同じく気になった物があれば、1ページを読んで決める。森見氏の... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%9B%E7%95%B3%E5%8D%8A%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E5%A4%A7%E7%B3%BB-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A3%AE%E8%A6%8B-%E7%99%BB%E7%BE%8E%E5%BD%A6/dp/404387801X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D404387801X" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UKjrIE9QL._SL160_.jpg" border="0" alt="四畳半神話大系 (角川文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%9B%E7%95%B3%E5%8D%8A%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E5%A4%A7%E7%B3%BB-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A3%AE%E8%A6%8B-%E7%99%BB%E7%BE%8E%E5%BD%A6/dp/404387801X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D404387801X" target="_blank">四畳半神話大系</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />森見 登美彦/角川書店<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />これを読んだ後、森見病にかかってしまい<br />出ていた文庫本を全部まとめて買って読んだ。<br /><br />本を買うときはいつも、まずは本屋の「島」の前に立ち<br />お気に入りの作家さんが出ていれば手に取り<br />気になるタイトルを手に取り、最初の1ページ目を読んでみて<br />何かピンとくるものがあれば買う。<br />後はいわゆる「平積み」をぐるっと回って<br />同じく気になった物があれば、1ページを読んで決める。<br /><br />森見氏の本は「本屋のおすすめ」として平積みされていたのだが<br />まずはタイトルが強烈だ。「四畳半」に「神話大系」。<br />語呂的には、「東京タワーを踏みつぶすチワワ」くらいの威力がある。<br />そうして数行を読んで、迷うことなくレジに向かった。<br /><br />大学三年生になる主人公「私」。<br />悪友であり朋友である小津には居丈高な態度を取りながら<br />クールビューティー・明石さんにはなかなか一歩が踏み出せない。<br />要は内弁慶な男なんである。<br /><br />格式高い文学調で語られる内容は、よくよく意味を咀嚼すると志が低い。<br />崇高ですらある「私」のイケてない描写に、思わず何度も吹き出してしまう。<br />断言しよう。<br />モテない男子を描写させたら、森見氏は日本文壇の五本の指に入るであろうと。<br />数えている人がいるかどうかは知らないが。<br /><br />挫折する度に、「私」は思う。<br />嗚呼、このサークルに入らければ、人生は違ったのだろうかと。<br />そうして次の章では、本当に時間が逆戻りし<br />「私」は嬉し恥ずかし、新たなる学生生活に挑むのだ。<br />そう、舞台はアンドゥOKのパラレル世界。<br />だがどの世界にも、小津がひっそり寄り添っているのがミソだ。<br /><br />全てのサークル・パラレル世界が終了しても、油断してはならない。<br />最後がまた恐ろしい。<br />我々は永遠の四畳半のパラレルに放り込まれてしまう。<br /><br />行けども行けども、四畳半。<br />明日も明後日も四畳半。<br />ネバーエンディング四畳半。<br />ネバーギブアップ四畳半。<br />噴飯モノの拷問なので、ご飯を食べながらの読書はおすすめしない。<br />(↑何のアドバイスだ)<br /><br />これを読んだ後は、すべての森見著書を読まれることをお勧めする。<br />実は四畳半地獄がまだ終わってないというホラーを体感し<br />背筋を寒く、腹筋を緩くしてほしい。<br /><br />ついでにアニメの方もオススメ。<br />監督もきっと森見病なのだと、声を中くらいにして言いたい。(半端な)<br /><br />個人評価:★★★★★
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水木サンの幸福論

水木サンの幸福論水木 しげる/角川書店 by G-Tools某所にある「鬼太郎茶屋」にて購入。漫画じゃなくて、水木氏の文章を読んだのはこれが初めて。ちょっと吃驚した。凄く読みやすい文章を書かれる方だった。自身の一人称に「水木サン」を使われるのがちょっと若いコが自分を「●●チャンはね~w」と呼ぶ感覚っぽいのだがなんか読んでる内に、それもいいかと思えてくる。有名な話だが、水木しげる氏は40歳を超えてやっと漫画家として... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B4%E6%9C%A8%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E8%AB%96-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B0%B4%E6%9C%A8-%E3%81%97%E3%81%92%E3%82%8B/dp/4041929199%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4041929199" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41QsfcexjBL._SL160_.jpg" border="0" alt="水木サンの幸福論 (角川文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B4%E6%9C%A8%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E8%AB%96-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B0%B4%E6%9C%A8-%E3%81%97%E3%81%92%E3%82%8B/dp/4041929199%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4041929199" target="_blank">水木サンの幸福論</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />水木 しげる/角川書店<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />某所にある「鬼太郎茶屋」にて購入。<br />漫画じゃなくて、水木氏の文章を読んだのはこれが初めて。<br />ちょっと吃驚した。<br />凄く読みやすい文章を書かれる方だった。<br /><br />自身の一人称に「水木サン」を使われるのが<br />ちょっと若いコが自分を「●●チャンはね~w」と呼ぶ感覚っぽいのだが<br />なんか読んでる内に、それもいいかと思えてくる。<br /><br />有名な話だが、水木しげる氏は<br />40歳を超えてやっと漫画家として売れ出したという<br />まさに「大器晩成」を地で行く人生を歩んだ人だ。<br />現代なら、何らかの病名をつけられてしまうのでないかと言うほど<br />のんびりマイペースな幼少時代と<br />そして社会に適合しているとは言いかねる青年時代が<br />この本でも綴られている。<br /><br />そうして徴兵され、戦争へ。<br />激戦が繰り広げられていた南の最前線で腕を失うところでも<br />水木氏の語り口調は、冒頭と変わらない。<br />昂ぶることもなく、嘆くこともなく<br />ただ読者に対して、分かりやすく文字を連ねている。<br /><br />戦争体験がこんな風に語られるのを、初めて読んだ気がする。<br />同時に、出来た人だと感じた。<br />仮に自分を「しげるチャン」と呼んでてもこれは許せる。(笑)<br /><br />最後は兄弟での対談が掲載されており<br />普段はあまりこういう形式のものは好きでないのだが<br />あたたかい気持ちで読むことができた。<br />これも「水木サン」効果であろう。<br /><br />確かに水木氏は凄い。うむ、納得。<br /><br />ということで個人評価:★★★★<br />
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永遠の0(ゼロ)

永遠の0百田 尚樹/講談社 by G-Toolsモンスターの感想書いたら、こちらも思い出したので。その内、もう1冊百田さんの本を読んでみるつもりだが今のところ、デビュー作のこちらの方が印象に深い。兄弟は祖母の死をきっかけに、祖父が実祖父でないことを知る。ふと母が漏らした「父親(=実祖父)は家族を愛していたのかしら」という言葉に、祖父のことを調べようと思い立つ。祖父の名は、宮部久蔵。僅かな手がかりをもとに、祖父を... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%99%BE%E7%94%B0-%E5%B0%9A%E6%A8%B9/dp/406276413X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D406276413X" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JAfH7oHRL._SL160_.jpg" border="0" alt="永遠の0 (講談社文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%99%BE%E7%94%B0-%E5%B0%9A%E6%A8%B9/dp/406276413X%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D406276413X" target="_blank">永遠の0</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />百田 尚樹/講談社<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br /><a href="http://harubooook.blog.fc2.com/blog-entry-20.html" target="_blank" title="モンスター">モンスター</a>の感想書いたら、こちらも思い出したので。<br />その内、もう1冊百田さんの本を読んでみるつもりだが<br />今のところ、デビュー作のこちらの方が印象に深い。<br /><br />兄弟は祖母の死をきっかけに、祖父が実祖父でないことを知る。<br />ふと母が漏らした<br />「父親(=実祖父)は家族を愛していたのかしら」<br />という言葉に、祖父のことを調べようと思い立つ。<br /><br />祖父の名は、宮部久蔵。<br />僅かな手がかりをもとに、祖父を知る人間を探しだす。<br />ある人は、天才パイロットと彼を呼んだ。<br />ある人は、臆面なく死を恐れる臆病者と罵った。<br />そして、ある人はこう言った。<br />彼は、娘の顔を見るまでは死ねないと言っていたと。<br />だが祖父は、終戦の直前に特攻隊で死んだのだった。<br /><br />戦争経験者から語られる、凄まじい戦争の現実。<br />命を命と思わぬ軍隊の狂気。<br />その狂気に殺された若者達の最期。<br />そこにある、宮部という男の一貫した信念。<br />「死にたくない」<br /><br />モンスターの整形ネタといい、今回の空軍という舞台といい<br />土台がしっかりと作られていて、読んでいても心地いい。<br />きっちり調べて文字にする人なのだろうという安心感がある。<br /><br />ただ「戦争という歴史物」として読まれた場合<br />多分賛否両論あるんじゃないかと思う。<br />良くも悪くも、話が綺麗におさまっているからだ。<br />その光景を実体験した人の<br />「戦争はそんなもんじゃなかったんだ」と言う声は<br />戦争を知らない世代には、恐らく計り知れない程深いのだ。<br /><br />だからこそ本書は、そんな世代が読むべきだ。<br />戦争の恐ろしいところは<br />「戦争はいけない」などと分かり切った真実を口にすることも<br />「生きたい」と願うことすら許されず<br />その狂気がまかり通っていた時代だったという事実なのだ。<br /><br />戦争というそのものは体感出来なくても<br />それらを間違ったものだと横柄に断言し<br />厚顔無恥に逆らう気概を読み取って欲しい。<br />それだけでも、この小説はちゃんと<br />「戦争を知らない世代へのメッセージ」の使命を果たせると思う。<br /><br />実は「死んだ祖父」という登場人物に<br />よみがえりとか夢の逢瀬とかの「あやふやな結末」を心配していたので<br />それらを用いず、しっかりと結末に繋げたのが好感。<br />読み物としても安心して楽しめた。<br /><br />戦争と言えばもう1冊思い出した本があるので、次はそれを書く。<br /><br />個人評価:★★★★
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モンスター

モンスター百田 尚樹/幻冬舎 by G-Tools百田氏は、面白い経歴をお持ちだ。表紙の見返しのところを見て知ったのだが「探偵ナイトスクープ」の構成に携わっていたらしい。後で興味を持ってwikiを見てみたら、「ラブアタック」にも出てたとか。(笑)関西の人間からみると、ひたすら「面白いモン好き」なイメージだが表題はホラーともサスペンスともつかないし帯の煽り文句「整形手術で人生は変わるのか」は確かにナイトスクープのお... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%99%BE%E7%94%B0-%E5%B0%9A%E6%A8%B9/dp/4344418506%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4344418506" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/410zewikn8L._SL160_.jpg" border="0" alt="モンスター (幻冬舎文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%99%BE%E7%94%B0-%E5%B0%9A%E6%A8%B9/dp/4344418506%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4344418506" target="_blank">モンスター</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />百田 尚樹/幻冬舎<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />百田氏は、面白い経歴をお持ちだ。<br />表紙の見返しのところを見て知ったのだが<br />「探偵ナイトスクープ」の構成に携わっていたらしい。<br />後で興味を持ってwikiを見てみたら、「ラブアタック」にも出てたとか。(笑)<br /><br />関西の人間からみると、ひたすら「面白いモン好き」なイメージだが<br />表題はホラーともサスペンスともつかないし<br />帯の煽り文句「整形手術で人生は変わるのか」は<br />確かにナイトスクープのお題のように思えなくもない。<br /><br />美人で有名なレストランのオーナー・未帆。<br />が、実は彼女はその醜さ故に「バケモノ」と呼ばれ<br />歪んだ心を抱えた少女だったのだ。<br />その身を売り、度重なる整形手術に貢ぐ。<br />そうして完璧な美を手に入れた彼女は<br />やっとのことで女としての幸せを掴む。<br /><br />読んでみて、その細かさが面白かった。<br />整形の泥沼にハマっていく話だとは予想していたが<br />知識本としても実に興味深い。<br />目の埋没だの切開だのはどこかで聞いた気がする。<br />左右のバランスをとるのは分かるが、逆に崩すという手法は驚きだ。<br />不細工と美人の違いが「ほんの少し」だというのも説得力がある。<br /><br />泥沼にハマると言っても、未帆の精神に異常性は見られない。<br />医者の話も交えて、非常に理性的に理論的に<br />淡々と整形手術をこなしていくのだ。<br />芸能人ニュースなどでも取り沙汰される「整形」だが<br />ここまで徹底すれば、むしろ努力だと考えていい。<br /><br />化け物とまでいわれた和子が<br />整形という手段で絶世の美女になる過程は<br />ページの色までドドメ色からさわやかなピンク色に変わるようで<br />なんとも「美」は恐ろしい。<br /><br />タイトルの「モンスター」とはなんだろう。<br />醜かった和子であろうか。<br />執拗に美を追い続ける未帆であろうか。<br />それとも、美さえあれば何もかもがリセットできると<br />あの頃からなんら変わらず<br />未帆の中で生き続けている和子の幼さであろうか。<br /><br />この手の話は、オチとしては2パターンあるかと思う。<br />どんでん返しで不幸に終わるか、痛快な人生を歩むかだ。<br />このオチも決して悪くはなかったけれど<br />個人としてはもうひとつのオチで読んでみたかった気も。<br /><br />ということで個人評価:★★★<br />
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天体戦士サンレッド 16巻

天体戦士サンレッド(16)くぼた まこと/スクウェア・エニックス by G-Toolsまあ個人的に好きだってだけなんですがアニメになった時にたまたま見て、ハマった作品。王道ヒーローも嫌いじゃないんだけどグダグダのヒーローとか、微妙な悪役とかがツボ。ちなみにここ最近のお気に入りは朝ZIPでやってるおはようガッチャマンと金曜夜にやってる勇者ヨシヒコである。(´・ω・`)キリッヤンキーあがりみたいなヒーローと生真面目なヴァンプや... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%93%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89-16-%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%81%8F%E3%81%BC%E3%81%9F-%E3%81%BE%E3%81%93%E3%81%A8/dp/4757537573%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4757537573" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51cINS7m1jL._SL160_.jpg" border="0" alt="天体戦士サンレッド(16) (ヤングガンガンコミックス)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%93%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89-16-%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%81%8F%E3%81%BC%E3%81%9F-%E3%81%BE%E3%81%93%E3%81%A8/dp/4757537573%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4757537573" target="_blank">天体戦士サンレッド(16)</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />くぼた まこと/スクウェア・エニックス<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />まあ個人的に好きだってだけなんですが<br />アニメになった時にたまたま見て、ハマった作品。<br /><br />王道ヒーローも嫌いじゃないんだけど<br />グダグダのヒーローとか、微妙な悪役とかがツボ。<br />ちなみにここ最近のお気に入りは<br />朝ZIPでやってるおはようガッチャマンと<br />金曜夜にやってる勇者ヨシヒコである。(´・ω・`)キリッ<br /><br />ヤンキーあがりみたいなヒーローと<br />生真面目なヴァンプや怪人たちとの関係もさながら<br />恋人・かよことの甘酸っぱい関係の配合具合がいい。<br /><br />またアニメ放映3期やってくれまいか。<br />1期も2期もOPがカッコいい。<br />OPの曲調だけはいつも王道。(笑)<br /><br />願いを込めて、個人評価:★★★★<br /><br />
  • Date : 2012-11-06 (Tue)
  • Category : 漫画
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蝦夷地別件 上・中・下巻

蝦夷地別件船戸 与一/小学館 by G-Tools量的にも内容的にも、読みごたえがあった。(満足)自分の棺桶には花でなくて好きな本を入れて欲しいと常々思うのだがそうすると自分が入らないかもしれない。 幕府の知行地として、一方的に酷使されていた蝦夷地とアイヌ。 幾度となく繰り返されてきた反乱も 1789年のクナシリ・メナシの戦いが最後の抵抗となり 以降、アイヌ文化は縮小の一途をたどることになる。 当時の蝦夷地は、松前藩... <table border="0" cellpadding="5"><tr><td valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%9D%A6%E5%A4%B7%E5%9C%B0%E5%88%A5%E4%BB%B6-%E4%B8%8A-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%88%B9%E6%88%B8-%E4%B8%8E%E4%B8%80/dp/4094086757%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4094086757" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QAlaCVZ3L._SL160_.jpg" border="0" alt="蝦夷地別件 上 (小学館文庫)" /></a></td><td valign="top"><font size="-1"><a href="http://www.amazon.co.jp/%E8%9D%A6%E5%A4%B7%E5%9C%B0%E5%88%A5%E4%BB%B6-%E4%B8%8A-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%88%B9%E6%88%B8-%E4%B8%8E%E4%B8%80/dp/4094086757%3FSubscriptionId%3D15SMZCTB9V8NGR2TW082%26tag%3Dharuhon-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4094086757" target="_blank">蝦夷地別件</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=haruhon-22&l=ur2&o=9" width="1" height="1" style="border: none;" alt="" /><br />船戸 与一/小学館<br /><br /><br /><br /><br /><br /><font size="-2"> by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html" >G-Tools</a></font></td></tr></table><br /><br />量的にも内容的にも、読みごたえがあった。(満足)<br />自分の棺桶には花でなくて好きな本を入れて欲しいと常々思うのだが<br />そうすると自分が入らないかもしれない。 <br /><br />幕府の知行地として、一方的に酷使されていた蝦夷地とアイヌ。 <br />幾度となく繰り返されてきた反乱も <br />1789年のクナシリ・メナシの戦いが最後の抵抗となり <br />以降、アイヌ文化は縮小の一途をたどることになる。 <br /><br />当時の蝦夷地は、松前藩の管轄領であった。 <br />120年前に起きた「シャクシャインの決起」で和人に敗れて以来 <br />アイヌ達は不当な条件下に搾取・酷使され <br />仲間を殺され女を犯されても、ただじっと耐えていた。 <br /><br />アイヌ達には思惑があった。 <br />武器さえあれば、勝てる。 <br />そう信じて、密かにロシアの船員を通じ <br />ヨーロッパから鉄砲300丁を購入するよう、話をつけていたのだ。 <br />約束したのは、救国ポーランド貴族団・マホウスキ。 <br />彼には彼の祖国を救うため、別の思惑があった。 <br /><br />実際にそのような史実があるのかは不明だが <br />シャクシャインでは、アイヌは松前藩の鉄砲の前に敗れている。 <br />アイヌは鉄が最大の恐怖であったと同時に<br />最大の反逆力になると考えていた可能性はゼロではない。<br />それが日本国内の話にとどまらず <br />ヨーロッパからの影響を含めて書かれてあり <br />リアルな時代背景に思わず引き込まれてしまう。 <br /><br />一方、蝦夷地に渡ってきた和人があった。 <br />僧侶である洗元と清澄、そして葛西政信なる浪人者。 <br />この二人にはまた別の思惑があるようだった。 <br /><br />絡み合う思惑の中、ただ座主に言われるままにここへ来た洗元と<br />自然と共にあるアイヌ達の純粋さが沁みる。 <br />だがこの時既にアイヌという文化に江戸の様式が入り込んでおり<br />彼らはもう何かを失っていて <br />崩壊への一途を辿りつつあったのかもしれないと思うと、切ない。 <br /><br />史実を元にしているから、当然結末はハッピーエンドではない。 <br />最後に清澄があげる読経だけが、唯一の鎮魂歌だ。 <br /><br />その清澄が洗元にあてた文で物語は始まり、その文で物語は締めくくられる。 <br />その想いに、ふと胸が痛くなる。<br />文を受け取った洗元の胸に満ちたのは <br />友への懐かしさだろうか、怒りだろうか、哀れみだろうか。 <br />それとも、もう二度と見ることのない蝦夷の風景だろうか。<br /><br />幕府体制に凌辱され、侵略された蝦夷の地は <br />後に最後の佐幕派が潰えた場所となる。<br /><br />歴史は、最強のノンフィクションだ。<br />1つの伏線が、現実となって後世に現れる。<br />事実は小説より奇なりとは、まさにこのことだと感じた作品だった。<br /><br />個人評価:★★★★<br /><hr size="1" /><br />ところで今回、自分の中でも発見があった。<br />本を読むのは好きだが、実は海外の本となるとぐっと数が少ない。<br />理由は、カタカナ名前が頭に入らないからである。<br />金太郎と金吾郎とならサクサク読めるのに<br />イワンコフとイワノビッチが出てきたら、ページ何度か逆戻りしてしまう。<br /><br />だがアイヌのカタカナ名前は、ちゃんと脳が受理した。<br />更にロシアやヨーロッパ人も少しでてくるのだが<br />「ステファン」まではなんとか受理したものの<br />「クラコヴィッチ」「トレンヴィッキ」で少々危うくなり<br />「ニコライ・イワノヴィッチ・チュコフスキー」でアウト。(爆)<br />いや、少なかったから何とかいけたのだが。<br /><br />ま、歴史にも自分にも再発見があったってコトで<br />
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